犬を飼うと介護リスクが減る?
筆者の家の前には大きな公園があります。
丘陵地を切り開いた東西2Km、南北1Kmの街には2500戸の家と大
小10ほどの公園があり、筆者の家の前にある公園が一番大きな公園で
す。
朝、2階にある筆者の部屋の雨戸を開けると、その公園が一望できます。
冬には雪景色
秋には美しい紅葉
今の季節は霧が街全体を包み込むことも度々あります。
今年は年初から雪が続きました。これも気候変動の影響でしょうか。
その朝の景色に欠かせないのが散歩をする高齢者の皆さんです。
5時台に起床する筆者が窓を開ける頃には、ご夫婦やお一人で散歩を楽
しむ高齢者の皆さんをたくさん見ることが出来ます。
いつも散歩をしている高齢期のご夫婦はいつも仲良く手を繋いでいます。
もしかするといずれかが認知症なのかもしれないなと感じています。
少し時間を遅らせると次に公園にやってくるのは、犬の散歩をする方々
です。
年齢層は様々ですが、一番多いのは中年の女性です。
犬の勢いに引きずられる人も多いのですが、見ていると本当に犬好きな
のだと分かります。
子供が巣立ち、家から出ていくと、寂しさから犬を飼う人も少なくない
ようです。
どういう理由かはわかりませんが、街の中にはたくさんの犬がいること
は確かなようです。
この犬、高齢期になると意外にも絶大な効果を発揮しているかもしれな
いのです。
犬を飼う効果
毎朝目を通す朝日新聞のデジタル版に先日面白い記事が掲載されていま
した。
記事の見出しは、「犬を飼うと介護リスク半減、一方で猫は… 日本の
高齢者1万人調査」
日本の高齢者1万人以上を対象にして調査を行った結果、犬を飼ってい
る人は飼ったことがない人に比べ、介護が必要になったり、亡くなった
りするリスクが半減することがわかったとその記事には記載されていま
した。
飼い犬との散歩が運動に繋がるとともに、飼い主繋がりの交流が高齢期
の皆さんの健康維持に役立つことが裏付けられたらしいのです。
この研究を実施したのは、国立環境研究所と東京都健康長寿医療センタ
ーとのことでした。
調査結果では、調査開始時点で介護が必要な状態ではなかった約1万人
のデータを統計学的に分析した結果、過去に一度も犬を飼ったことがな
い高齢者が自立喪失(介護が必要な状態や死亡)の状態になるリスクを
1とすると、犬を飼っている高齢者のリスクは、0.54倍になること
を突き止めたらしいのです。
ようするにリスクが約半分になるらしいということです。
確かに高齢期での運動や人との良好な関係性は、過去の記事でもご紹介
してきたとおりとても重要なことです。
調査時に犬を飼っていなくても、過去に犬を飼っていた高齢者について
もリスクが減る傾向があり、一度も飼っていない人に比べて2割ほど低
かったと調査結果にはありました。
筆者が今の家に越してきてからもう30年近くになるのですが、犬は一
度も飼ったことがありません。
お隣りには犬がいたのですが、子供たちが犬を欲しがらなかったという
こともあり、今の家では一度も飼ったことがありません。
子供の頃には犬や鳥(セキセイインコや十姉妹等)をたくさん飼いまし
た。
一時期は鳥たちがたくさん増えて、鳥の鳴き声で家の中が騒がしかった
のをよく覚えています。
犬も鳥も早起きで、朝早くから散歩や鳥かごの中の清掃をせがまれたも
のでした。
でも、死ぬのが悲しくて、死んでからは新しく飼うことを止めてしまい
ました。
今は何も飼ってはいませんが、毎朝庭には野鳥がやってきます。
先日も1階にある書斎の雨戸を開けると、いきなり庭からオレンジ色の
山雀が雨戸の音に驚いて飛び立ちました。
メジロ、山雀、四十雀、ヒヨドリ、それ以外にも図鑑にも無いような鳥
をよく見かけます。
どうやら庭にある南天の赤い実や植栽の新芽を食べにくるようです。
画像素材:Jim Mayes 見たこともない綺麗な鳥がやってきます
書斎で仕事をしている時には楽しみの一つでもあるのですが、飼うまで
の余裕はまだありません。
子供達が巣立ってしまい、サラリーマンも卒業しましたが、まだこのブ
ログも含めて自分の仕事がたくさんありますので、犬や鳥の世話までは
できそうにありません。
仕事ができるうちは、頭と体は動かせそうです。
でも、この調査結果は頭の隅には置いておきたいと思います。
犬はいいけど猫は?
筆者はどちらかというと犬派です。
猫はひっかくので苦手にしています。
でも犬同様猫を飼っている人も多い筈です。
上記の調査では、猫を飼っている高齢者の自立喪失リスクも調査してみ
たそうです。
残念ながら猫の場合はリスクが低減する効果は見つからなかったそうで
す。
ただ、飼い猫の心理的な効果を指摘する他の研究もあるということで、
否定的な内容にはなってはいませんでした。
でも介護リスクの問題を考えると、ペットを飼う効果はこれからも研究
を続けた方がイイのかもしれませんね。
介護リスク=家族の負担増
介護リスク=社会保障費の増(国家・若い世代の負担増)
いろいろな方法が研究され、元気で豊かで幸福感のある老後を過ごせる
ようになればいいですね。
今回の記事は、難しい事を抜きにして介護リスクを回避する方法につい
て考えてみました。
今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。