抜穴大国ニッポン
朝晩メッキリ冷え込むようになってきました。
朝、書斎に入って雨戸を開けると、ヒンヤリした空気が部屋の中に入ってきました。
庭を見ると、赤い小菊がまだ頑張って咲いています。
ふと気付くと、庭の端にユリの花が一輪咲いているではありませんか…
ビックリです。
11月なのに…
ユリの花…
8月に満開を迎えた我が家のユリの花たちでしたが、今は全て枯れてしまい、枝も掃除済みの状態でした。
それが、一つだけポツンと今頃咲いていたのです。
ビックリしました 庭のユリは9月上旬には開花後全て枯れていました
「頑張って咲いてるからね!」と言わんばかりの美しさです
寒いのに頑張って咲いているようです。
その美しさに、ちょっぴりホッコリさせられました。
でも…
机に向かいPCを起動させると、少し驚かされるようなモノが…
ホッコリ感が何処かに飛んで行ってしまいました。
大手求人サイトのある求人を見て筆者は少し驚きました。
どうして…
こんな求人、許されるのか…
地方の国立大学法人の技術職員の求人にこんなメッセージがありました。
「35歳以下の募集です」
法律で、求人の際に年齢制限をしてはいけないことになっている筈です。
それが堂々と目立つように文字の色まで変えて記載されていました。
それも国立大学法人が…
画像素材:いらすとや
36歳以上お断りと書いた方がわかりやすくていいと思うのですが…
平成19年(2007年)10月に労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)が改正されました。
求人を実施する事業主や組織に対して、募集・採用において年齢を理由とした制限を設けることは禁止されているのです。
完全義務化されており、年齢に関係なく応募できる機会を確保することが明確になっている筈なのに…です。
法律が改正されてもう20年近く…
確かにこの求人広告以外にも、たくさんの年齢制限を記した広告は過去にも見たことがあります。
疑問に思った筆者は、少し調べてみました。
そこで分かったのは、以前に記事でもご紹介した最低賃金と同じように、例外措置のような特例条項があることでした。
雇用対策法施行規則第1条の3第1項に、いくつかの例外事由が記載されていました。
以下にその中からいくつかを抜粋してみます。
<例外事由 3号 イ>
長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合に適用されるようです。
要するに、若い世代を採用して長期に亘って育成する為に、年齢制限を設けているということになります。
終身雇用に近い考え方ですが、ニートやフリーター対策としても機能するように設けられた特例事項のようです。
ですから、雇用期間を設けることはできないのです。
でも採用したい方からすればいつでも解雇はできるわけで、若者を育成するという観点からすると、もっと有効な手段はないものかと筆者は感じてしまいました。
<例外事由 3号 ニ>
60歳以上の高齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する政策の対象となる人に限定して募集・採用する場合に適用されるようです。
高齢者雇用を目的とするこんな特例事項もあったなんて初めて知りました。
でも、とても残念なことに、こんな求人広告は見たことがありません。
他にも、技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定した場合に年齢制限が許されるそうです。
確かに、ある意味理解はできるものの、この特例事項は年齢差別をしている企業にとっては抜穴のように機能することもありそうです。
特に求人広告事業者からすれば、事業主の(高年齢者を排除したい)意向を活かす為に、この特例事項がうまく利用される可能性もあります。
この特例事項をよく見ていると、企業からの要望によって設けられたのではないかと疑念を抱く部分もあります。
こんな特例事項よりも、もっと基本に徹するべきではないかと筆者は思うのです。
「年齢」なのか「能力」なのか
これが基本だという気がしてなりません。
筆者は、以前の記事でもご紹介した、最低賃金の時と同じことを感じてしまいました。
高齢者だから最低賃金以下でも許される。
「能力」ではないのです。
年齢制限を行う背景には、 “高齢者は扱いにくい” という既成概念がこびり付いているという事実だけが残ります。
この既成概念を覆すには、特例事項を設けないという強い信念のようなモノが必要だと筆者は感じてしまったのです。
「年齢」ではなく「能力」
この基本を守る為には、特例事項は不必要かもしれないと…
こんな抜穴のようなモノが我々の身の回りにはたくさん存在しています。
それが良いことなのか…
悪いことなのか…
国会が始まり論戦がスタートしています。
受け答えを聞いていると、どのようにも受け取れる玉虫色の言葉が並んでいるような気がしてなりません。
我々国民も、ハッキリと、しっかりと、要望を伝えていけるような社会にしていかないと、抜穴でうやむやにされてしまうかもしれませんね。
国会での審議をテレビで観戦するだけでなく、何が正しくて正しくないのかを考え、次の選挙で意思が籠った一票を投じたいものです。
今回は、ある求人広告を見て感じたことを記事にしてみました。
この国では、白黒ハッキリさせることは難しいことなのでしょうか…
もっとスッキリとしたいものですね…
今回の記事も最期までお付き合い頂き、感謝申し上げます。




