いつまで我慢して働けばいいのか?
人手不足はいよいよ深刻か
今日は自宅近くのショッピングモールへ…
食品スーパーで買い物を終えてレジに進むと、いつもと違う風景が…
あれ、いつものレジに黄色い鎖がかかっていて進めない…
いつもは少なくても3~4ある有人レジが全て閉鎖になっていました。
有人レジの横にあるセルフレジへ向かう通路には支払いを待つたくさん
の人が並んでいました。
仕方なく列の最後尾につくと、ある張り紙に気が付きました。
“ 朝10時までは有人レジは閉鎖します ”
なるほど人手不足か…
建設業等では、中小を中心に深刻な人手不足と聞いていましたが、流通
業では大手でも人手不足の影響がハッキリと現れ始めたようです。
そして、その張り紙の横には別の張り紙が…
それは、求人広告でした。
時給は1100円を超えています。
(地元の)最低賃金スレスレではありません。
それでも人の確保は難しいようです。
台風から変わった低気圧の影響で西日本にも大雨が降りました
低気圧が過ぎ去った後は、秋晴れ コスモスが綺麗な季節になりました
このスーパー、週末にはよく来るのですが、最近気付いたことがありま
す。
以前は高齢者の従業員(特に高齢男性)をよく目にしていましたが、最
近その姿が見えないのです。
仕事がキツイのか?
遣り甲斐がないのか…
それとも(店側が)期待した働きができなかったのか?
理由はよくわからないのですが、明らかに働く高齢者の数が減っていま
す。
そんなことを考えながら支払いを済ませると、
「え、また値上がりしてるの…」
と呟いてしまいました。
毎回買い物をする度に必要なお金が上がっているような気がします。
先の衆議院選挙でも労働者の手取りが大きな争点になっていましたが、
収入が上がっていかないと本当に生活が厳しい状況です。
年金だけに頼る高齢者の皆さんはどうしてやりくりをしているんだろう
と心配になってしまいます。
年金に頼ることなく生活ができれば(将来の)不安も少しは軽減される
のでしょうが…
だからこそ、高齢者でも安心して働ける社会の実現が待たれるのです。
自然災害も多いのですが、四季の美しさは世界に誇れる国です
ただ、「賃金の安さ」「過酷な職場環境」「多様性を欠く社会」等から若
者を中心に人々が海外に次々と流出しています(笑い事ではなく…)
少子高齢化は簡単に、そして短期では解決できません…
できるところから社会を良い方向へと変えていくしかないのです
不安とせめぎあうモノの正体
高齢者の皆さんも、年金制度の将来がどうなるかはよくご存知です。
少子高齢化で現役世代が先細り…
その現役世代も失われた30年間、給与が上がらないまま…
いや下がっているのかも…
収入が低い非正規がもう働く人の40%以上にまで広がってしまった…
社会保障を支える現役世代の惨状をしっかり見ています。
いや、無理やり見せられているのかも…
だからこそ(得体のしれない)不安があるのかもしれませんね。
(年金受給)額が少ないということもありますが、年金制度自体の将来
に不安を抱いておられるのです。
四季を彩る花を見ているとホットしますね
どの世代も安心して生活ができる社会にしていかないと…
身体が元気であれば働きたい方も多いようですが、この国に蔓延る年齢
差別という壁が立ちはだかっています。
そして、その壁以外にももう一つ大きな壁もあるようです。
その壁の名前は「我慢の壁」といえるかもしれません。
筆者の周りにも多くの高齢者の皆さんが働いていますが、この「我慢の
壁」と戦いながら働いています。
高齢者の皆さんは、現役時代に我慢をして働いてきました。
家族の(生活)の為、
家のローンを返す為、
いろいろなモノの為に我慢して、
辛抱して、
働いてきたのですが、
定年退職後は我慢して働く必要はなくなりました。
(少ないけれど)年金もあるし…
贅沢しなければ何とか(生活)できるかも…
「将来の不安」と「我慢」とが、せめぎ合っているのです。
電車の中で見つけた最低賃金について周知を進める為のポスターです
しかし、上がったといってもこれでまともな生活はできません…
我慢できない場合は、また別の仕事を探すことになるかもしれませんが、
年齢差別の為に、なかなか簡単には見つけることはできません。
結局、自分自身に我慢を強いる人も少なくはないのです。
高齢者の皆さんが我慢せずに働けるようになれば、人手不足にも寄与で
きるのですが…
とても残念です。
現役世代の皆さんからは、現役世代だって我慢して働いているのに、
“ 高齢者も我慢して働けよ “
という声も聞こえてきそうですが、長年我慢して働いてきた人間にとっ
ては、
“もう勘弁してくれ”
というのが本音かもしれません。
高齢者だから低賃金でいいんでしょ…
高齢者だから(若い人が嫌がる)汚い仕事、キツイ仕事でもいいんでし
ょ…
そうではなくて…
我慢しなくても働ける環境整備こそ、高齢者の皆さんの能力を最大限活
かせる方法なのです。
秋の深まりとともに、秋桜だけでなく、木々も色付いてきました
筆者の家の前の公園も色鮮やかな季節を迎えています
同一労働 同一賃金まではいかなくても、仕事の成果を正当に認める…
だからこそ、最低賃金ではダメなのです。
長い経験があるのだから、
(その経験を活かして)若い人が嫌がる仕事をお願いできないでしょう
か…
と言われれば、我慢しなくても働けるかもしれません。
嫌な仕事だからこそ、
キツイ仕事だからこそ、
低賃金であってはいけないのではないでしょうか。
そんな配慮が会社側にあれば、もっと高齢者は働けると思うのです。
少なくても我慢せずに働ける筈です。
そして、高齢者の持っている能力を活かせる筈なのです。
そんな社会を実現できなければ、この国の将来は暗いままです。
社会の公器である企業が高齢者雇用をどう考えるか…
筆者は、そこに、この国の将来がかかっているような気がするのです。
そんな社会になれば、人手不足はかなり解消できるかもしれません。
読者の皆さんは、我慢して働くことにどのようなご意見をお持ちでしょ
うか。
経営者の皆さんは、高齢者を活かす経営に長所を見出すことができるの
でしょうか…
一つだけハッキリしていることがあります。
この国では、まだまだ少子高齢化が進展すること…
人手不足が多くの業界で進展すること…
年寄りは扱いにくいという固定概念が正しいのか考える良い機会だと筆
者は考えています。
今回の記事は、スーパーで見つけた人手不足の課題を考えてみました。
今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。