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日本の生活様式を輸出しよう

2020年09月05日
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コロナ禍で経済が落ち込む中、自治体の中にはウィズコロナの時代にも
成長が見込める新たなビジネスを模索する動きが出てきました。

 

行き詰った既存のビジネスを変革しながら、新しいビジネスを立ち上げ
る為に若手実業家やNPO法人等の活動家、そして大学生を対象にアイデ
アを集め、広く市民に対して公募を求め、ビジネスの芽を見つけようと
する動きです。

 

そんな活動が始まる中で、意外な商品が売れていることに気が付きまし
た。

 

アメリカで日本製の温水洗浄便座が売れているそうなのです。

 

コロナの影響で、手が汚れるのを防止するだけでなく、感染防止にも
つながると判断されたのかもしれません。

 

筆者も海外出張に行った時にいつも困るのが、トイレでした。

 

どこの国に行っても、トイレに温水洗浄便座はありませんでした。

 

 

日本の家庭では、温水洗浄便座は当たり前の風景となりました
ようするに生活必需品です 我が家は、早くも3代目
でも感染対策にも役立つものだとは思いもしませんでした

 

 

 

コロナの影響で意外なものが売れているのですが、世界中に感染が広ま
る中で比較的感染者数を低く抑えられえている日本に注目が集まってい
ます。

 

なぜ、日本では感染者が少ないのか?

 

その答えはすぐには出てきませんが、清潔を重んじる文化を中心とした
日本人の生活様式が深く関わっているのではないかと感じています。

 

そんな日本人の生活様式から、新たなビジネスが出てくるかもしれませ
ん。

 

今回の記事は、そんな日本人の生活様式についてまとめてみたいと思い
ます。

 

読者の皆さんも是非一緒に新しいビジネスのアイデアを考えてみません
か。

 

 

なぜ日本人は玄関で靴を脱ぐのか

 

 

日本人は、なぜ家に入る時に靴を脱ぐのでしょうか?

 

理由としては、2つ挙げることができそうです。

 

まず一つ目は、日本が高温多湿な気候だということです。

 

東南アジアの国々も同じことが言えますが、高温多湿の為に縁の下を
作らなければ床が、湿気ってしまいます。

 

必然的に外と家の間には段差ができます。

 

この段差がゆえに、家に上がるという風習・文化が生まれました。

 

雨が多く湿度が高い、昔は舗装されている道路も少なく、履物が泥だら
けになっている場合には、そのまま上がれば汚れて仕方ありません。

 

昔は今のような靴を履いていませんでした。

 

草鞋のような粗末な履物では、外で活動しているだけで足が汚れてしま
います。

 

テレビの時代劇の中では、家に入る時に玄関で足を洗って(拭いて)い
る姿が、度々映しだされていました。

 

江戸時代には旅人が宿に着くと、まず旅人の足を洗うことが番頭さんや
女中さんの仕事だったそうです。

 

宿に着いた旅人を上がりかまちに座らせて、すぐに水の入った桶と手ぬ
ぐいを用意する。

 

そんなことが、つい100年ほど前までは当たり前だったのです。

 

 

 

画像素材:いらすとや
このイラストの家のように、家に入る為には上がるという行為が発生
します。この上がる行為そのものが、家の中と外を区別しています

 

 

 

ここでも綺麗好きというよりは、生活上の必然が存在しています。

 

海外でも靴を脱ぐ風習があるそうですが、それは宗教的な理由や生活
習慣上のことが多く、日本のように生活上の必然であるということでは
なさそうです。

 

二つ目は日本人の文化的な価値観ではないかと感じています。

 

けじめをキチンとつける文化は、家の中と外とをハッキリと区別してい
るような気がするのです。

 

日本風の旅館とホテルを比べると分かりやすいですが、ホテルでは部屋
の前の廊下は外の一部なのに対して、旅館では玄関がその境界線です。

 

日本人にとっては、家の中は外と区別するという文化があるのではない
でしょうか。

 

ようするに靴を脱ぐ場所(外)と、靴を脱いで上がったところ(内)を
明確に分けている。

 

一種独特な、気持ちを切り替える場所としても重要だったような気も
します。

 

玄関は、仕事や学校に行く時には、気持ちにスイッチが入る場所であり、
逆に帰ってきたときは気持ちが和む場所ではないでしょうか。

 

他にも、床に直接座る文化や直接布団を敷く日本の文化も、靴を脱ぐ
習慣に深く関わっていますが、日本人にとって家の中は特別な空間だっ
たといえます。

 

そんな文化や習慣もあって、ウイルス等を含む外の汚れ物が家の中に
入りにくい住宅環境であることは確かかもしれません。

 

そこに「手洗い」と「うがい」の習慣があり、近年では感染症の季節に
は多くの方がマスクをつけるという常識的な習慣も加わりました。

 

欧米のようにマスクを付けることに違和感は全くなかったのです。

 

土足で家に入る国では、大半が、椅子やベットの文化です。

 

外での汚れが靴をつかって家の中に入り込みます。

 

この文化の違いゆえに海外から(感染症対策という面で)注目されるの
かもしれません。

 

この注目されている文化をうまくビジネスにつなげられれば凄いこと
です。

 

但し、人前で靴を脱ぐことが大変失礼にあたる国もあるようですので
要注意です。

 

 

家の中では安心・快適は当たり前

 

 

玄関で靴を脱ぎ、手を洗ってうがいをする。

 

なおかつ、お風呂(温泉)好き。

 

外出から家に戻ったら、まずお風呂という人も少なくないはずです。
(筆者もその一人です)

 

外での活動でウイルスがいろいろなところに付着していたとしても、
家の中での感染リスクは間違いなく低減されます。

 

加えて日本人特有の食生活も感染対策には効果があるかもしれないので
す。

 

以前の記事でも度々ご紹介してきた日本食。

 

鶏プル発酵鍋

 

長寿の秘訣としても世界から注目されています。

 

特に発酵食品が多く、免疫力を向上させたり、老化防止や疾病対策にも
効果のある食品が多いことは確かです。

 

 

 

画像素材:PIXTA
以前の記事でもご紹介した日本食を表す言葉「まごはやさしい」
これに発酵食品の納豆等を加えると「まごはやさしいわね」
とてもバランスが良いことがわかります

 

 

 

その他にも日本らしい生活様式と言えば、

 

洗い場と浴槽が別になった比較的広いお風呂、

ゆったりと寝ころべるタタミのある部屋、

感染症対策にも効果のある緑茶を飲むこと等々、

 

三黒の美酢

 

そして、加えて日本食

 

コロナの影響でピタリと来なくなった外国人観光客が、以前はそういっ
た日本人らしい生活を楽しみたくて、わざわざホテルではなくレトロな
雰囲気のある旅館を好んで利用していたことには理解ができそうです。

 

そんな外国人にも好まれる日本の生活様式をどのように広めていくのか。

 

インバウンドを期待できなくても、日本の良いものを海外に輸出するこ
とは出来るのではないでしょうか。

 

 

どんなアイデアがあるのか

 

 

<日本の文化漂う畳を使った商品>

 

画一化した形状ではなく、外国の生活様式にも対応したもの。

日本の住宅に合わせた長方形ではなく、外国の住宅に合わせたもの。

 

 

<次は履物>

 

ファッション業界は世界的に大きく落ち込んでいますが、海外でも
夏場はサンダルを履きます。

近年ヨーロッパを中心に人気が高かった夏に履くコンフォートサンダル。

結構なブームになりました。

そのサンダル、ドイツでは畳の素材を使ったサンダルが好評だったそう
です。

ブームの後も、室内履きとして使われているそうなのです。

 

 

<そして意外と知られていないスリッパ>

 

そう、皆さんが玄関で靴を脱いで家に入る時に使うスリッパです。

日本人の殆どが、スリッパが日本発祥だとは知らないかもしれませんね。

家の中で履くスリッパや学校で履き替える上履きは日本で生まれました。

19世紀に開国した日本に、西洋の先進技術を伝えるため多くの外国人が
やって来ましたが、当時は西洋式の宿舎が十分でなく、はたごや寺社が
宿泊先になったそうです。

でも、西洋人は人前で靴を脱ぐ習慣がなく、畳の上に土足で上がろうと
してトラブルが多発したそうです。

そうして生まれたのが、靴の上から履くオーバーシューズ。

 

ようするにスリッパです。

 

汚いものから綺麗なものに履き替えるという文化は、靴を脱がない海外
でも受け入れられる可能性があるかもしれません。

 

この日本生まれのスリッパ、海外からの需要はもう始まっています。

 

スリッパの生産量が日本一の山形県河北町では、室内でも靴を履く習慣
がある海外から新型コロナウイルスの感染防止の為に、室内用の履物と
して日本のスリッパに関する問い合わせが相次いでいるそうです。

嬉しいことに、この7月には町内のメーカーで初めて輸出に向けた梱包
作業が行われたそうです。

 

 

出所:山形県河北町ホームページから引用
http://www.town.kahoku.yamagata.jp/6290.html
さすが日本一(いや世界一)、ユニークでカラフルです

 

 

畳の原料であるイグサの生産地は熊本県、上記の山形県同様に大きな
水害に見舞われました。

地域の復活にこのコロナ禍をうまく利用できるのであれば、嬉しい限り
です。

 

 

<意外とインパクトが大きい食品>

 

前述のように、日本には数多くの発酵食品が存在します。

その多くは免疫力に効果があったり、疾病や老化防止に効果があるもの
も少なくありません。

ただ長く伝統を守ってきたためにその殆どが日本様式です。

日本に在住する外国人の力を借りて、その国の食文化に適合できるモノ
にできれば日本の食文化と共に伝えていくことができるかもしれません。

 

さよなら中性生活プレミアム

 

<そして衛生用品>

 

前述の温水洗浄便座は、アメリカだけではなく、かつては来日した中国
の方たちの爆買いの対象になっていました。

この機会に感染拡大が止まらない発展途上国へも広めていくべきかもし
れません。

アフリカ等暑さが深刻な地域では、日本のメーカがレンタルやリースで
エアコンを販売しているようです。

コロナの時代、同じような形態で海外に広めていけるチャンスかもしれ
ませんね。

 

 

<こんなものまで:防災関連>

 

実は、日本は防災先進国といってもよいかもしれないのです。

昨今、地震だけでなく、洪水や台風の被害が増えていますが、その被害
を最小限に留めるために国内ではどこの自治体も防災システムを導入し
ています。

地球温暖化の影響による災害が世界規模で起きている中、防災先進国と
してノウハウもシステム(製品)も輸出できるはずです。

防災システムのようなおおがかりなモノだけでなく、防災グッツや備品、
簡易トイレ等数多くの防災関連商品が国内には溢れています。

 

そんな商品を人の頭の中に入っているノウハウごと輸出できないか

 

筆者はそんなことを考えています。

 

 

<最後は高齢化対策商品>

 

世界でダントツ首位の高齢化率を誇る日本。

世界の中で前例のない難しい状態の中で長年苦労を重ねてきました。

そのノウハウと共に、介護等の対応の中で生み出してきた製品を日本の
後を追うように高齢化していく国々に輸出するという方法もあるのです。

少子高齢化に悩み、増え続ける社会保障費に頭を抱えるだけではなく、
そのノウハウと経験から得た財産をお金に変える仕組みが必要なのです。

個々の企業や団体の活動に任せるのではなく、国や公共自治体がバック
アップできればその道筋は広がります。

 

コロナ禍で経済が委縮するだけではなく、コロナ禍を利用して日本の
良い生活習慣を世界に売り込む。

 

これがウィズコロナ時代の新しい経済活動かもしれません。

 

ウィズコロナの時代を生き抜くために、各自治体が頭を絞る中で、市民
一人一人が知恵を出し、地域の特性を活かせればこの難局を前向きに
捉えることができるかもしれません。

 

今回は、筆者のアイデアを並べてみました。
(つたないアイデアで申し訳ありません)

 

でも、もっとたくさんのアイデアがあるはずです。

 

それも長い間経済活動の中心にいたノウハウの塊である高齢期の皆さん
が活躍できるようなアイデアがあれば、とても素晴らしい事かもしれま
せんね。

 

読者の皆様のご意見、アイデア、是非お待ちしております。
(良いアイデアがあれば、本ブログサイトでご紹介するつもりです。)

 

 

今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。

 

次回の記事投稿日は、取材出張の関係で9月12日頃を予定しています。

安倍政権を支えた政治家の皆さんは、政権の成果を口にしています。

株価は上がった。
企業の業績も良くなった。

でも、賃金は全く上がらず、むしろ下がっているかもしれません。

なぜこのような事態になっているのか。

どうして賃金は上がらなくなったのかを皆さんと一緒に考えてみたい
と考えています。