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福祉施設のレベルアップを考える

2020年03月29日
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新型コロナウイルスの感染が広がる中、とうとう千葉県の障害者福祉施設で大量の感染者が発生しました。

福祉施設の入所者とその職員は、福祉という目的ゆえに濃厚接触せざるを
えない状況にあります。

 

今回の新型コロナウイルスは、特に高齢で持病がある方が重篤化する傾向にあり、そういう意味では介護をはじめとする福祉施設は非常に厳しい状況にあるといわざるをえません。

今回の記事は、介護施設を中心に福祉施設の量的、質的、そしてリスク
対応力改善という観点で筆者の考え方をまとめてみたいと思います。

 

 

介護施設の現状

 

 

新型コロナウイルスの感染拡大で、医療の崩壊状態を起こしているヨーロッパの現状を見ると、日本でも感染者が増えることによる医療の崩壊が
懸念されます。

特に高齢化率が日本に次いで世界第2位のイタリアの現状は、日本にとっても対岸の火事として捉えてはならないものであると感じています。

高齢化率がダントツで世界No.1の日本でパンデミックが起きた場合、一番危険なところは高齢者施設だと筆者は考えているのです。

 

高齢者施設で大量の感染者が発生した場合は、

 

①高齢者の利用者が感染した場合、重篤化する可能性が極めて高い

②サポートする職員が感染した場合、施設の対応力が著しく低下する

③施設が感染によって使用できなくなった場合、地域の対応力も低下する
地域包括ケアシステムに甚大な被害が発生する

 

このような福祉施設を今後どのようにしていくのか。

 

先日、筆者はある高齢者施設に足を運ぶ機会がありました。

当然のごとく、マスク着用で、入り口で検温。

施設の入り口にあるロビーまでは入れましたが、中には入れませんでした。

施設は感染予防の為に、厳しいチェックを実施していました。

 

でも一抹の不安が、

 

・今回の新型コロナウイルスは感染しても、発熱しないことがある

・感染しても症状が出ないこともある

・検査して陰性でも、再検査で陽性となる

 

等々、今までの疾病のように明確な症状が出ないことを考えると、感染者を識別することは極めて難しいといわざるをえません。

しかしながら、今の高齢者施設ではこれ以上の対応は難しいのが現状です。

 

 

画像素材:Jim Mayes

 

 

福祉施設の量的改善:介護難民を防ぐ

 

 

介護難民とは、介護が必要な「要介護者」に認定されているにも拘わらず、福祉施設に入所できない方を指しています。

それだけでなく、様々な家庭の事情により家庭においても適切な介護サー
ビスを受けられない65歳以上の高齢者も対象にした言葉です。

 

民間の有識者会議である「日本創成会議」は2015年に下記のような予測を
発表しています。

 

「2025年には全国で約43万人が介護難民になる」

 

筆者が常々指摘してきた2025年問題。

2025年問題を機に、介護難民の問題が大きくクローズアップされることは
ほぼ確実だと思います。

それに加えて、今回の新型コロナウイルスの発生は新たな課題を浮き彫りにさせました。

今回の世界的なパンデミックが解消されても、また新たな脅威が社会を襲う可能性はなくなったとはいえません。

そうでなくても介護施設は不足するのに、新たなウイルスが発生した場合には、それ以上に不足することになるのです。

 

そう、深刻な数の介護難民を抱えて、社会が混乱する可能性もあるのです。

 

こう考えると、福祉施設の量的なレベルアップは重要なことなのです。

当然のごとく、医療施設との連携強化も重要な課題となります。

 

今回の新型コロナウイルスの影響を見ても、真剣に考えておかなければならない課題です。

 

 

画像素材:Jim Mayes

 

 

福祉施設の質的改善

 

 

福祉施設での虐待問題は、マスコミでも度々報道されるのでご存知の方も多いかもしれません。

ただの暴力行為だけでなく、暴言やいやがらせ、呼ばれても無視するなどの心理的虐待もその内容には含まれるようです。

施設だけでなく家庭内での介護の場合も、介護疲れ等要因もあり、このような虐待は無くなることはないようです。

この虐待の要因には、福祉施設の場合は施設で働く職員の待遇にも関係しているようです。

仕事内容は決して楽なものではないにも拘わらず、給与は低く、勤務形態も不規則です。

24時間体制をとっている施設では、当然のごとく夜勤や長時間勤務も存在
しています。

 

仕事内容が厳しいにも拘わらず、所得は低い。

ゆえに離職者が多い。

だから慢性的に人材不足の状況なのです。

こんな条件ゆえに、職員は高齢の方も多いのです。

人材不足で、人材を確保する為に就職先が少ない高齢期の方々が多く働いています。

 

ようするに施設では、入所者も職員も高齢期の方が多いということになり
ます。

 

今回の新型コロナウイルスに標的にされている高齢者が一番多いのは、施設ということになるのです。

今回の新型コロナウイルスのような大きなリスクを阻止する為には、職員の高いモチベーションが不可欠です。

そのためにも、施設の職員にとっての働く環境の質的改善は、とても重要なことだと感じます。

新型コロナウイルスのような大きなリスクを阻止できるのは、意識の高い人間だけです。

 

 

画像素材:Jim Mayes

 

 

福祉施設のリスク対応力の強化

 

 

今回の新型コロナウイルスが世界に広まり始め、日本にも上陸した時、
筆者が真っ先に必要だと思ったことは、施設の検査体制でした。

医療は言うまでもなく、介護をはじめとする福祉施設の検査体制を整備しないとリスクは低減できません。

新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務が広がっています。

サラリーマンは家で仕事ができますが、高齢者施設の職員の皆さんや介護事業者さんは休めません。

高齢者の皆さんを守る為にも、施設の職員や事業者さんへの検査体制が
必要だと思うのです。

そうでないと高齢者の皆さんが、災害弱者だけでなく疾病弱者になって
しまう。

リスク回避の為に、検査体制が必要なのです。

 

どんな検査体制が必要なのかは今回の記事では省略しますが、血液検査や唾液検査の先進技術を使えば難しいことではないと考えています。

 

それは施設にとって働き方を変えるものだと筆者は思うのです。

 

そう、これを契機に福祉施設も大きく働き方改革をすべきではないのか。

例えば、もっとITやロボットを導入して、働き方を変えていく。

そうすれば、そこで働く職員さんの待遇も改善できるかもしれません。

待遇が改善できれば、人材不足も改善できるかもしれないのです。

 

介護事業者の方からは、介護報酬も下げられる中でそんなことできないと
言われそうですが、こんな機会を逃しては変えることはできません。

 

政府は、今回の新型コロナウイルスの影響で補正予算を組んで急場を凌ごうと考えていますが、せっかくお金を使うのであれば(お金をばらまくのではなく)、社会をどう変えていくのかという観点を持ってほしい。

 

今回の新型コロナウイルスの影響を克服できた先にどんな社会を創っていくのか。

 

障害を乗り越え、どう創造につなげていくのかが、この国の希望につながるような気がします。

 

これ以上、福祉施設での感染が広がらないように願うばかりです。

 

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。