BLOGブログ

今年も敬老の日がやってきた2

2024年09月28日
7

毎年、敬老の日には記事を書いています。

 

毎年この日には、日本の高齢化率が発表されるからです。

 

今年発表された最新の高齢化率は、29.3%

 

いよいよ30%を超える時がやってきたという感じです。

 

65歳以上の高齢者の数は、3,625万人と(当たり前なのですが)過
去最高です。

 

来年になれば、筆者も高齢者の仲間入り…

 

この数字を押し上げる張本人の一人となるわけです。

 

少し複雑な感覚です(笑)

 

今回(発表された内容)のトピックスといえば、なんといっても高齢者
の就業率でした。

 

高齢者の就業率を見ると、7人に1人は働いていることになるそうです。

 

65歳から69歳までに限ると、なんと2人に1人は働いているとのこ
と…

 

定年過ぎたらのんびりと余生を過ごす人が激減しているということにな
ります。

 

ただ、高齢期で働くことは悪いことではありません。

 

度々記事でもご紹介してきたように、働くことにより「頭」と「体」を
動かすことになり、健康寿命を延ばすことが可能になるからです。

 

また多少なりとも収入もあるわけなので、将来の不安も軽減されるので
す。

 

いいことづくめの高齢期の就業も、実はその内情を見ると哀しい現実が
見えてきます。

 

 

画像素材:PIXTA
職場で働くだけでなく、通勤でも体や頭を使いますね

 

 

低賃金と最悪の労働環境

 

 

65歳にもなれば年金ももらえます。

 

「(年金があるから)低賃金でもいいじゃないか…」

 

そんな声も聞こえてきそうですが…

 

でも、働いている方からすれば、若い方と同じ仕事をしているのに、な
ぜ賃金が少ないの?

 

という「不満」というか、

 

「納得いかない…」という感覚が残るそうです。

 

我慢しながら働いている高齢者がなんと多いことか…

 

まだ若い方々と同じ仕事ができている方は幸運な人かもしれませんね。

 

高齢者だからといって雑用のような仕事しかさせてもらえない場合も少
なくないようです。

 

65歳を超えたからといって、急に能力が落ちたり、能率が下がること
はありません。

 

なのに、賃金は大幅に下がり、仕事の質は落ちる。

 

どうやら高齢期で働く方々の満足度はとても低そうです。

 

政府の皆さんは、こんな現実を本当にわかっているのでしょうか…

 

 

画像素材:いらすとや
高齢者には高齢者の合った仕事が一番という意見もありますが…
高齢者だからといって「能力」も「能率」も落ちるわけではありません

 

 

年齢差別の弊害が理解できない国

 

 

人材不足が深刻なようです。

 

特にIT人材の不足が問題になっていますが、高齢者にもITスキルの高い
方はいます。

 

そんな高スキルの方々が、再就職の為に努力しているようですが、とて
も苦労されているようです。

 

年百回エントリーしても「採用見送り」の連続で、その理由を「年齢差
別」と受け止めておられる方も少なくありません。

 

そんな状況の中で、職を見つける為には、賃金と労働環境を諦めざるを
得ないのです。

 

諦めるのは、低賃金だけではなさそうです。

 

その殆どが不安定な(短期更新で嘱託等の)非正規扱いです。

 

「仕方がない…」

 

我慢の次は、諦め…

 

溜息と共に、こんな声が聞こえてきそうですが、国はこの現状をどう考
えているのでしょうか…

 

(統計数字を見て)こんなにたくさんの高齢者が働けるのなら、

 

「年金の受給開始年齢を引き上げても大丈夫だよね…ハぁハぁハぁ…」

 

(こんなことは考えてはいないと思いますが…)

 

大丈夫な筈はありません!

 

と、キッパリ言わせて頂きます。

 

高齢者の皆さんが、苦痛を味わう期間が長くなるだけなのです。

 

運良く職を見つけられたとしても、会社の中でも悪質な「年齢差別」は
横行しています。

 

 

画像素材:PIXTA  働く高齢者は実年齢より若く見えることが多い
でも、過酷な労働環境は体にも健康寿命にも悪影響を及ぼします

 

 

「どうせ金に困っているんだろう…」

 

「将来、年金だけでは(生活が)不安なんだろう…」

 

とばかりに、

 

弱みに付け込んで無理難題を押し付けてくるケースも多いようです。

 

急な仕事を押し付ける…

 

他の社員はやりたがらない「汚い仕事」や「嫌な仕事」を押し付ける…

 

休日や夜間も(手当なしで携帯電話を与えて)待機させる…

 

手当もなしに365日24時間拘束は、違法行為ではないでしょうか。

 

相手の弱い立場を利用してやりたい放題…

 

こんな状態が、全国で広がっているとすれば由々しき事態です。

 

そんな状況を国はどこまで理解しているのでしょうか。

 

年金問題で、受給年齢を引き上げたいのであれば、まず「年齢差別」を
法律で禁止すべきであると筆者は考えています。

 

以前の記事でも書いたように、欧米では「年齢差別」を法律で禁止して
いる国も少なくありません。

 

国には、「都合の良いデータばかり見ずに現場を正しく把握してほしい」
といいたいですね。

 

最近、人材不足もあってか「年齢不問」とか「学歴不問」という活字を
よく目にします。

 

ただ、この不問という言葉は本当でしょうか?

 

 

画像素材:フォトサリュ
最近大気の状態が不安定で、スッキリしない空が続きます
高齢者の皆さんの心もスッキリしないままなのかも…
これでは本来の力が発揮できないですよね(悲)
国にとっても大事な戦力を有効活用できていないことになります

 

 

地方は大丈夫か?

 

 

今、政治は党首選びの真っ最中…

 

与党の党首候補の中でトップを走る方は、過去地方再生担当大臣を歴任
されていました。

 

筆者も何度かお話しをお聞きしたことがあります。

 

「地方は、人・モノ・金の循環ができていない」

 

 

このループの中で高齢者をいかに活かすのかが鍵です
活かす事ができれば高齢者が保有している莫大な資産が動き出します
企業の内部留保をも上回る資産を高齢者が持っているからです

 

 

 

上図は、この方が指摘していたことを筆者が図にしたものです。

 

筆者も、東京から地元の関西に戻ってそう思います。

 

地方はこれから人口減少の煽りを食らって、高齢者ですら減っていきま
す。

 

更なる人材不足に陥るのです。

 

そんな中で「年齢差別」を許していては、循環どころではありません。

 

収入が増えず、年金だけでは食べていけないとすれば、地方経済も回って
はいきません。

 

これから人口が激減していくこの国で、

 

高齢者をどのように扱い、

 

どのように活用していくのか、

 

これからこの国の将来を占う上で、とてもインパクトがあると思ってい
るのは筆者だけでしょうか。

 

今年も敬老の日を迎え、感じることを記事にしてみました。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。