年金繰り下げますか?
今年一番の最強寒波襲来…
とても寒いですね…
筆者の家の前にある公園も雪化粧です
地元関西でも交通機関が大混乱しています。
金曜日の夜から降り始めた雪は、土曜日の朝には一旦落ち着き、夕方ま
でには溶けてしまいました。
でも、土曜日の深夜にはまた雪が降ったようです。
窓から見える庭にある植栽の葉の上や芝生の表面にはパウダーのような
雪が残っていました。
2日連続の雪か…
こんなに寒波が居座ったのは珍しいことですが、北海道で生活をしたこ
とのある筆者にとっては驚くことではありません。
ただ高齢期を迎えた筆者にとっては(身体に)気を付けないといけない
季節であることだけは確かです。
地元では雪が降るとすぐに電車は止まってしまいます
でも、北海道の列車は特別仕様で雪にはメッポウ強いのです
(※ホームの横に積もっている雪の高さに注目)
いよいよ高齢者に
筆者が帰宅すると、分厚い封筒が2通、新聞と共にポストに入っていま
した。
一つは介護保険被保険者証、地元の市役所からでした。
カードではなく、ピンク色の紙製でした。
このご時世に紙か…
まあ…まだ認定も受けず、使うことはないので良しとするしかないです
ね(笑)
もう一つは、年金事務所から…
そう、筆者ももうすぐ65歳になります。
開封すると、大きな文字が目に飛び込んできました。
「大切なお知らせ」
「受給開始を繰り下げると年金は増額できます」
「70歳では42% UP」
こんなメッセージと共に年金受給開始申し込みハガキが入っていました。
受給開始を繰り下げる場合は、返信は不要…
65歳から年金を受給する場合は、返信してくださいとのこと…
「逆だろう」と思ってしまいました。
以前の記事でもご紹介した図です(記事はこちら)
筆者は年金よりも高齢期の就業環境を改善して「勤労報酬」を増やす
べきだと考えています
やはりというか、国は年金を払いたくないようです(笑)
それもその筈、
繰下げ受給を実施している人の割合は、国民年金で1.8%、厚生年金
でも1.2%…
僅かな数字ですね。
逆に、様々な事情により繰り上げて受給している方の割合は、
国民年金が27.0%、厚生年金が0.6%
と、想像以上に大きな数字です。
国は、
「70歳までの就業を確保する措置(努力義務)が取られるなか、長く
なる老後の経済的安定を求めて、今後は繰下げ受給を選択する人が増え
る可能性がある」
なんていう理由を並べてはいますが、
高齢期の就労がいかに厳しいものかを物語っている数字だと筆者は考え
ています。
年金政策の為に、70歳まで働ける環境をつくりましたよと言っても中
身が問題だということになるのでしょうか。
国も実態をしっかり検証する必要があるのですが、見ないようにしてい
るとしか思えません。
画像素材:いらすとや
厳しい(高齢期の)雇用環境は理解しながらも見ないふりをする
これではいつまで経っても本質的な解決はなさそうです
今回、筆者も初めて役人なるものと仕事でお付き合いしましたが、お役
人は「現場」には行かないことがよくわかりました。
「現場」を見なければ、わからないことが多いのですが…
なぜ、お役人は現場に行かないのですか?
と、いろいろな方に聞いてみたのですが、その答えは、
「怒られるのが嫌だから…」
だったのです。
・・・・・・・・
北海道にある「とある駅」のホーム屋根からぶら下がる「つらら」
現場はどこも厳しいですが、必ず問題解決のヒントが隠されています
いやいや、現場にしかヒントはありません
年金受給はどうなるのか
このままの状態を放置すれば、年金受給年齢を遅らせていくしかない状
況に追い込まれそうです。
年金制度発足当初の昭和17年には、厚生年金の支給開始年齢は55歳
でした。
それが、昭和29年の改正で、55歳から60歳へと変更され、
昭和60年の改正で現行の65歳まで引き上げられました。(国民年金)
平成12年の改正では、老齢厚生年金の支給開始年齢も65歳に引き上
げられることになり、平成25年度から今年令和7年度にかけて引き上
げが行われました。
数年に1度1歳ずつ引き上げていくという緩やかな変化を続けてきた変
化の年も今年(令和7年)で終わります。
このように、受給年齢の引き上げが行われ続けたわけですが、さぁ~こ
れからどうなるのでしょうか。
今度は75歳まで働ける環境を(形だけ)整備して、年金受給年齢を段
階的に引き上げ、70歳受給開始を狙っているのかもしれません。
70歳まで誰しもが働く時代がもうすぐ来るのかもしれませんが、その
為には年金制度改革だけでは不十分なことは確かです。
いかに健康寿命を延ばしていくのか?
働こうにも健康でなければ働くことはできません。
昨年度(2024年)の日本人の健康寿命は、
女性が75.45歳と、前回2019年調査値と比べて0.07歳延び
た一方で、
男性は72.57歳と、前回より0.11歳短くなりました。
ようするに、全体的には前回調査からほぼ変化はありませんでした。
平成28年の統計データです(もう10年近くも前のデータ)
平均寿命と健康寿命の関係図ですが、健康寿命の延伸がこの国の将来を
占う上で重要な要素となりそうです
平均寿命は延びても、健康寿命は延びてはいないのです。
年金受給年齢を引き上げるのであれば、健康を維持できる政策も必要な
のです。(現在も形だけの政策はあるにはあるのですが…)
もう一つ必要な施策は、年齢に合わせた報酬を改革することです。
高齢期になれば、現役時代の50%、いや30%、もっと低く最低賃金
は当たり前、なんて世界を変えるべきです。
年齢差別をなくし、能力で労働の対価を払う風土と文化を新たに構築す
べき時にきています。
これができれば、年金の繰り下げなんてことは必要ありません。
70歳まで年金が無くても生きていけるのであれば、繰り下げなんて必
要ないのです。
国もいい加減発想を変えてほしいものです。
本当に…
今回の記事は、筆者の手元に届いた年金通知について取り上げてみまし
た。
読者の皆様のご意見も是非お聞かせください。
今回の記事も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。