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自分の将来にLIFE SHIFT

2021年06月12日
28

各地で出されている緊急事態宣言が延長されることになりました。

 

苦境に立たされている飲食店の皆さんにとっては、さらに厳しい状況が
続いているようです。

 

でも、高齢者施設を中心に各地でクラスターが発生していることを考え
ると、緊急事態宣言の延長は仕方がないと感じてしまいます。

 

筆者が勉強している施設の近隣施設でも50人規模のクラスタ―が発生し、
苦労している状況が刻一刻と耳に入ってきます。

 

内容を聞いていると、長引く厳戒態勢で職員たちが疲弊していく中で、
油断が生じていると感じました。

 

長引く感染対策が、新たな難しい状況を生み出しているようです。

 

 

 

画像素材:Jim Mayes
チューリップが咲き誇る駅前のロータリーから近隣施設の職員送迎バス
の姿が消えました。今、高齢者施設では厳戒態勢が敷かれています

 

 

 

 

医療も介護も現場は大変

 

 

医療体制がひっ迫する中で、病院側は病床を確保するために高齢の入院
者の受け皿を探しています。

 

その受け皿として注目されているのは、医療体制を持った高齢者施設で
す。

でも、その高齢者施設に入所するのも簡単なことではなさそうです。

 

 

以前の記事で年金受給者の生活実態をご紹介したことがありますが、年
金だけに頼って生活をすることは不可能である現実があります。

 

年金だけで入れる高齢者施設は、経済的な理由等の特別な理由のある高
齢者が入居できる「養護老人ホーム」以外では、特別養護老人ホーム
(通称特養)しかありません。

入居時にも費用がかからず低価格で利用ができますが、利用するには壁
が立ちはだかります。

 

まず、多くの待機者がいるために簡単には入れません。

 

地域によっては10年待ちという状況です。

先日の新聞記事には、(東京だけでも)年金だけで入れる公的施設は32
万人が順番待ちをしているそうだというショッキングなニュースが流れ
ていました。

 

とてもそんなには待てません。

 

もう一つの壁は、要介護(度)3以上でしか入れないのです。

 

要介護3とは、ほぼほとんどの方が車椅子で、自立では生活できない方
ばかりです。

筆者も勉強の為に多くの特養に入ったことがありますが、そこは読者の
皆さんにはとても想像することができない風景が広がっています。

 

当然のごとく、食事・入浴・排泄の介助を受けることはできますが、
廊下には車椅子の高齢者が列をなして並び、入浴や食事の順番を待って
います。

 

入所者の多い規模の大きな施設では、全てがある意味「流れ作業」で事
が運ぶのです。

 

 

 

画像素材:いらすとや
介護施設ではこんなのんびりした入浴風景なんてものはありません
全て流れ作業で、高齢者にとっても職員にとっても重労働です

 

 

 

 

あまり良い表現ではないかもしれませんが、筆者は絶対に入りたくあり
ません。(あくまでも筆者の感想です)

 

ようするに、お金があれば特養以外のサ高住(サービス付き高齢者住宅)
や有料老人ホームに入れますが、なければ特養の空き待ちをしなければ
ならないのです。

 

介護も看取り(どこで死ぬのか)もお金次第ということになります。

 

団塊世代が後期高齢者になる2025年頃には、数十万人が「介護難民」
になると以前から指摘されてきました。

 

このコロナ騒ぎで話題が後回しになっているだけで確実にその状況はや
ってきます。

 

コロナ禍で生活苦に陥る人が急増しています。

 

自分(や配偶者)の将来を考えた時、いったいいくらお金が必要なのか?

 

コロナの時代だからこそ、
生きていくことがとても難しくなったからこそ、
自分の将来を、自分が高齢になった時のことを考えておく必要が出てき
たのかもしれません。

 

他にも自分の将来にLIFE SHIFTして、よくよく考えておかなければな
らないことは山ほどあるのです。

 

でも、意外とLIFE SHIFTすることは難しいのかもしれませんね。

 

コロナ禍で生きていくのが精一杯。

 

こんな時だからこそLIFE SHIFTができる能力が必要になったとも言え
ます。

 

 

働くお母さんの苦労

 

 

筆者は、老人福祉施設で仕事をすることが多いのですが、そこで働く人
たちは圧倒的に働くお母さんが多いのです。

 

まさに女性の職場です。

男は少ないのです。

一般的な職場とは全く反対なのです。

 

そんな働くお母さんたちの多くは、シングルマザーです。

女手一つでたくさんの子供たちを育てている人も少なくありません。

 

福祉の世界は、3K職場といわれていながら、薄給で子供を養いながら
生活していくことが容易な場所ではありません。

 

子供たちの為に懸命に頑張るお母さん方を見ているといつも複雑な気分
になってしまいます。

そんな時、筆者はいつも思うのです。

 

本当の家族の在り方とはどんなものなのだろうかと。

 

 

 

画像素材:いらすとや 離婚届を叩きつけるのはすっきりするのかも
でも、その前に自分の将来にLIFE SHIFTしてみてはどうでしょうか

 

 

 

日本の離婚率

 

 

もう日本の離婚率は、平均で35%と聞くと驚きです。

 

3組に1組は離婚するという結果になりますが、実情はもう少し厳しい
ようです。

一概には言えませんが、都市圏では低く、地方では高い傾向のようなの
です。

 

地方の中には離婚率が40%後半という県も少なくないのが実態です。

 

そんな結果だから、シングルマザーが多いということなのでしょうか。

 

もしかすると、LIFE SHIFTする能力が必要なのは女性なのかもしれな
いと思ってしまいました。

 

 

多様性の時代、夫婦の関係も様々かもしれませんが、夫婦もいずれは歳
をとります。

 

離婚年齢は、20~30代が中心のようですが、その方々が50~60
歳になった時、生活がどうなるのかということをもっと考える必要があ
るのかもしれません。

 

離婚を考える時、未来の自分や子供達に想いをはせることは決して無駄
にならないと思うのです。

 

離婚を選択するより、生きることが厳しくなったこの時代を夫婦の力を
合わせて乗り越えていくことを考えることも大事なことなのかもしれま
せん。

 

 

自分の将来にLIFE SHIFT

 

 

将来の自分に「LIFE SHIFT」するということ。

 

人生100年時代、高齢になる前に将来の自分の生活を考えることも大事
なことだと感じるのです。

 

まだ元気な頃から、自分が高齢になった時の姿をイメージしておくこと
を是非お勧めしておきたいのです。

 

ロンドン大学のリンダ・グラットン先生が「LIFE SHIFT」という本を
世に送りだしてもう随分と時間が過ぎてしまいました。

 

筆者は、人生がとても長くなったことを知るだけでなく、身に付ける
眼鏡を変えて

 

・考え方を変える

・モノの見方を変える

・行動を変える

 

人生100年時代を考えた上で、行動を変えることが重要だと思うので
す。

 

自分の将来にLIFE SHIFTして今を考える。

 

そんな「癖」を付けておくことは、長くなった人生を生きる上で無駄に
はならないような気がします。

 

なぜなら、読者の皆様にも将来必ず順番が回ってきます。

 

親の介護は突然やってきます。

そして自分自身もやがて必ず老いるのです。

老いた時のことをいつ考えるか、だけなのです。

 

今回の記事は、最近筆者の身の回りに起きたことを、感じたことを書い
てみました。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。