日本終了
ある言葉に衝撃を受けました。
それは「日本終了」という言葉です。
よく目を通す東洋経済に米国の著名な投資家であるジム・ロジャース氏の
対談記事が掲載されていて、ロジャース氏の言葉として(日本語に翻訳し
た形で)紹介されていました。
この日本が終了する時期は、2040年頃だそうです。
今迄いろいろな研究者の皆さんが、このまま国の借金が増え続けた場合、
借金である国債の利払いが膨大な額になり、日本もデフォルトに陥ると
警鐘を鳴らしてきました。
筆者が記憶するに、その時期は2035~2040年くらいだったと思
います。(もっと早く破綻するというジャーナリストもたくさんおられ
ますが…)
ロジャース氏のいう時期とほぼ同じということになります。
遠い未来ではなく、あと20年足らず。
ロジャース氏は、記事の中で「このままでは20年後の日本終了が現実
になる」と警告していました。
ロジャース氏が指摘する破綻の直接的な要因は、前述の借金(国際)の
利払いではなく、少子高齢化です。
このまま少子高齢化が進んでしまった場合、ロジャース氏が指摘する
2040年頃には70歳以上になる高齢者が激増し、少子化による人口
減少も相まって、今の社会保障制度が維持できなくなると言っているの
です。
社会保障費の中で大きなウエイトを占める医療費は毎年約1兆円ずつ増
え続けているそうで、このままだと2040年頃には67兆円になると
いう予測データまであります。
以前の記事でもご紹介した社会保障費の推移です
おそらく実際にはこのグラフより伸び率が高くなると筆者は思います
出所:2018年に内閣官房・内閣府・財務省・厚労省が見通した数値
今の国家予算が100兆円くらいですので、その70%を医療費だけで
費やしてしまうということになるのです。
そして上記のグラフでもわかるように、2040年には社会保障費だけ
で190兆円にもなるのです。
なんと国家予算のほぼ倍です。
結果、国は新たに借金を積み増すことになりますが、その借金の利払い
で自分の首を絞めることになるのです。
ようするに、この国は恐怖の「負のスパイラル」に陥っているのです。
記事の中で、ロジャース氏は日本国民の生活が激変するとの指摘もして
いました。
まずは医療費の自己負担増です。
今年から、後期高齢者の医療費自己負担率が改定になりました。
年収(といっても殆どの方が年金暮らし)が200万円以上の世帯では、
今迄自己負担が1割だったものが2割に上がりました。
でも、2040年になれば自己負担率がどれくらいになるのか想像がつ
かなくなるのです。
加えて健康保険料も目が飛び出るほどの額になる可能性も非常に高くな
ります。
当然のごとく、介護保険料も同じことになりそうです。
そうなると、家計の破綻が急増するのは火を見るより明らかです。
このままでは、日の出る国ではなく、日が没してしまう国、没落の国に
なってしまうのです
もう一つ気になるのは、度々記事でもご紹介している年金です。
これからどんどんと目減りしていく可能性が高いのですが、ロジャース
氏は日本の年金が円建て(当然なのですが)であることを問題視してい
ました。
ロジャース氏は、もし額面どおりに年金がもらえたとしても、インフレ
と円安で実質的な価値が大きく目減りするリスクがあると記事の中で警
告していました。
そう、インフレが続くと以前の記事でもご紹介したようにお金の価値が
変わってしまうのです。
今でも年金だけでは生活ができませんが、物価高によって更に厳しくな
ることが容易に予想できます。
更に日本が財政破綻してデフォルトになると、銀行にある預金もピンチ
を迎えます。
銀行にある預金は、1000万円以上は保護対象ではありません。
そればかりか、最近デフォルトした国(アルゼンチンや少し前のロシア
等)では国外へのお金の流出を防ぐ為に預金封鎖まで実施していました。
この日本でもそんなことが起きないという保証はないのです。
なんかとても暗い話になってしまいました。
でも、この国の借金はこれからも増え続け、返せる見込みは全くありま
せん。
国にはしっかりしてもらわねばならないのですが、我々国民は我々で出
来ることをシッカリと実施していく必要があると思うのです。
この東洋経済の記事では、対策として「プランB(代替案)」の必要性
を提言していました。
危機を乗り切る策を自ら考えておくという話です。
ここでも自助努力かと、残念な気分になりますが…
「日本では財政破綻は起きない」とおっしゃられる方々も多いのですが、
100%それを保障できる人は誰もいないと思います。
それではどうすればいいのか?
お金があることに、こしたことはありませんが、我々にもできることが
あります。
健康寿命を延ばすこと
健康状態を維持しておけば、医療費を支払う必要性はできる限り抑える
ことができます。
先日、筆者のところにも特定検診の案内が届き、受診してきました。
健康を維持する為には、まずは自分の体の見える化からのスタートです。
会社にいれば年1回の健康診断がありますが、リタイヤしたり自分で事
業をする場合はそれがありません。
健康保険の検診制度はとてもいいことだと思うのですが、実は二人に一
人しか受診していないそうです。
ようするに受診率約50%。
筆者の手元に届いた特定検診の案内ハガキ 2人1人が受診とあります
が逆に言うと2人1人しか受診していないのです
そう、たくさんの方が受診していないとも言えるのです
皆さん、健康には自信があるのかもしれませんが、検診に行くと針を刺
されて血を抜かれたりして痛い目にあいます。
やはり行くのを躊躇する人も多いかもしれませんが、自動車や機械同様
人間様にも定期点検が必要なのです。
定期健診では色々なことを知ることもできます。
筆者も特定検診で、薬の多剤服用を指摘され、胃の検診を受けるよう勧
められました。
そして、大きな病院に行って胃カメラを飲みました。
結果、胃潰瘍や胃がんは見つからなかったのですが、ピロリ菌が見つか
ったのです。
放っておくと、胃潰瘍や胃がんにもなる厄介者です。
早めに知ったことで、菌の消毒と同時にピロリ菌についての知識も得る
ことができました。
知ることで、健康を維持することもできるのです。
有事に備える
ロシアのウクライナ侵攻や台湾問題等、きな臭い問題が後を絶ちません
が、国の財政破綻も有事であることは間違いがありません。
お金も前述のように消えてしまわないように工夫して持っておくことが
肝心だとロジャース氏も指摘していました。
インフレや円安を考えると、円ばかりに頼ることは危険なのかもしれま
せんね。
やはり有事に備えて、自分の今生きていこうとしているAプラン以外に
代替策である「プランB」や「プランC」も持っておく。
年金が恐ろしい勢いで目減りした場合、どうするのか。
医療費等の社会保障費が上がっていくこと考えた場合、どうするのか。
そこから目を反らしてしまうと厳しい老後が待っているかもしれません。
本当は、体が元気なうちはいつ迄でも働けるような社会になれば、不安
も軽減できるのですが、年齢差別が強く残っているこの国では難しいこ
とです。
社会の状態変化も含めて環境変化をよく知ることで、少しでも幸せな人
生を送る。
特にセカンドライフの人生設計は、今からでも遅くないので、もう一度
真剣に考えてみる必要がありそうです。
本当は「日本終了」にならないようにしなければなりませんが、今の日
本の政治を見ているとお先真っ暗です。
筆者も高齢期を迎え、日々真剣に考えるようになりました。
上手くいかないことばかりですが、一生懸命努力することは止めないと
心に決めています。
読者の皆様も、何かの契機に人生の代替案をつくってみませんか。
今回の記事はとても暗い話になってしまいましたが、最後までお付き合
いを頂き、感謝申し上げます。