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シェアリングとコモンスペース

2018年11月25日
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シェアリングという言葉の定義

 

シェアリングという言葉は、以前の記事でもご紹介しました。

今まで所有していたものを利用する、分配、分担する。

言い方を変えると、共同で持つこと、共有することともいえます。

このシェリングという考え方を社会に持ち込み、コミュニティという視点で捉え直すと「支え合い・助け合い」といえるかもしれません。

また、地域経済の視点で捉えると「住民のプロシューマ化」といえるのではないでしょうか。

consumer(消費者)とproducer(生産者)を組み合わせた造語である
プロシューマ、地域住民は従来の消費者という立場だけではなく、
生産者としての機能を有することになります。

このシェアリングをうまく使うと、地域でお金が落ちる仕組みが構築できるかもしれません。

また、地域の資産や資源をうまくシェアリングできれば、街の空間を見直すことで、街の価値をもっと高める効果も期待できます。

地域の住民がシェアリングを通して自分たちで創って(働いて生産し)、自分たちで消費する(消費して地域に金を落とす)ことができるのです。

 

コモンスペース

 

この「自分たちで・・・」というフレーズには、人が集まるという効果を
生む可能性があります。

この人が集まるところを「コモンスペース」と表現している人たちが
います。

辞書でこの言葉を引いてみると「集合住宅や住宅地などで、数戸程度の
住戸が共用するために設けられた道路・庭などの空間」となっていましたが、「私」と「公(おおやけ)」をつなぐ場所であるともいえます。

以前の記事でご紹介した柏市豊四季台団地のリニューアルされたエリア
では、このコモンスペースへの配慮が感じられました。

このコモンスペース、地域のセーフティネットの役割も期待されています。

長年企業に勤めた高齢期の方々は、「社縁」はあるが、「地縁」がない人が多く、会社生活が終わってしまうと、急に孤独になってしまうケースが多いのです。

下図を見てみてください。OECDが2005年に発表した社会的孤立を表した
グラフです。

先進国の中では、日本がダントツに孤立度が高いのです。

最近のデータではもっと恐ろしい結果になっているかもしれません。

2018年に入って英国の首相が孤独相なる大臣ポストを設けました。

英国にとって孤独が大きな問題になっていることの表れですが、その孤独率は日本の3分の1です。

お国柄が違えども、そろそろ孤独死が増えるこの日本でももっと問題視してもいいのかもしれません。

そういう意味では、シェアリングという機能を通した(人が集まる)コモンスペースは地域のセーフティネットになりえます。

 

 

https://honkawa2.sakura.ne.jp/9502.html

 

 

また、このコモンスペースを別の視点で捉え直すと、長く会社生活を続けてきて定年を迎えた高齢期の人たちにとっては交流の場となりえます。

地縁を持てと言われても、なかなかきっかけをつくることは容易ではないかもしれません。

地域にコモンスペースを創っていくことは、高齢期の生活の中で最も問題となる「孤独」の防止と「地縁」をつくっていくことにつながります。

本ブログではこのコモンスペースを創る取り組みについても取り上げていきたいと考えています。

 

シェアリングが注目されるようになった理由

 

なぜ、シェアリングが注目されるようになったのでしょうか。

その背景には社会の変化があります。

大家族制から核家族制への移行、そしてこの数10年間は「個の時代」と
いわれ、個が重要視されてきました。

その反面で個とコミュニティとの接点は希薄になっています。

そこに超高齢化社会が到来し、団塊の世代が企業から大量に卒業しました。

その大部分が「地縁」を持たずに地域に戻ったのです。

そこに「孤立」とか「無縁社会」という寂しい言葉が生まれるようになり
ました。

こんな時代になったからこそ「支え合い」という機能を持ったシェアリングが注目されるようになったのかもしれません。

経済が成熟化し、生活の中にモノが溢れ、需要が飽和しています。

こんな中で年金生活者が増えているのですから、政府が政策で需要喚起を
促しても、需要が高い伸びを示すことはあまり期待できません。

もう一度シェアリングを通して、地域で個とコミュニティをつなぎ直す、
再構築することが重要であると感じます。

シェアリングには、地域から元気にしていく力があるのかもしれません。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。