やっぱりストレスは良くないようです
前回の記事では老化細胞について触れてみました。
なぜ老化細胞が増えていくのか?
その大きな要因の一つにストレスがあります。
現代はストレス社会だと言われていますから、世界一の超高齢社会を迎
えているこの国にとっては、良くないことだらけだといえます。
全身に約60兆個も存在する細胞は、大体50~60回細胞分裂をする
らしいのですが、老化細胞は途中で分裂ができなくなったいわばゾンビ
のような存在です。
分裂ができなくなった老化細胞が増えていくとどうなるかというと、
様々な臓器や器官、そして皮膚に炎症ができるらしいのです。
筆者は医師から炎症が要因と聞くと、細菌やウイルスによる感染症だと
思っていたのですが、実はストレスによるものだったのかもしれないの
です。
顔を中心とした皮膚表面にできるシワの要因も老化細胞と聞くと驚きで
す。
シワは苦労するからできるのではなく、加齢と共に老化細胞が増えてい
くからなのです。
ここまで知ると、老化細胞なんて増やしたくないですね。
画像素材:いらすとや シワが増えるのは歳のせいではありません
老化細胞が増えるからなのです!
細胞レベルで考える
以前の記事で、細胞の中にある染色体の先端にくっついているテロメア
の話をしたことがありました。
テロメアの長さを測ると、寿命の長さがわかるらしいのですが、この
テロメアに影響を与えていたのもストレスでした。
細胞分裂を繰り返すたびにドンドン短くなるテロメアを更に短くする外
部要因があります。
それは、紫外線や放射線等の有害物質、そしてストレスがこの命の長さ
を決定するテロメアを短くすることが分かっているとご説明したことが
ありました。
そしてこのテロメアが短くなると罹りやすくなる病気が、
・心筋梗塞
・ガン
・動脈硬化
・認知症
と書きましたが、同様に老化細胞が増えていくと同じことになるのです。
ここまでご説明すると、ストレスを貯めこむことがとても怖くなってき
ませんか?
人間はストレスがないと生きてはいけない動物なのですが、やはり過度
なストレスには要注意です。
それも老化細胞が増えていく高齢期の方々にとっては、過度なストレス
は大敵といってもいいでしょう。
細胞レベルで考えるなんて想像もできませんが、体のことを考えると、
こんな知識も長く生きていくことが当たり前になった時代には必要なこ
となのかもしれませんね。
以前の記事でご紹介した図です 森から葉っぱ迄見ることが大事
木を見て森を見ずと言いますが、実は葉を見ることも大事なのです
高齢期での疾患の要因
加齢とともに老化細胞が増えていくことで、体中の様々な臓器や器官で
障害が出ることになります。
その為に高齢になると、複数の病気を抱え込むことになるのです。
高齢化の進展とともに医療費を中心とした社会保障費が増えていくこと
は、ある意味仕方がないことだといえるのかもしれませんね。
この老化細胞を増やさない対策を打たない限り防止は難しいのです。
冷静に考えるとその対策の必要性は高まります。
・各臓器の炎症が起因する疾患の増加を食い止める為に…
・脳の細胞に老化細胞が増えることによって認知症が進行することを
防ぐ為に
・高齢期には多い白内障や緑内障も老化細胞が要因の一つなのです
・血管(細胞)の老化は動脈硬化を引き起こします
こう書いていくと、少し背筋が寒くなります。
これ以外にもまだまだあるのです。
今迄の記事でもご紹介したように筋肉が劣化すると、様々な重大障害が
起こります。
そう、筋肉も細胞の塊なのですから…
ストレス発散には、ノンビリすることが一番かも…
筆者はストレス発散に、よく家の近くの湖でノンビリしています
どうにかできないのか
加齢と細胞の関係が理解できれば、打つ手があるだろうと思うのですが、
我々にできることは限られています。
細胞に優しい(とされる)食品の摂取や生活習慣の見直し。
そして、できる限りストレスを減らすこと。
うまくストレスを発散すること。
でも、前回の記事でご紹介した東京大学の中西真先生が今研究を進めて
いる「GLS―1阻害薬」が人間にも応用できるようになればもっと効果
が出ると思います。
サプリメントを使うように、老化細胞を減らすことができるようになれ
ば、高齢期の疾患を減らし、健康寿命を延ばせるようになるのですが…
早くそんな日が来ることを願うばかりです。
それまでは、ストレスフリーの生活を極めるしかないのかもしれません。
ストレスと人間の体に存在する60兆個の細胞との関係を理解すれば、
努力ができるかもしれませんね。
今回の記事も最期まで読んでくださり、ありがとうございました。