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100歳でも働ける

2023年09月23日
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今年も敬老の日がやってきました。

 

敬老の日にちなんで、毎年発表される政府統計数字をもとにした報道内
容は、今年は少し違っていました。

 

毎年、高齢化率や高齢者の数を中心に報道がなされていたのですが、今
年クローズアップされていたのが、100歳以上の人の数字でした。

 

政府統計では、昨年(令和5年)統計で9万2千人を超えて、10万人
に迫る勢いです。

 

いよいよ人生100年時代が現実味を帯びてきたと感じます。

 

コロナの影響がなければ10万人は超えていたかもしれません。

 

このままの勢いでいけば、100万人超えはそんなに遠くないと感じま
す。

 

そして、報道内容のトピックスとして、100歳の現役薬剤師の女性が
紹介されていました。

 

テレビで拝見させて頂いた限り、とても100歳には見えません。

 

今迄の記事で、働くことは頭と体を使うことになり、とても良いことだ
と書いてきました。

 

以前の記事では、91歳の事務員としてギネス認定された女性をご紹介
したことがありましたが、その方の上をいく活躍を見せています。

 

働くことで、健康寿命と寿命の双方を延ばせることを証明しているとい
えます。

 

政府も統計数字をまとめるだけでなく、この事実にもっと着目すべきで
す。

 

高齢期になっても働くことが、この国の国難ともいえる少子高齢化の大
きな解決策になることをもっと認識すべきなのです。

 

 

高齢期でも働けるようにするには、この社会に蔓延る年齢差別と「姥捨
て山」文化を排除
することなのです。
高齢者に優しい社会ではなく、高齢者を活かす社会になるべきなのです

 

 

100歳でも働く人とは

 

 

とはいっても、100歳以上で働くことは容易なことではありません。

 

いろいろな条件が揃わない限り無理だといえるのかもしれません。

 

5年ごとに行われる国勢調査の結果による数字では、国内の就業者の内
100歳以上で働いておられるのは、

 

13年前の2010年では200人

 

その5年後の2015年では243人と微増でしたが、

 

3年前の2020年には406人と大幅に増加していました。

 

この数字だけを見ると、条件が揃えば働けると言えるのかしれません
ね。

 

意外にも、この406人を男女別でみると、

 

女性が255人(63%)でしたが、

 

男性も151人(37%)と善戦しています。

 

筆者は殆どが女性かと思っていたのですが、男性も働くことで健康寿命
を延ばせるんだと感じてしまいました。

 

 

 

 

以前の記事でもご紹介した女性と男性の自立度の変化です
女性と比べると後期高齢期になると極端に弱る男性の自立度を変える秘
策は
「働く」ことかもしれません
※上図は東京大学高齢社会総合研究機構調査データ

 

 

100歳とまではいかなくても、70歳を超えて80歳迄働ける社会に
なれば、社会保障費を始めとする多くの課題を前向きに解決していける
可能性が出てきます。

 

統計数字では都道府県別の数字も出ていたのですが、東京や大阪等の
都市圏で、高齢期での雇用が多いこともわかりました。

 

働ける環境(働ける機会)整備も重要であることの裏付けといってい
いのかもしれません。

 

 

「きょういく」と「きょうよう」

 

 

前述の100歳現役薬剤師の女性のところには遠方からも調剤の依頼が
入るそうです。

 

お客様からお礼の手紙をもらうと嬉しいとこの女性は言っていました。

 

仕事をすることで、頭と体をつかうことは当然なのですが、以前の記事
でもご紹介した

 

きょういく:今日、行くところ(があること)

 

 

きょうよう:今日、する用事(があること)

 

が、重要だと思うのです。

 

そう、今日も明日も自分の役割がある…

 

自分の存在価値が社会の中にあることが、とても大事なことなのだと感
じます。

 

この「きょういく」と「きょうよう」を失っている高齢者の数は膨大な
ものになっているかもしれません。

 

この人達に対する特効薬は、まさに「働く」ことなのです。

 

働くことで、頭と体を使い、加えて若干でも収入を手にすることにより
将来の不安も軽減できる。

 

その上に「社縁」や「地縁」を復活させることもでき、孤独からも解消
されるといういいことずくめなのです。

 

 

高齢期における3つの不安 いずれも働くことで解消できます

 

 

政府も自治体も、高齢期における就業についてもう一度真剣に考えるべ
きだと思うのは筆者だけでしょうか。

 

弱った高齢者を救うだけでは社会保障費の上昇を抑えることはできませ
ん。

 

社会保障費の暴騰で、国と自治体が押しつぶされそうです。

 

社会を背負う若者はすぐには増えません。

 

できるところからやる…

 

 

それが大事なのではないでしょうか。

 

 

今年も敬老の日にちなんで記事にしてみました。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、感謝申し上げます。