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貧しさを容認する国

2022年07月23日
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地域活動

 

 

筆者は数か月前から地域活動に参加するようになりました。

 

仕事の関係で、15年近くも兵庫の自宅ではなく、首都圏や北海道で活
動してきた関係で、地縁というものが殆どありませんでした。

 

最初は自治会活動。

 

今の街に引っ越してきてからもうすぐ30年ですが、自治会活動は初め
てでした。

 

役員を決めるので集まれと言われ、選挙でもするのかと思ったら、くじ
引きで自治会長を含めた担当役員が決まるのです。

 

くじ引きで…

 

最初は唖然としましたが、最近は自治会もなり手がいないようです。

 

そして、自治会から脱会をする人も後を絶ちません。

 

回覧も届かず、地域からも離れて社会性を失い、老後はどうするんだろ
うと本当に心配です。

 

先日も近隣で熊が出没したと、緊急で回覧が回ってきましたが、リスク
回避すらできません。

 

そうこうしていると、今度は市の社会福祉協議会から直接連絡があり、
地域の高齢者活性化活動や子供食堂等の活動を支援してくれという要請
まで入ってきて、最近は結構忙しい毎日を過ごすようになりました。

 

昨年痛めた腰のリハビリにも、勉強にもなり、少しのめり込みそうです。

 

 

筆者も高齢者の皆さんを対象にいろいろな活動をしているのですが、
圧倒的に女性が多く、運動や勉強よりも美しくなりたいという願望が
の方がまだまだ強いようです。
写真は、福祉士によるネイルサロンで大満足の女性の手です

 

 

そんな活動の中で、地域の民生委員とも交流ができるようになりました。

 

そして気付いたのです。

 

一戸建ての立派な家が立ち並ぶ住宅街にも拘わらず多くの問題が存在す
ることがわかってきたのです。

 

 

・母子家庭で若い女性が一人で家族を支えている

 

・離婚が発端で児童虐待が存在している

 

・単身高齢者の世帯が増えている
孤独だけが心配事ではなく、深刻な近隣とのトラブルが発生している

 

・空き家問題

 

・ごみ屋敷問題

 

 

特に女性が一人で世帯を守っている母子家庭では様々な問題を抱えてい
ます。

 

女性が世帯を安定して養うことが出来る仕事に就く事は難しい社会です。

 

頑張り過ぎて体調を崩し、働く事もままならなくなり、貧困に陥るケー
スもあるようです。

 

弱いもの、困っているものは、果てしない負のスパイラルに引き込まれ
てしまうのです。

 

 

画像素材:Jim Mayes

 

 

頑張っても食えない時代

 

 

筆者の子供の頃、

まだこの国もまだ貧しかった頃、

筆者の周りにも貧困の家庭は多かったです。
(筆者の家庭もそうでしたが…)

 

でも、働く事ができれば何とか食っていける時代でした。

 

両親が共稼ぎで、子供たちは「鍵っ子」と呼ばれていました。

 

筆者もその鍵っ子の一人でした。

 

貧しいながらも大人が働けば家族が何とか食える時代だったのです。

 

ところが今は、働いても食えない時代になってしまいました。

 

非正規(低賃金)雇用が広がり、頑張って働いてもキチンと食べられな
い人が増え続けています。

 

将来設計すらできず、結婚することを諦める若者も少なくありません。

 

少子化になるのは当たり前なのです。

 

様々な地域活動に参加してみて、庶民が住む社会の中の深刻な問題が確
かな姿で見えてきました。

 

 

政治家は現場を見ているのか

 

 

しかし、そんな地域活動に参加してみてもう数か月、行政の目は感じま
せんでした。

 

代わりに関心させられるのは地域の見えない目や手でした。

 

そう、ボランティアの皆さんです。

 

圧倒的に女性が多いのです。

 

それも子育てが終わった高齢期の女性が中心ですが、炊事を中心に大活
躍しています。

 

 

地域の温かい手(輪)によって地域は辛うじて支えられています

 

 

子供食堂では素晴らしい女性にもお会いしています。

 

元保育園の園長さんを勤められた高齢の女性で、足が不自由にも拘わら
ず、その経験を活かして虐待を受けている子供がいないか目を光らせて
います。

 

虐待を受けている子供がいれば、その子たちに寄り添い、様々な情報を
引き出します。

 

子供の虐待については悲しいニュースが後を絶ちませんが、いつもTVで
謝罪している行政の役人仕事では、解決はできないような気がします。

 

この元園長さんの目や耳は凄いです。

 

これこそ長年の経験と知識だといつも感服させられるのです。

 

その手法も鮮やかです。

 

食事の後、何人かの子供を集めて絵本で話をし、ターゲットを見つけ出
します。

 

そしてその子供と1対1でピアノの練習をしながら話しをするのです。

 

元園長さんに見分ける秘訣は何かと聞いてみると、「視線の変化」だそ
うです。

 

質問とうまく組み合わせているのでしょうが、凄いとしか言いようがあ
りません。

 

そして、その子供たちを自宅まで自家用車で送り、親とも話をするそう
です。

 

これ全てが無償労働です。
(役人は虐待が阻止できなくても高給がもらえますが…)

 

選挙の時だけ良い話をする政治家とは大違いです。

 

貧困者対象の炊き出しや子供食堂の視察に政治家は顔を出しても、現場
を確認する人はいません。

 

そんな時間も無いのでしょうが、現場を見ずになんの政治なのでしょう
か。

 

今迄の記事でご紹介してきた高齢者活躍についての活動も、行政は形だ
けの参加で行事が始まったらそそくさと帰ってしまう有様でした。

 

政治家も行政も肝心かなめの現場の状況を見ないのです。

 

今日、テレビで国会議員の平均年収の話しをしていました。

 

平均で2255万円だそうです。

 

国民の平均年収が400万円少しですから5倍以上です。

 

こんな豊かな暮らしができる政治家が国民の事がわかるとは思えません。

 

今の政治家は、二世、三世議員も多く、きっと貧困という体験すらあり
ません。

 

貧困がどれほど恐ろしいものかも知らないのではないでしょうか。

 

あろうことか金の為に政治家になる職業政治家も多いのかもしれません。

 

先日は政権与党に所属していた議員が不祥事を起こし、雲隠れしながら
280万円にもなる賞与(血税)をかすめ取って、説明責任すら果たし
ていません。

 

市民が貧困に苦しむ中で、給与を上げろと声をあげる議員も少なくあり
ません。

 

国民を幸せにするために存在する筈の政治家が、困窮する現場を見ずに
金に執着することは主権を持つ国民に対する詐欺行為ともいえます。

 

これからも地域を愛し、地域の問題を解決する為に頑張るボランティア
の皆さんと共に活動を継続していきますが、いつかはこんな構造を変え
ていけないだろうかと考えています。

 

地域の為に頑張る人に報酬(金とはいいませんが…)を

 

現場を見ずに己の懐に執着する政治家や役人の報酬を下げる

 

真面目に社会の為に頑張った人が報われる社会を実現してみたい。

 

ただ、それだけです。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、感謝申し上げます。