地域とつながる 栄養士さんの挑戦
東京都多摩市を拠点にとても面白い活動をしているグループがあります。
それは、共有のキッチンやリビングなどを備え、生活の一部を共同化し
ている都市型の集合住宅であるコレクティブハウスのスペースを使って、
食で地域をつなげる活動をしている「まんまるぱ~る」さんです。
今回の記事では、このまんまるぱ~るさんの活動をご紹介してみたいと
思います。
活動の中身も面白いのですが、グループ名もとても面白いです。
命名の理由を聞くと、「多摩」⇒「玉」⇒「珠(真珠)」のような輝き
で、地域のみんなの笑顔と触れ合いで、心も関係もまん丸く・・・とい
うことだそうです。
とかくぎすぎすした関係の多いこの社会の中でコンセプトも面白いと感
じました。
グループ設立のきっかけは、地域の中での触れ合いの場が少ないという
不安感からだったそうです。
高齢・子育て世代とも、平日夜間または土日祝日の活動が少ない中で、
行政の実施するイベントはその殆どが平日昼間に行われています。
平日夜間での触れ合いの場は殆どないのが実状なのです。
今話題になっている子供食堂や大人食堂も地域の中ではまだまだ少ない
中で、みんなで食事ができるところがあればと考えたそうです。
それも地場産の食材を使った食事にプラスして、生活に必要なミニ講座
も聞けるという構成でこの集まりは実施されています。
それも開催は基本平日夜間です。
(講座の講師の都合によって土日開催もあるようです)
この集まり、多世代の方が集まる場所にもなっています。
筆者が参加したイベントは9月上旬の集まりでした。
コレクティブハウスのコモンスペース(共有スペース)で実施されたこ
のイベントは、企業の出前ミニ講座から始まりました。
今回講座を担当したのは、雪印ビーンスターク株式会社。
「心身ともに健康でいるために~いつまでも元気で楽しい毎日を~」と
題した講座は、自立して健康に生活できる期間である「健康寿命」を延
ばすための方策についてでした。
健康寿命を延ばすために高齢期であってもきちんとした栄養は必要であ
り、低栄養に陥っていないかのチェック方法も教えて頂きました。
必要な栄養は年齢とともに変化するようで、高齢期にはどうしてもビタ
ミンとミネラルが不足がちになるようです。
約20分間の講座の最後のオチは、ミネラルの一種であるカルシウムを
しっかりとる為の「大人のための粉ミルク プラチナミルク」の宣伝で
したが、単純な宣伝ではなく、その粉ミルクを使ったレシピの紹介もあ
り、とても興味が湧きました。
一度自分でアレンジして作ってみようかと思わせるレシピについての上
手なプレゼンの最中に、参加者のテーブルの上に料理が並べられはじめ
ました。
どうやら、食事を食べながらリラックスして講座を聴けるようです。
参加者は私も含めて10人程度。
当然のごとく私以外は地域の方々でしたが、年齢的には若い方から年配
の方まで様々でした。
プレゼンに集中している人や講座を聴きながら食事をされている人と、
様々な形で交流の場は進みました。
今回の食事のメニューは下記の通り
(栄養士さんが考える食事のメニューは毎回違います)
- さつまいもの炊き込みご飯
- 野菜とキノコが、たっぷり入ったけんちん汁
- 地場産の野菜の揚げ炒め
- サンマ塩焼き
- まんまるぱ~る代表(K-koさん)の実家でとれたブドウ
まさに「まごはやさしい」です。
画像素材:PIXTA
さすが栄養士さんが考えたメニューだなと思いました。
そしてご飯、付け合わせ、汁物全ておかわり自由なのです。
この交流の場は、食事込み一人800円で参加できます。
帰りには雪印ビーンスタークさんから大人のミルクの試供品と栄養チェ
ックシートをお土産に頂きました。
何より地域の皆さんで話しができ、「地縁」ができることがとても良い
ところだと感じました。
まさに大人食堂でしたが、食事中にはコレクティブハウスの住人である
高齢者の方々や子供さんも現れて、住人との触れ合いもあるのだとわか
りました。
筆者はコレクティブハウスは、シングルマザーの方々が協力しながら育
児をしているところだと思い込んでいたので少し驚きました。
コレクティブハウスの住人の方にお話しをお伺いすると、単身からご夫
婦、そして子育て中の家族などいろいろな入居者がいるようです。
この取り組み、まさに大人食堂を飛び越えた「だれでも入れる多世代」
食堂だといえます。
まだ常設とまではいかないようですが、地域にとっては立派なコモンス
ペースとしての機能を有していると思います。
今後もまんまるぱ~るさんのような地域活動に取り組む皆さんを取材し
ていきたいと考えています。
このまんまるぱ~るさんの「だれでも入れる多世代」食堂は、今のとこ
ろ月1回の開催です。
ご興味のある方は、本ブログの「問い合わせ」にてご連絡ください。
次回の開催についてご案内させて頂きます。地区を問わず大歓迎だそう
です。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。