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デフレスパイラルの恐怖

2020年06月16日
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先日、筆者は家電量販店に買い物に行きました。

国産のとても良い商品が驚くような価格で販売されています。

品質の高いモノやサービスが低価格で提供されているこの日本。

大量消費の時代が終わり、モノやサービスが市場に溢れてくると、
需要が伸びなくなります。

 

高度経済成長期のように人口が増えて、所得も右肩上がりの時代からは
まったく間逆になった今では、需要が伸びなくなると様々な問題が起き
ます。

人口が減少し始め、給与も伸びない(いや減少している)状況で、
需要が落ちていくと供給過多になり、モノやサービスは価格を落として
いくことになります。

 

価格が下がることはいいことじゃないか?

 

そんな声も聞こえてきそうですが、実はそこに大きな落とし穴が待って
います。

人口(消費者)が減少していく中で、モノやサービスの価格を下げていく
と、消費者は自分で自分の首を絞めてしまうことになるのです。

価格を下げても需要が喚起されない場合は、その現象がより顕著になって
しまいます。

企業は売れなくても利益を確保しようとするために、従業員の給与を下げ
ます。

そんな結果で、労働市場では最低賃金に近い給与で雇う企業が山ほどある
のです。

 

品質の高いモノやサービスを低価格で求める行為そのものは、巡りめぐっ
て商品やサービスを提供している労働者の賃金(所得)を下げることに
つながるのです。

 

労働者の所得が下がると、消費活動が滞る為に市場での需要が減少し、
そのしわ寄せが巡りめぐって、低価格を求めた消費者のところに帰って
きます。

人の所得を下げる人が、結果として自分の所得をも下げることになるの
です。

 

 

 

これが今の日本を苦しめるデフレスパイラルの姿です。

 

モノやサービスが市場に溢れている中で、所得が上がらないために消費が
落ち込む。

需要を喚起する為にモノやサービスは価格を下げて対応する

それでも需要はすぐに増えないために、企業は給与を下げる
(非正規を増やす)

所得が減った人は将来の不安から消費をしないので、さらに需要は減る

企業も個人も所得が減少するので、国の税収は落ち込んでいく

税収の落ち込みによって国家予算が減少するのに高齢化の影響で社会
保障費は上昇

社会保障費の圧迫が影響して、景気対策にもなる公共工事等は減っていく

国の景気対策も先細りしていくので、企業は苦しくなり先行投資を
減らしていく

先行投資を減らすと日本企業の国際競争力は更に低下していく

それでも需要は増えないので、企業は更に価格を下げ、従業員の給与を
下げる

 

こんな負のスパイラルをこの日本はいつまで続けるのか?

これに加えて、国は予算が足りないと赤字国債を発行して、国の借金を
増やします。

そして、国の借金(国民の負債)は増えていくことになります。

 

需要が伸びない本当の要因は何なのか?

 

一つだけ筆者が言えることがあります。

 

国難ともいえる「少子高齢化」の影響は拭えないと。

 

「少子高齢化」に対応できなければ、負のスパイラルは終わらないかも
しれない。

そう思うのです。

人口減少社会では、需要は増えません。

先細りしていきます。

そして、お金を持っているのに将来の不安から消費をしない高齢者が更に
増えると需要は冷え込んでいきます。

政府や日本銀行がデフレ対策を必死になって進めていますが、このデフレ
の本当の恐ろしさを理解している人は、意外と少ないのではないでしょう
か。

 

このデフレの本当の恐ろしさは、貧困と直結していることです。

 

国の成長にも大きな影響を及ぼすだけでなく、国民の生活にも大きな
影響を及ぼすこのデフレ。

 

今回の記事では、少子高齢化に悩むこの国においてデフレがどのような
影響を及ぼすものなのかを皆さんと一緒に考えていきたいと考えていま
す。

 

 

 

 

 

まずは生産性を上げること

 

 

日本の生産性が低いのは本来の価値より安く売っているだけで、本当は
もっと付加価値が高いのではないか?

 

低報酬(低賃金)= 低生産性?

 

生産性をどのように上げていくのか?

 

日本のお家芸であった製造業は、まだ世界レベルの生産性に見劣りは
していません。

問題なのは、製造業意外の業種。

特に以前の記事でもご紹介したとおり、日本の産業構造はバブル崩壊以降
大きく変わってしまいました。

全産業の中で製造業が占めるウェイトは大きく減少し、サービス業が
台頭しました。

このサービス業の生産性が低いといえるのです。

 

低生産性 = 低報酬(低賃金)

 

ここに大きな問題があります。

 

所得を上げるためには、生産性を上げていくしかないのです。

さすればどのように生産性を上げていくのか?

それも、日本の産業の中で大きなウェイトを占めるサービス産業の
生産性をいかに上げていくのかが鍵です。

 

 

中小企業へのIT化支援

 

 

サービス業は人への依存度が高く、製造業のように機械化は容易では
ありません。

中小企業が多いサービス産業では、IT化への投資が容易にはできません。

今回のコロナ禍の中小企業対策で、テレワーク等のIT化支援の施策を
打ち出している自治体も出てきました。

もっと積極的にIT化のような生産性を上げる為の支援が必要です。

海外への輸出を支援すべきだと感じます。

そして、国内では少子高齢化の影響で伸びない需要を海外に求めるべき
です。

今は世界的なパンデミックで世界的に需要が落ち込んでいますが、
日本の中小企業ももっと海外へ進出すべきです。

日本の中小企業の中には、世界的な技術を保有する企業が少なくないのは
皆さんもよくご存知のはずです。

 

そんな世界でも戦える中小企業の数を増やすのです。

 

お隣り中国にも世界を股にかける中小企業が山ほどあります。

中国にできて日本にはできないはずがありません。

 

先日投稿したドイツに関する記事の中でも、ドイツ政府が海外に展開する
ドイツの中小企業を強力にバックアップしている事例をご紹介しました。

もっとドイツの取り組みに学ぶべきです。

 

 

もっとスピード感が必要

 

 

生産性を上げていくためにいろいろなことを考えてみました。

 

でも、一番大事なことはスピード感だと思います。

 

筆者がまだ若かったころ、この国の企業で働く人は本当によく働きまし
た。

そしてスピード感を持っていました。

顧客から要望されたことは、直ぐに取り組み、夜を徹して試作品を
つくり、顧客が驚くタイミングで答えを出していました。

いつのまにやらそんなバイタリティはなくなり、スピード感も無くなり
ました。

働き方改革も影響しているのかもしれません。

バイタリティは競争相手でもある途上国に盗まれてしまったかのよう
です。

このスピード感の無さは、企業だけでなく政府や自治体にも蔓延して
います。

今回のコロナ禍の経済対策について、安倍首相は「世界最大級の対策」
と自慢していますが、補正予算を決めてもその執行が遅くてはまったく
意味がありません。

 

アベノマスクがそのよい事例だと思います。

 

10万円給付も同じです。

 

4月末に閣議決定したこの給付金の性格は、困窮した国民への急ぎの
生活支援金だったはずです。

蓋を開けると、大混乱。

オンライン申請の不備が続き、6月になろうとするこの時期に配布され
ているのはごく一部の自治体に限られます。

筆者も5月中旬に自治体から郵送されてきたために即日返送しました。

ところが2週間経っても振り込まれません。

別の用事で市役所を訪ねた時に聞いてみました。

 

「いつ頃振り込まれるのですか?」

 

市の職員曰く

 

「6月中には振り込まれる予定です」

 

「えっ・・5月中ではないのですか・・・」

 

開いた口が塞がりませんでした。

 

 

このスピード感の無さには、恐怖感すら感じます。

まるでリーマンショックの際の商品券を配るような感覚なのです。

 

まさに他人事です。

 

困窮する市民の血税で雇用されている市職員がこのような感覚になる
のは何が要因なのでしょうか。

対策だけでなく、いかにスピード感を持って施策を進めていくのか。

とても不安に感じました。

 

この国をもっと早く動かす方法はないものでしょうか。

 

最後は少し愚痴っぽくなってしまいました。
お詫び致します。

 

 

今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。