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コロナは地方創生を産むか?

2021年09月25日
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コロナ禍の影響でテレワークの普及が進み、都市圏から地域への移住が
進んでいます。

 

以前の記事でもご紹介したとおり、多額の補助金を用意する自治体も少
なくありません。

 

まだまだ本格的な動きには至ってはいませんが、このままいけばこの国
も少しだけ変わるかもしれませんね。

 

少し前には人材派遣大手企業が、淡路島に本社を移転すると発表して話
題になっていました。

 

今迄は地方出身の企業も成功して大きくなると、必ずと言っていいほど
東京に本社を移転していました。

 

結果、東京一極集中は地方の衰退を生んでいたことは確かです。

 

今回のコロナの影響による地域移住はどこまで地方にとって効果がある
のでしょうか。

 

今回の記事では、この地方への移住について考えてみたいと思います。

 

 

 

淡路島は大きな島ですが、特産品は玉ねぎくらいで産業は観光中心です
前述の企業が島北部にアミューズメント施設を建設しました
(ゴジラの口の中をジップラインで体験できるそうです)
写真は北淡から明石海峡大橋と対岸の明石の街を写したものです

 

 

多様な働き方ができるのか

 

 

以前の記事でも少し触れましたが、今の日本では、人・モノ・金の経済
循環がうまくできていないとよく言われます。

 

都市圏でもそうなのですが、特に地方はそれが顕著になっています。

 

地方産業の中心になっている農業の就業者の平均年齢は、10年ごとに
10歳上がっています。

 

要するに新規就業者がいないということです。

 

地方では、耕作地や海洋資源等は豊富なのに人・モノ・金の循環がうま
くいかない。

 

地方で人がモノと金を生みだすことが出来るのかが、地方創生の鍵を握
っています。

 

都会から地方へ移住した人たちが、テレワークで従来通りの仕事をして
いたのでは何も変わりません。

 

確かに自治体の税金だけは確かに増えるかもしれませんが・・

 

都会で働いていた人が移住した地方の産業に何らかの貢献ができないと
意味がないのです。

 

筆者は、メーカーで働きながら50代半ばに会社に副業申請を出してセ
カンドライフを目指して活動を始めたのですが、やる気になればダブル
ワークは不可能ではないと感じています。

 

都会から移住した人のノウハウをどのように活かしていくのか?

 

これは自治体や地域の企業が中心になって知恵を絞るべきではないかと
考えます。

 

当然のごとく、ノウハウと技術力の塊である高齢期の移住者は格好のタ
ーゲットになるかもしれないですね。

 

 

 

筆者の地元の産業といえば農業、酒米の山田錦が中心で酒蔵と契約して
います。大都市近郊で大規模な工業団地もありますが、低賃金で働く
シニア契約(非正規)くらいしか高齢期で働く方法はないようです。
残念ながら、高齢期の人が活きる手段はなさそうです。

 

 

自治体の模索が続く

 

 

筆者が大学院で勉強している時に、教授から地方の自治体(離島)が
産業の活性化を考えているので手伝ってくれという話がありました。

 

そこで筆者はその自治体向けに地方創生の為の提案をつくりました。

 

筆者の提案の柱は、都会で働いている高齢期の方々の移住です。

 

インフラや生活基盤の揃わない離島に若い方が移住するとは思わなかっ
たからです。

 

若い方を地方に戻すためには、魅力のある仕事が必要です。

 

でも、地方には魅力のある仕事が少ないとよく言われています。

 

確かにそうなのかもしれません。

 

以前に地方再生のセミナーに出席した際、甲信越にある自治体の市長さ
んが講演の中で気になる話をしていました。

 

 

(地方だが)有効求人倍率は常に1を超えている。

季節によっては、2倍を超えている。

しかし、その中には若年層にとって魅力のある仕事が少ない。

 

 

有効求人倍率という数字だけでは判断できない難しさが地方にはあるの
です。

 

そこで筆者が考えたのは、移住した高齢期の方々に魅力ある産業を立ち
上げてもらい、その次は若年層を引き込むという作戦でした。

 

 

 

雇用延長で会社に残っても社内に活躍の場所は見つからないものです
遣り甲斐のある仕事があれば、どこにでも行くという方は意外と
多いのかもしれません そこに温泉や癒しの場所があればなお・・・
写真は淡路島の温泉です(南淡温泉)

 

 

 

ノウハウと技術力の塊である高齢期の方々を使って、

企業のバックオフィースやコールセンター、リペアセンター
(希少価値のある電化製品やオーディオ機器、ロボット等の修理)、
地域の名産品を使った6次産業、

そして環境事業等の新規産業を立ち上げる提案をしたのです。

 

以前の記事でもご紹介したドイツの地方創生手法であるシュタットベル
ケ等の経済構造改革を参考に町立の企業体を立ち上げ、そこで長く企業
でノウハウを蓄積した高齢期の方々に活躍してもらう。

 

企業ではなかなか活躍の機会を見いだせない高齢期の皆さんの中にはチ
ャレンジしてくれる方もいるのではないかと考えたのです。

 

でも、提案に対する自治体側の回答は筆者にとって少し意外なものでし
た。

 

 

“そうでなくても老人が多いのに、これ以上(高齢者が増えるのは)
勘弁してくれ!”

 

 

離島にどんな方が移住してくれると思っているのかと首を傾げました。

 

これから人口減少が加速し、労働人口が減っていくことを理解できてい
るのであれば、どこかでベテランの力を借りて独自の産業を立ち上げる
という案は悪くないと思いましたが、高齢期の方々を根本的に誤解して
いるというか、高齢期の方々が持っている力を理解できていないことに
とても残念な想いがしました。

 

現に今、東京を中心に活躍しているベンチャー企業が高齢期の方々のノ
ウハウや技術力に注目しています。

 

なぜ、ベンチャー企業が高齢期の方々に目を付けたのかを自治体の方々
ももう少し真剣になって考えるべきなのかもしれません。

 

移住してきた方々が、やり甲斐のあるセカンドライフを構築できる仕組
みを創ることができれば、次々に移住をしてもらうことも可能ではない
かとも思っていましたが、とても残念な結果となってしまいました。

 

 

地方の自治体は、高齢化率が今以上に上がる前に手を打たないと、将来
存続も難しいでしょう。

 

地方ではもうすぐ高齢化率も頭打ちになっていきます。

そう、高齢者も(多死社会へと移行し)減っていくのです。

人口減少が加速していくのです。

 

そうなる前に手を打たないと、「限界集落」の次に待っているのは、
「故郷消滅」です。

 

 

結局、この話はこれで終わりましたが、これからこの国がどうなってい
くのか本当に理解している人が極めて少ないのだと感じました。

 

コロナで移住する方々をどのように地方で活躍してもらうのかを考える
ことはこれからの地方創生を考える意味で重要になってきます。

 

 

 

以前の記事で示した図です。
この図の国力を自治体力に、日本を自治体と読み替えてみてください。
このままでは地方は衰退の一途を辿ります。移住を活用し、高齢期の方
も活かして労働力を確保しながら生産性を上げて新しいモノを生みだす
そんな上昇志向の活動ができれば地方は蘇るかもしれません

 

 

 

地方の意地を見せられるのか

 

 

筆者は大阪生まれの大阪育ち。

 

大阪人は、東京にライバル意識を抱いている人も多いのですが、残念な
がら経済規模は大差をつけられて負けています。

 

大都市の大阪ですら地方都市の一つなのです。

 

地方の首長が、東京の(有名)大学の定員数を制限すべきだと、地方か
ら東京への(若い)人の流入を批判していました。

 

今度はコロナの影響で人が地方に帰ってくるかもしれません。

 

いや、今がチャンスかもしれないのです。

 

地方がどのような魅力を出せるのか。

 

東京に人が集まるのは魅力的な仕事があるからです。

 

これから首都圏をはじめとした都市圏から移住してくる人のノウハウや
知見、知識をどのように活かしていくのか、まず魅力ある仕事づくりの
為の仕組み創りが求められているような気がします。

 

地方の自治体の公募を見ると、農業や漁業、観光を軸に産業を組み立て
ようとしていますが、まずは移住者とのヒヤリングの中でどのような可
能性があるのか検討してみてはどうかと筆者は思うのです。

 

地方の自治体は東京にアンテナショップを持っていますが、特産品を売
るだけでなく、移住を前提に地域創生についてワーキングショップを設
けてみてはどうかと思います。

 

コロナ禍で地方の産業も飲食・観光業を中心に大打撃を受けました。

 

しかし、人という大事な資産が地方に帰ってきます。

 

その中にはノウハウと技術力の塊である高齢期の方々も含まれるかもし
れません。

 

このチャンスをどう活かすか。

 

間違った判断をしないようにすべきではないでしょうか。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。