歳を重ねるごとに必要になってくるモノ
今回の記事は、前回の記事で取り上げた「生きづらさ」の正体であった
「不」について考えてみたいと思います。
以前の記事で高齢期になると3つの不安が出てくるとお話をしたことが
ありましたね。
そう、3K、「健康」「孤独」「お金」の3つの不安があると…
高齢期でなくともこの3K、厄介な不安です。
ストレス社会がさらに進んでいる中で、ロシアによるウクライナ侵攻が
きっかけとなり進んでいる物価高も大きな影響を及ぼしているようです。
国連の調査でも、ストレス障害を起こしている人は過去最大なのだそう
です。
そして、コロナ禍が社会のつながりを希薄にさせ、以前の記事でもご紹
介したように世界一を誇る日本人の孤独度は更に深刻さを増しているか
もしれないのです。
加えて上がらない賃金によって、お金の不安を抱いている人は多いのが
実状です。
そこに年金支給額は減り、逆に社会保障費は支払う額も期間も増えてい
く。
不(安)は減るどころか、増えていくばかりです。
3Kではなく3M
先日あるフォーラム(朝日新聞社主催朝日地球会議2022)に参加し
ていた時に、面白い話を聞きました。
その言葉は3Kではなく、
歳を追うごとに必要になる3Mがあると…
それは、次の3つです。
「Muscle 筋肉」
「Mates (とっても親しい友人、仲間、相棒)」
「Money お金」
筆者はこれを聞いて、なるほどと思ってしまいました。
上図で示した3Kの逆張りです。
健康維持には筋肉はどうしても必要です。
筋肉を失くすと、3大疾病や認知症と同様にフレイル状態に陥り、要介
護状態となってしまいます。
そして、孤独解消に友人の存在は不可欠です。
普通は友人を英語で表現するとfriendですが、とても親しい、なんでも
相談できる、ようするに「マブダチ」のような存在をmateという言葉を
使って表現します。
イギリス人がこのmateを好んで使うようです。
この日本においては、特に男性は、社会人時代には仕事人間だった人が
多く、親しい友人がいない人は少なくないのではないでしょうか。
でも、60代や70代からでも親しい友人をつくることはできます。
新しい親友をつくること=新しい世界(人生)を創ることになるのかも
しれないと思うと少し明るい気持ちにもなれそうです。
こうして、不(不安・不満・不信)の解消方法を自分で考えてみること
はとても有意義なのですが、全て自分で考えることは難しいのかもしれ
ませんね。
この国では60歳になれば働くことが難しくなりますが、60歳になっ
たら新しい友人を創ることから始めれば、新しい働き方や新しい生き方
がみつかるかもしれないのです。
ハローワークに行っても、なかなか仕事が見つからない…
そんな方は、新しい友人を見つけることから始めてみるのも面白いかも
しれません。
地域活動、ボランティア、趣味の世界、なんでもいいのです。
人とのつながりをつくることから始めてみれば、ハローワークで見つか
らないものが見つかるかもしれませんよ。
もしかすると、歳を重ねるごとに必要になるものは、新しい友人(親友)
なのかもしれません。
(サロン的なものも含めて)地域活動の良い所は、話し相手も含めて
仲の良い友人が見つかることかもしれません
新しい働き方を考える
今迄のこの国の働き方は、学校を出て働き始めた会社で長く勤めること
が普通でした。
ようするに終身雇用と呼ばれるものです。
(単身赴任を伴う)転勤も受け入れ、長時間労働もいとわない。
嫌なことも、仕事内容を急に変わることも、文句も言わず受け入れ、我
慢して働く。
でも、人生が長くなり、たくさんの老後のお金が必要になってきました。
年金はどうも頼りにならないかもしれない…
そうなると、「長く生きて」「長く働くこと」が一番なのかもしれませ
ん。
でも、今迄のようにずっと頑張って働くのではなく、
例えば、
今年は全国いろんなところを旅行しながら、その地で働いてみる。
今年はボランティア活動に集中し、人脈づくりと友人づくりに力を入れ
てみる。
働く/働かないという選択肢ではなく、時期によってハイブリットな働
き方をしてみる。
等々
働けないことに罪悪感を感じるのではなく、人生を長い目で見て、少し
でも(健康を維持しながら)長く働けるスキルや人脈を構築することも
大事なのではないかと筆者は思うのです。
いくつまでは頑張って(我慢して)働いて、後は年金をベースに貯蓄し
たお金を切り崩しながら(将来の不安を感じつつも)生きていくより、
少しでも長く働ける仕組みを自分で構築する。
この国の社会構造はなかなか変わりません。
ならば自分で「こうすればいいんじゃないかな…」というロールモデル
を創ってみる。
そんな人が増えてくれれば、この国の社会構造は変わっていくのかもし
れませんね。
高齢期の方々が諦めて生きるのではなく、これからの世代の為にも新し
い働き方を探索し、見つけ出して実行していく。
人生が長くなった(長くなってしまった)時代の新しい働き方を見つけ
ていく。
それができれば、この国は少しずつ良い方向に向かうような気がするの
です。
今回の記事は、「生きづらさ」の正体の一つである「不(不満)」を解
消する方法について考えてみました。
働くこと…
将来の不安である3Kをも克服できる「働く」という尊い行為をいつま
でも自分のモノにできる人がドンドン増えていくことを願うばかりです。
今回の記事も最期まで読んでくださり、ありがとうございました。