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2025年問題を考える リノベーション編 その1

2021年01月30日
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今回の記事は前回に引き続き「2025年問題」について取り上げてみたい
と思います。

 

今までの記事で度々ご紹介してきた家のリノベーション。

 

なぜ筆者がここまで家のリノベーションに拘るのか?

筆者がこの家のリノベーションを勧めるのには理由があります。

 

以前の記事でもご紹介したように後期高齢者の仲間入りをするように
なると多くの方々が心身に課題を抱えるようになります。

 

後期高齢者になってからも健康を維持し、身体能力に大きな問題が出な
いのは男性の場合で全体の約10%程度の方のみです。

 

 

東京大学が長期に亘って追跡調査したこの結果を覚えていますか?

 

 

女性の場合は男性よりも身体能力は維持できるのですが、大部分は徐々
に身体能力が低下していきます。

 

 

 

 

 

そこで多くの方が(介護)施設を頼ることになるのですが、筆者は介護
施設が良い所だとは思いません。

 

介護レベルが介護3以上(介護認定の重度)になれば仕方がない面も
ありますが、それより低い場合はなるべく住み慣れた家で生活ができる
ことが一番だと思うのです。

 

筆者は多くの介護施設を体験し、この目で見てきました。

 

施設を利用される皆さん、喜んで利用している方は本当に稀で皆さん
「仕方なく」利用しています。

 

介護施設では好きなことが出来るわけでもなく、決められた時間に運動
をし、決められたスケジュールで食事をし、排泄まで半ば強要される
ところも少なくありません。

 

全てが施設の都合で動いているのです。

 

ですから施設利用者(高齢者の皆さん)も「仕方なく」それに合わせま
す。

 

そして安全確保のために基本座って生活をするのです。

 

要するに自由はまったくといってよいほどありません。
(施設によって違いはありますが)

 

利用者の多くは「早く家に帰りたい!」と口を揃えます。

 

遠方の家族は心配で親を施設に入れます。

 

同居の家族は、家族の都合に合わせて施設を利用しますが、利用者で
ある高齢者の皆さんは決して幸せではないのです。
(あくまで筆者の感想ですが)

 

そして家族は様々な注文を施設側に出します。

 

例えばこんな要望もあるのです。

 

“食事は介助なしで基本自分の力で食べさせてほしい”

 

自分のことが自分でできるのであれば、自宅で住み続け、生活できる
方法を選択できるようにすべきです。

 

最近の介護施設は、以前のように社会福祉法人が運営するばかりではな
く、営利組織である株式会社が運営するケースが増えています。

 

そんな施設では、利益を少しでも増やすために効率を徹底的に重視する
施設が増えているのです。

 

そんな施設では、決まった時間に決まったことをして効率を上げ、前述
のようにトイレまで決まった時間に強要させる施設が多いと報告がなさ
れています。

 

こんな不自由な施設にいることが本当に幸せなのでしょうか?

 

家族にも様々な事情があるのでしょうが、できる限り家で過ごせるよう
に安心・安全な家にすることが大事なのだと思うのです。

 

このような状況を放置すれば、今親御さんが経験している不自由さと不
幸せを子供の世代も同じように経験することになります。

 

どこかで考え直し、変えていかなければならないのです。

 

そう「仕方なく」親を施設に預けていた人が、
今度は自分が「仕方なく」施設に預けられるのです。

 

読者の皆様、決して他人事ではありませんよ。(笑)

 

さすればどんな家であれば不自由さを感じずに生活ができるのでしょう
か。

 

それが、新しく立ち上げた「2025年問題研究所」でご紹介した内容です。

 

高齢期でも安心して暮らせる自宅へと変えていくのです。

 

 

  • まずは安全・安心の確保です

 

・手摺の設置等安全の確保/転倒等のリスク回避/安全な姿勢を確保する
こと

・家の中で怪我をしないしつらえ(潜在する危険に対処する)

・機能の近接化(寝室とトイレ、浴室を近づける)

・そして利便性・快適性の追求

 

  • 二つ目は心の豊かさを楽しむこと

 

・家を楽しむ:明るく暖かく動きやすく

・パッと見渡せ、サッと動けるしつらえ(リスクを回避する)

・暮らしにスパイス(家の中でも生活を楽しめるしつらえ)

 

  • 三つめは不(安)の解消です。

 

・心身が少し弱っても自宅で安心して介護・医療を受けられるしつらえ

・疾病や感染予防対策の徹底

・安心して外出ができるしつらえ

・家の中を安全に自由に移動できる仕組みづくり

 

等々、施設に行かなくても生活できるための基本が家のリノベーション
なのです。

 

子供さんたちは心配かもしれませんが、安全・安心を確保しながら自分
でできることは自分でやると決めて生活する方が、健康年齢を伸ばせる
可能性が高いのです。

 

ここで筆者が皆さんにお勧めしたいポイントを2つご紹介してみます。

 

 

 

 

 

 

家のエイジング・イン・プレイス化

 

 

まずは、家のエイジング・イン・プレイス化です。

 

以前の記事でもご紹介したこのエイジング・イン・プレイス。

 

死ぬまで住み慣れた自宅と地域で過ごすことを意味する言葉ですが、
そのためにも上記でご紹介した家のリノベーションが必要です。

 

まず、実際どのようなリスクが家の中に存在しているのか知って頂くた
めにあるKEY-WORDをご確認ください。

 

 

 

 

 

 

この「いろはにすめし」を解決できれば、自立生活が可能となります。

 

個人差があるために、全ていっぺんに対応する必要はなく、自分自身の
体の状態に合わせて対応していけば十分です。

 

そのために重要なことはバリアフリーです。

 

このバリアフリー、家の中の床をフラットにすることだけではありませ
ん。

 

人が生活する上で問題となる、あらゆる障壁を取り除くことを指します。

 

障壁とは物理的なもの、精神的なもの、そして外部からの影響等様々な
障壁を取り除くことがバリアフリーなのです。

 

ようするに理念のようなものを指します。

 

 

 

 

 

 

 

そう家のリノベーションにはこの理念が重要なのです。

 

理念という難しい言葉が出てしまいましたが、まず大事なことを理解し
て頂いた上で次はもっと具体的な対策についてご説明したいと思います
が、ここまででもとても長くなってしまいましたので、今回の記事は
一旦終わりにして、続編でご説明をしたいと思います。

 

次回の続編記事も是非お付き合いください。

 

 

今回の記事も最後でお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

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