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元気で働き続けるためにNNKを防ごう!

2018年12月10日
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PPKという言葉を知っていますか?

 

働き続けるためには心身の健康維持が絶対条件であるといえますが、実
は筆者は長く病気や寿命は殆ど遺伝的な影響が大きいと思い込んでいま
した。

 

筆者の家系では男性は短命で、父親も兄弟も40代前半で他界している
からです。

 

ところがいろいろな研究成果を見ると、長寿に与える遺伝的な要因は
25%とそんなには大きくなく、75%は自分で管理できるものである
と示されているのです。

 

長寿かつ、健康でいるためには、自分自身で努力するか、しないかで、
結果が大きく変ってしまうということになるのです。

 

 

画像素材:PIXTA

 

 

読者の皆さんは「PPK」という言葉をご存じでしょうか。

 

筆者は勉強するまで知りませんでした。

 

PPK=ピンピンコロリ。

 

今までぴんぴん元気でいたのにコロリと死んでしまうことを意味する言
葉です。

 

家族から見れば急なことでショックも大きい。

 

しかしながら、長い間病床に伏せることもなく、介護で家族に迷惑をか
けることもない。

 

考え方によっては高齢期を迎えた人にとっては、理想的な死に方である
といえるかもしれません。

 

実は筆者も死ぬ時はPPKで逝けないかと思っています。

 

苦しみながら死ぬのは嫌ですが、家族に迷惑をかけずに死にたいと考え
ています。

 

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しかし残念ながら、現実にはこのPPKで逝ける人は少ないのが実態です。

 

消防庁の調査でも亡くなる方の僅か4.8%がPPKであるという結果が
でています。

 

残りは病気や心身の機能低下を伴いながら介護を受けて死ぬことになる
のです。

 

最近筆者は、PPKにかわる言葉を耳にしました。

 

それは 「NNK」。

 

NNK=認知症・寝たきり・孤独死なのだそうです。

 

なんだか悲しくなりますが、高齢社会を考える上でいずれも大きな課題
であり、実際に我々の周りで起きている現実だともいえます。

 

でも、このNNK何とか防がなければなりません。

 

 

 

画像素材:フォトサリュ

 

 

特に都市部で急増する認知症は2025年には730万人に達するとい
う推計まであります。
(統計をとるたびに増えていくのではないかと心配です)

 

認知症になりやすい人の特徴をみると下記の4つがあげられるそうです。

 

・遺伝子的な要因・・・家族で認知症に発症した人が多い
・社会・経済的な要因・・・社会的に孤立している人/経済的に困窮し
ている人
・生活習慣的な要因・・・高血圧症/糖質異常症/糖尿病等の持病を持
っている人
・老年性疾患等による要因・・・うつ傾向の人/転倒による頭部外傷を
受けた人/引きこもり等対人交流の場が減少した人

 

 

その反対に認知症になりにくい人の特徴は下記の3つがあげられるそう
です。

 

・継続して学習をしている人・・・生涯学習等の学習を続けている(頭
(脳)を使い続けている)人
・食事と運動に配慮している人・・・有酸素運動を定期的に実施してい
る人/野菜等抗酸化作用の高い食物摂取を常に心掛けて実践している人/
過度な飲酒を避けている人(やはり適量がいいのですね)
・活動的な生活習慣を持っている人・・・身体活動/社会参加/対人交
流の多い人

 

 

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認知症にかかる人の中で最も多い傾向は、身体的不活動であるそうです。

 

体を動かさないことが、一番認知症になる危険性が高くなることを意味
しています。

 

この結果は動物実験でも実証済みで、運動できない環境にある動物と運
動できる環境にある動物を比較すると顕著な違いがあらわれるそうです。

 

 

 

画像素材:フォトサリュ

 

 

次に寝たきりについて考えてみます。

 

まずは、我々はどのように弱っていくのでしょうか。

 

東京大学が実施した20年間の追跡調査の結果によると、弱っていく傾向
は男性と女性とでは異なることがわかっています。

 

男性の場合は、弱っていく傾向は2つに分かれます。

 

調査対象の約20%の人が前期高齢期に入ると急激に身体機能が低下して
います。

 

少しショックな結果だといえますが、気をつけないと60歳半ばで大き
なハードルが目の前に現れる可能性があるのです。

 

そして残りの大部分(約70%)の方が70歳を超えた頃から急速に身
体機能が低下しています。

 

男性の場合、機能低下は女性と比較すると急速であるといえます。

 

この結果をみても、男性の場合は、前期高齢期に入る前から身体機能の
低下を防ぐ取り組みが必要であると考えることが出来ます。

 

ただ驚くべきことは約10%の男性は90歳近くまで身体機能は殆ど低
下せず、自立した生活をしているという事実です。

 

以前ご紹介した高齢期でのフィットネスクラブの記事で筆者がお会いし
た90歳の男性はまさにこの10%に該当する方なのです。

 

この10%の人を多くすることで社会参加できる方の数を増やすことが
出来ます。

 

そして高齢になっても何らかの形で社会参加することが、寝たきりにな
らない最も効果的な方法だといえます。

 

筆者はまだ会社にいる時から、会社外の社会参加を増やしておくことが
とても重要であると考えています。

 

 

 

 

男性に対して女性は違う傾向を見せています。

 

約10%の女性は男性と同じく前期高齢期から急速に身体機能の低下が
みられますが、それ以外の女性は70歳くらいまでは元気で自立しなが
ら、それ以降だらだらと身体機能が低下していきます。

 

この結果から女性の場合は、高齢期に入ってからでも身体機能の低下を
防止しても効果が期待できるということになります。

 

男性からみると女性は羨ましい限りですが、女性の方が元気だという結
果は誰もが頷けます。

 

こう考えると、女性も長く働くことはご本人にとっても社会にとっても
とても良いことになります。

 

社会からダイバーシティの取り組みにおける女性活用の必要性が強く要
望されていますが、高齢期の女性でも、もっと社会に活躍できる環境の
整備が必要であると考えます。

 

 

 

 

最後に孤独死について少し触れておきます。

 

孤独死、とても寂しい響きです。

 

でも、高齢者の単身世帯が急増している中、目を背けてばかりではいら
れません。

 

内閣府が発表している高齢者白書によると、2006年の統計で東京
23区だけでも孤独死は、3395件、それが2012年には4472
件と、急増しています。

 

そこには、独居者の死亡の3分の2は孤独死といわれている現実がありま
す。

 

最近の統計を見ると、人口1万人当たり年間5人が孤独死しており、そ
の殆どが高齢者であるそうです。

 

この数字が多いかどうかの議論は別にしても、これから確実に増えてい
くことになることは確かなのです。

 

孤独死は、前述の認知症、寝たきりに加えて引きこもりが大きく関係し
ています。

 

社会と何らかの関係を保つことが、孤独死を防ぎます。

 

この孤独死を防ぐためには、地域で誰もが触れ合える場所が必要です。

 

この触れ合える、みんなが集まる場所を以前の記事ではコモンスペース
と表現してみました。

 

今、このコモンスペースを創る活動が様々な地域で起きつつあります。

 

地域のいろいろな方々が地域のコモンスペースづくりに奮闘しているの
です。

 

このコモンスペース創りの取り組みは、また別の記事で取り上げてみた
いと思います。

 

今回ご紹介したNNKを他人事と思わず、高齢期に入る前から社会と深く
関わり、会社を定年で辞めたとしても社会と深くつながる方法を一人ひ
とりが考えなければなりません。

 

筆者は、行政の取り組みを含めた社会の支援も大切だと思いますが、一
人ひとりの努力こそが、人生を豊かにするのではないかと考えています。

 

このNNKを防ぐ個人としての努力は、無数にあります。

 

大事なことは高齢期に入っても、一歩前に踏み出す勇気を持つことです。

 

その努力は必ず社会貢献につながるのではないでしょうか。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。

 

 

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