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単身赴任やめて家族と暮らそう

2020年07月12日
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コロナ禍は、日本人の働き方やその価値観を大きく変えるかもしれませ
ん。

 

職場クラスターの発生は、コロナの時代にあって、今までの同僚と机を
並べて働く働き方に警鐘を鳴らしています。

 

コロナ禍は、同時に日本型のパートナーシップ雇用形態にも影響を与え
始めました。

 

会社の指示には絶対服従。

 

会社に忠誠を誓う為にどこにでも転勤をして、どんな仕事でも取り組む。

 

その結果、家族という運命共同体の形をも犠牲にしてきました。

 

筆者も社会人生活の半分を費やした「単身赴任」。

 

この単身赴任という海外からみると信じられない制度も今見直されよう
としています。

 

今回は、この単身赴任とともに在宅勤務について皆さんと一緒に考えて
いきたいと思います。

 

 

 

何か変だよ、単身赴任

 

 

この国で働く人の多くが単身赴任を経験しています。

 

以前の記事でもご紹介をしたとおり、その数は約87万世帯もあるそうで
す。

 

この単身赴任、企業の事情による転勤の影響が大きいことは理解できる
のですが、やはり東京一極集中の影響が顕著であることも事実です。

 

単身赴任している人の健康面や経済面での負担やリスクも大きいのです
が、実は会社側の負担も意外と大きいのが実態です。

 

かつては週末の夜、新幹線の下り電車に乗ると、たくさんの単身赴任の
オジサン方が家に戻る車中で一人飲み会をしていました。

 

その数の多さに筆者はいつも驚いていました。
(そういう自分もその一人でしたが・・・)

 

単身赴任手当(家に戻る為の交通費)、単身赴任用住居費だけみても、
その数掛ける単身赴任の人の数なので、企業にとってもバカにならない
数字になります。

 

そんな単身赴任、このコロナの影響で、社員からNOが付き尽きられよう
としています。

 

今、コロナをきっかけに働き方が変わろうとしています。

 

大手食品会社C社が、テレワークを無期限で延長し、単身赴任もなくすと
発表しました。

 

このC社は、オフィスで働くおよそ800人の働き方を原則として、
「出社勤務」から「テレワーク」に変更するそうです。

 

これに伴い、業務に支障がないと認められた場合は、単身赴任をやめて
家族と同居できるようになるということなのです。

 

会社へ通勤しないのであれば、単身赴任する必要もありませんね。

 

 

画像素材:いらすとや こんな寂しい想いからもおさらばできるかも

 

 

また、通勤の定期代の支給をやめて、出社する場合は交通費を実費で
支給することも同時に発表していました。

 

このC社での社員のアンケートでは、

「コロナ感染症の拡大前の働き方を変えたい」

と答えた人が回答者の6割に上るなど、社員の意識が変化したという
ことです。

 

まだ今回の対象は、本社や営業拠点などの勤務者(約800人)のみのよう
ですが、ウェブ会議や契約書の電子押印などを活用し、出社率を3割前後
に抑えるそうです。

 

C社ではコロナ感染防止のため、他の大手企業と同じように3月下旬から
在宅勤務を原則としてきました。

 

その結果、通勤時間の削減やITによる業務効率化の効果を認め、本格的
な導入を決めたそうです。

 

単身赴任の解除では、家族との生活を充実させ、仕事の効率化につなげ
てもらう狙いがあるとも報じていました。

 

コロナ禍を機会に、社員が真剣に働き方を考え始め、それを会社が真剣
に受け止めた結果だと筆者は感じています。

 

 

家の中でどう働くのか

 

 

筆者も3月末に40年近くも勤めた会社を定年退職しました。

 

同じ時期に定年退職した人は、殆どの方が子会社に再就職(再雇用)
しました。

 

会社に残らない選択をする人はまだまだ少数派なのかもしれません。

 

コロナの影響もあり、4月末に東京から自宅のある兵庫県に戻った筆者
は毎日同じ働き方をしています。

 

調査活動や所用で外出する時以外は、毎日ほぼおなじルーティンです。

 

朝起きると、2階にある自分の部屋から1階にある書斎(仕事部屋)へ
出勤しています。

 

この書斎、もともとは子供たちの遊び部屋として使っており、子供たち
が巣立った後は嫁さんが倉庫として使っていました。

 

庭に面していて、3方に窓があるとても明るい部屋で、倉庫ではもった
いない為、嫁の荷物を追い出し、筆者が占拠しました。(笑)

 

ピアノが置いてある以外は、全て東京から持ち帰った本やパソコン。

 

パソコンは、論文作成用に活用していたモバイルPCに大画面テレビを
接続して、合計2台を机をL字型にしてうまく活用しています。

 

光の高速回線も、新たに庭経由で引き込みました。

 

同じ家の中ですが、会社に出勤している時と大まかなルーティンは変え
ないで済みます。

 

筆者の普段の生活は下記のとおりです。

 

 

AM6時 1階のオフィスに出社

通勤時間約1分

満員電車で辛い思いをすることはありません

 

AM12時迄仕事(自分の執務)

AM8時くらいに仕事をしながら朝食

時々庭に遊びにきた鳥を観察しながら休憩

(ウグイスや見たこともない綺麗な鳥たちがやってきます)

 

 

 

画像素材:Jim  Mayes  まさか庭にウグイスが遊びにくるとは・・

 

 

実働5~6時間ですが、集中してやるので、結構はかどります

 

昼食後は、その日の都合に合わせて活動

 

・庭の手入れ(花壇に植えた野菜や芝生の手入れ、そして雑草抜き)
今、野菜たちは一斉に花を咲かせています
トウモロコシ、トマト、オクラ、胡瓜、茄子、唐辛子等々

・読書や資格取得の勉強

・外出等々

 

PM5時

夕刻からは家の掃除

 

家族の夕飯は筆者が毎日つくります

 

PM9時 退社

自分の部屋に戻ります

こちらも通勤時間約1分

就寝までは、本を読んだりしています

 

 

会社生活だと、ここまでのスケジュールはこなせません。

やはり通勤時間が無いことが大きいのです。

通勤時間はムダなのです。

 

 

 

通勤にはこの階段を利用するだけです
感染リスクもなし、満員電車で辛い想いや嫌な思いをすることもない
毎日遅れて、謝ってばかりの電車のアナウンスを聞く必要もない
血圧も上がらず、とても健康的です

 

 

テレワークは何のために?

 

 

テレワークの場合、家族がいてやりにくいという話はよく聞きます。

 

まだ子供さんが小さいときは苦労も多いかもしれません。

 

でも、昼間子供さんが学校でいないとなれば、仕事場所をきちんと決め
ていれば仕事は結構はかどります。

 

まだコロナの影響が出る前の昨年のこと、筆者が勤めていた会社には
テレワーク推奨日というのが四半期に一度設けられていました。

 

筆者も必ずテレワークしていたのですが、とても仕事がはかどりました。

 

それもそのはず、同居の次男が大学に行った後は、家の中には誰もいない
ためとても静かで邪魔するものが何もありませんでした。

 

普段と同じ時間に起きて、子供の朝食を準備したあとは、直ぐに自分の
デスクで仕事を始められます。

 

一番大きいのは、片道2時間の通勤時間の有効利用でした。

 

朝6時過ぎには仕事を始めて、1日の仕事は大抵の場合、昼過ぎには終わ
っていました。

 

余った時間は様々な調査に使えました。

 

1日で1.5日分の仕事ができたのです。

 

なおかつ、2時間以上の通勤で疲れ切った体に無理強いして夕飯の支度
をする必要もありません。

 

毎日のように大幅に遅れる電車にイライラすることもなく、健康的です。

 

いつも腹を空かした息子を気にしながら慌てて夕食の支度をしていまし
たが、のんびり買い物や夕食の支度ができます。

 

 

 

画像素材:いらすとや
時間に余裕があると、後片付けも笑顔でできます
ストレス社会にあって、時間を有効に活用することは大事ですね

 

 

筆者の会社の管理職に、

週の半分はテレワークでいいのでは?

と提言すると、いつもバカにするような回答が返ってきました。

 

管理職の皆さんは、テレワークを会社の半ば強制業務として捉えていま
した。

 

そこには効率化とか生産性という考え方が存在していないのです。

 

家で働く前に、まず家で働くメリットをしっかり把握する必要があるの
ではないかと思います。

 

思い込みは捨てて、どうすれば効率化するのか、

 

どうすれば生産性が上がるのか?

 

これが家で働く本当のメリットです。

 

そして、無駄な通勤時間をどのように有効活用するのか。

 

コロナウイルスの感染を防止するだけでなく、時間をどのように有効
利用するのか考えることが、働き方改革につながります。

 

 

単身赴任を無くす効果

 

 

上記の食品大手C社は、なぜ家族で暮らす重要性に気付いたのでしょう
か。

 

コロナ禍の影響を最小限に留めるために会社も社員と今まで以上に一致
団結して取り組む必要性が出てきたといえます。

 

これは家庭にも言えることです。

 

単身赴任で家族がバラバラになること。

 

一家の大黒柱が家にいないこと。

 

「亭主元気で留守がいい」という言葉が昔流行りましたが、
それは平和な時代のこと。

 

コロナの時代、非常事態ともいえる時には、家族が一致団結して
助け合うことが重要です。

 

筆者は定年退職までの13年間を首都圏で単身赴任生活をしていました。

 

今回13年ぶりに家に戻り、家の掃除や庭を含めた家の周りの手入れに
1か月を要しました。

 

それ以外にも、自分がいないことで不自由なことをたくさん見つけまし
た。

 

一家の大黒柱が普段いないことのリスクは、意外と大きいなと感じたの
です。

 

コロナの時代、一家の大黒柱が家族の中心にドッカと座ることは悪いこ
とではなさそうです。

 

今回のC社の取り組みは、単純な会社の制度変更ではなく、
働き方改革とともに家族の在り方についても考えさせられるものでした。

 

アフターコロナの時代、家族の在り方も再定義されるかもしれません。

 

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。

 

 

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