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なぜ日本人は安売りされるのか

2022年04月30日
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先日、海外のIT技術者のツブヤキが話題になっていました。

 

その海外IT技術者曰く、日本では高度な技術を持っていても、

 

・非正規等の不安定な扱いを受けた上で薄給

 

・そして環境変化ですぐに肩叩き(早期退職や希望退職等の退職勧告)

 

長年続いた解雇できない雇用文化が産んだ新たな首切りスタイルが社会
全体に蔓延しつつあります。

 

肩叩きにあった人々の多くは更に賃金を下げて働く道を余儀なくされて
います。

 

こんな閉塞的な社会の風景が、海外のIT技術者に驚きをもって受け取ら
れているようです。

 

この戸惑いは、「こんな国で働くより他の国の方がいいのでは…」とい
う判断を生む可能性を多分に秘めています。

 

この国の労働市場の魅力がドンドンと損なわれているのかもしれません。

 

日本人にとって、働くことはもっと意義深いものだった筈なのですが…

 

バブル全盛期、日本の雇用慣行でもある年功賃金と相まって、日本人の
サラリーは世界最高水準に達していました。

 

海外の技術者はその高給と人を大事にする企業風土に惹かれて日本を目
指していました。

 

当時は中国人やインド人が中心でしたが、今この国を目指すのは発展途
上国の技能実習生が中心になってしまいました。

 

介護や福祉、農業を中心に日本に来る技能実習生は、最低賃金(或いは
自治体が設定する最低賃金をも下回る賃金)で働くことになります。

 

そして、その過酷な労働条件故に行方不明者が続出しているのです。

 

日本に来ても夢が見当たらないから逃げ出すのだと筆者は思っています。

 

でも、この国の労働者の多くも最低賃金で働いている実態があるのです。

 

 

 

画像素材:Jim Mayes 自然の美しさは海外からも絶賛されますが…

 

 

ハローワークの求人

 

 

筆者はサラリーマンを卒業した時に雇用保険をもらっていた関係で、ハ
ローワークの求人検索用の番号を持っています。

 

ハローワークにどんな(賃金の)求人があるのかすぐに確認ができます。

 

そこには以前の記事でご紹介したように最低賃金の求人がズラッと並ん
でいます。

 

試しに地元の県全体で、高齢期でも雇用OKの年齢不問を条件に検索して
みました。

 

検索結果上位100件の検索結果は、

 

・非正規(大部分は最低賃金) 87件

・契約社員          10件

・正社員            3件

 

となりました。

 

正社員募集は僅かに3件のみ。

 

正社員3件の内2件は、ソフトウェア開発技術者の求人で、この求人だ
けが生計を立てることが可能な賃金が提示されていました。

 

裏を返すと100件中98件は、この仕事で生計を立てることが不可能
な賃金だったのです。

 

殆どが非正規で最低賃金。

 

これでは日本の平均賃金が上がるわけがありません。

 

総理大臣がお願いしようが、絶対に…

 

20年近くも賃金が下がり続けている要因の一つがここにあります。

 

 

 

画像素材:Jim Mayes この国を彩る美しい花も非正規で働く人々には
どのように映るのでしょうか…心配です

 

 

多様性の本質

 

 

かなり前から子育て中のお母さんを対象にしたパートは存在していまし
た。

 

それは働き方の多様性を求める声に対応したもので、それはそれで間違
いではなかったと思います。

 

ところが、バブル崩壊後の不景気で、経済界からいつしか出てきた人件
費をもっと抑えたいという要望にそのまま政治家が応えてしまったこと
より、非正規が社会全体に蔓延してしまいました。

 

致命的だったのは、以前の記事でもご紹介したように、当時の主要産業
であった製造業へ非正規を広めてしまった小泉改革です。

 

この国は本当に非正規(安い労働力)の恩恵を受けたのでしょうか?

 

日本人の価値を大きく棄損する結果だけを残し、なおかつ企業の本当の
競争力をも失くしてしまったのかもしれないと筆者は思うのです。

 

 

画像素材:Jim Mayes  美しい自然はありますが働く環境は最悪かも…

 

 

非正規の代償

 

 

日本の雇用制度の特徴でもあった「新卒一括採用」とセットだった企業
内教育(OJT)。

 

それが日本企業の強みの一つだったことは事実です。

 

 

日本の雇用システムの特徴です。社員の教育もセットになっていました

 

 

今では非正規で教育をまともに受けていない労働者が大量に労働市場に
溢れかえっています。

 

非正規は低賃金で働く労働者を増やし、結果として貧困が蔓延ってしま
いました。

 

そして、学ぶ機会を失くした非正規労働という働き方は、労働者の希望
や自己実現の目標までをも奪おうとしています。

 

経済界の言う通りにする政治家を放置したことによって、コロナは3年
目になっても収束する気配もない中で、もう2万人をはるかに超える犠
牲者が出ています。

 

経済を優先にせず収束を最優先にしたら、どういう結果だったでしょう
か?

 

筆者は、どこかのタイミングで検証は必ずすべきだと考えています。

 

自由経済という無責任な行為を容認したことによって、非正規はまだ増
え続けています。

 

コロナ対策も非正規対策も本質を突いたものになっておらず、付け焼刃
のその場凌ぎを繰り返す政治にも大きな責任があります。

 

日本人を安売りする張本人は、人を見ず、企業の生き残りという名目で
自分の懐のみを潤す人間(そんな人間ばかりではありませんが)と、自
分の立場や党利を優先にして国民を見ようとはしない政治家です。

 

そんな政党や政治家を選んでしまった国民にも責任があるのですが…

 

そろそろ真剣に考えて、政治家を選ばないと、日本人1億総貧乏にもな
りかねない状況になっているのです。

 

日本人を安売りし、国力をも弱体化させる非正規を禁止する方法を、国
民自らが、もう真剣に考える時になってきたのではないでしょうか。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、ありがとうございました。