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社会への信頼感

2022年12月17日
13

9060問題

 

 

少子高齢化が一層進むこの日本で、親子関係も見直しを突き付けられて
います。

 

高齢の親(80代)が引きこもりの子供(50代)の面倒をみる805
0問題。

 

最近は、少子高齢化の更なる進展で9060問題にまで深化しているよ
うです。

 

90代の親の年金で60代の子供の生活まで賄う。

 

年金が下がっていく中で、厳しい現実が広がっているようです。

 

自分が死んだ後、子どもの行く末を心配しなくてはならないのは、ある
意味とても辛いことなのかもしれません。

 

昭和の時代のように、子供が学校を出て就職したら、子育ては終わりと
はならない現実がここにあります。

 

多くが非正規で働き、安定した生活ができない若者が増え続けています。

 

親からすれば、本当に心配で、安心して死ぬこともできないという人も
増えているのかもしれませんね。

 

なぜ、日本の社会はこんな社会になってしまったのでしょうか。

 

寂しい限りです。

 

 

画像素材:Jim Mayes 今の日本は明るい社会ではありませんね

 

 

資本主義は本当に大丈夫なのか

 

 

先日あるセミナーに参加していたのですが、スピーカーの方から気にな
る話を聞きました。

 

米国の都市部では乞食さんがたくさんいるらしいのです。
(差別用語にならないようにあえてさん付けしてみました)

 

日本がまだ貧しかった頃、筆者がまだ幼かった頃は、確かにこの国でも
街中に乞食さんは多く存在していました。

 

ゴザの上に正座して、その方の前にはお金を入れる器が一つ。

 

その器に中には、投げ込まれた小銭が入っていました。

 

日本人が憧れ続けた米国でもこんな有様なのです。

 

そして米国の隣国であるメキシコでは、大学を出ても正規の仕事に就く
ことが難しく、殆どが非正規で働くことになるそうです。

 

その結果、子供は大学卒業後も長く親の家に居候をすることになるよう
です。

 

本当に資本主義や民主主義はこのままで大丈夫なのでしょうか。

 

最近、資本主義や民主主義の限界が見えてきたようにも感じるのです。

 

米国のように、この日本でも乞食さんが街中のそこら中に現れるような
ことにならないのか、本当に心配になります。

 

 

福祉国家ではどうなのか

 

 

暗くなるような話をしてしまいましたが、筆者も心配になって、今迄度
々記事でご紹介してきた福祉国家と言われる北欧の国々ではどうなのか
少し調べてみました。

 

例えば、以前の記事でもご紹介してきたデンマーク。

 

デンマークは、記事でもご紹介したように最新(2022年)の世界幸
福度ランキングで堂々の2位でした。
(1位は同じ北欧のフィンランド、日本は54位に沈んでいます)

 

そして、同じ記事でもご紹介したように、世界各国の高齢化への対応状
況をランク付けした長寿管理番付(Longevity Management Scorecard)
でも、世界ランキング9位とベスト10内の高評価の国です。

 

 

画像素材:PIXTA  デンマークに出来て日本に出来ないことはあるのでしょうか

 

 

 

この高い幸福度の背景にあるのものは、どうやら「社会への信頼感」の
ようなのです。

 

確かに、高い税率負担という福祉国家の特徴は持ってはいますが、その
税金負担が可能な収入も国家が保証しています。

 

このデンマーク、なぜ「社会への信頼感」が高いのでしょうか。

 

社会への信頼感が揺らいでいるこの日本に何が必要なのかを考えて、い
くつかそのヒントをピックアップしてみようと思います。

 

 

やっぱり福祉国家、お金の心配がない

 

消費税はなんと25%、国民負担の税率は約70%と、日本人なら考え
られない高い税金と引き換えに医療費や教育費の無償化等社会の信頼が
高まるシステムが整備されています。

 

税金は高いけれど、その分しっかりと国民に還元されているのです。

 

日本のように政治家や官僚だけが高い報酬を受け取り、国民は貧乏とい
うわけではありません。

 

日本では、若い頃から高齢者になる迄ずっと、常にお金の不安がつきま
といます

 

その不安は、歳を追うごとに増していると感じるのは筆者だけでしょう
か。

 

お金の心配をしなくてもよくなれば、ストレスも感じなくなり、病気に
なる人も減ります。

 

当然、社会保障費も減ると思うのですが…

 

でも、これにはまず税金がどのように使われているのか国民が知るとい
うことが大事で、日本のように何に使われているのかわからないという
のは、やっぱり問題です。

 

今、防衛増税でもめていますが、やはり国民への説明責任がまず先行さ
れるべきでしょうね。

 

 

画像素材:Jim Mayes 漠然とした不安が一番厄介なのかも…

 

 

自立を促す風土、文化がある

 

デンマークでは18歳になって成人すると、障害者であっても独立し、
自立した生活を送るそうです。

 

障害がある人を家族だけで支えるのではなく、社会全体で支える仕組み
になっています。

 

自分が死んだ後、子どもの行く末を心配しなくても大丈夫なんです。

 

ですから、デンマークでは8050問題や9060問題は発生しないの
です。

 

そして、国家が早くから自立を促す為に、独り暮らしをとても好む文化
があるようです。

 

「子供の為の人生」ではなく、「自分自身の為の人生」を大切にする文
化というのは、とても素晴らしいことですね。

 

ただ、家族の誕生日やクリスマス、イースター(復活祭)、何かの記念
日、夏休み等家族で集まって過ごしたりする機会は結構多いようで、筆
者はとてもメリハリのついた人生観だなと感じています。

 

独りの時間も大切だけれども、家族も大事にして、いざとなれば頼るこ
ともできるという、日本人にはない家族観を醸成してきた国民なのだと
思いました。

 

 

健康に対する意識が違う

 

デンマークでは自分のことをよく知っているかかりつけ医を持つシステ
ムが定着しているようです。

 

当然、医療費もかからないので心配事があれば、いつでも気軽に相談で
きます。

 

日本のようにドンドン医療費が高くなり、医療費が心配で医者にもいけ
ない高齢者が増えるのではないかという心配もありません。

 

そして、かかりつけ医は、医療が本当に必要な人に届くようにと風邪等
では診ないそうです。

 

少し驚きましたが、デンマークの人は風邪ぐらいでは病院には行かない
そうです。

 

市販の風邪薬や目薬等もお店では売っていないそうです。
(それはそれで困るような気もするのですが…)

 

国民は具合が悪ければ水分やビタミンを摂ってゆっくり休養をとるのだ
そうです。

 

外国では熱が出ると、氷が入った水風呂に入って熱を下げると聞いたこ
とがあるのですが、文化の違いには驚かされます。

 

これならば、医療費も何処かの国のように鰻登りにはならないのではな
いでしょうか。

 

定期検診のようなシステムはあるようですが、人間ドックのような検査
もないそうです。

 

こんな自助努力ならいいことなのかもしれませんね。

 

筆者はよく高齢者の皆さんから相談を受けます。

 

血液検査の結果表を見せられ、数値について聞かれるのですが、いつも
数値の高低に一喜一憂しないようにと伝えています。

 

自分の体は自分が一番よく知っています。

 

医者に頼り過ぎず、自分で自己管理をすることの重要性をデンマーク人
は認識しているのかもしれませんね。

 

子供や親族に頼ることも大事なのですが、基本自己管理できることも重
要なことかも。

 

 

画像素材:Jim Mayes 人間歳をとっても輝きを失うわけではありません

 

 

信頼できる社会がある

 

日本にも昔あった村社会。

 

日本の会社は本当に社員を(仲間として)大事にしていました。

 

今は、会社の業績の為(株主の為)に平気で社員の首切り(早期・希望
退職)を実施しています。

 

かつてこの国には、個人と社会、社員と会社の中に信頼関係のようなも
のがありました。

 

筆者は今、地域活動で地域の高齢者を助けていますが、本当に地域社会
が崩壊の危機に直面していると感じています。

 

自治会にも加入しない世帯が多く存在しています。

 

デンマークの社会では、困っていたり、助けが必要な人がいれば周りの
人を頼ることができる慣習がまだ存在しているようです。
(日本にもかつてはあった筈なのですが…)

 

デンマークの多くの大人達は、自分の子供達に、

 

「困った事があれば周りの人に助けを求めてね」

「きっと親切に助けてくれるから」

 

と教えて育てているそうです。

 

社会との信頼関係が無ければ、こんな言葉は口から出ません。

 

今の日本は全く逆ではないでしょうか。

 

「知らない人は危ない…」

「隣に住んでいる人と話もしたことがない…」

 

デンマークには日本が無くしてしまった信頼関係がまだ残っているのか
もしれません。

 

家族、企業(会社)、地域、学校、自然、政治等との間に信頼関係が感
じられることがデンマークの一番の良さだという人もいます。

 

なぜ、この日本では信頼関係が無くなったのか…
(無くなりつつあるのか…)

 

もう一度信頼関係を取り戻すためにはどうしたらいいのか…

 

親も子供も行政も教師も政治家も一緒になって考える時が来ているのか
もしれません。

 

この国の社会が崩壊する前に…

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、ありがとうございました。