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粋なリフォーム

2023年08月26日
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今迄ブログの記事で様々なリフォームについてご紹介してきました。

 

高齢期を安心して生活できるように建築士が親の為にリフォームした家

 

定年後の居場所を確保する為のリフォーム

 

古くなった団地を高齢者用にリフォームしたケースもありましたね。

 

それ以外にも筆者は最近多く建てられている「高齢者住宅」の見学にも
時間をかけて調査をしてきました。

 

車椅子の生活になっても、生活の質が落ちないように考えたものもあり
ました。

 

少し贅沢ですが、集合住宅の中に住民がくつろげるリビングのような
共通スペース(コモンスペース)を設けたものもありました。

 

介護が必要になっても困らないトイレやお風呂とはどんなものか…

 

そんな疑問に答えるようなリフォームもありました。

 

今回の記事は、筆者が最近少し感心させられたリフォームについて簡単
にご紹介してみたいと思います。

 

それも今回ご紹介するのは独居の高齢女性の住まいばかりです。

 

多くのお金をかけて、老後の生活を豊かにできる「高齢者住宅」には
敵わないものの心と生活の質を豊かにしてくれるものかもしれません。

 

 

 

以前の記事でご紹介したリノベーション事例(浅川邸)
バリアフリーだけでなく、独りで食事も作業もできるところがあれば

 

 

家族と一緒に過ごす場を設ける

 

 

たいていの場合、まず旦那様が先立たれ、女性お一人が独居生活をされ
ているケースが多いのですが、居間や和室に仏壇が置かれています。

 

まずご紹介するTさんの住宅は、この仏壇が祭壇のようになっています。

 

2LDKの賃貸住宅(マンション)にお住いのTさんは旦那様の法事で集
まってくる家族の為にわざわざ家族が集まれる場所をつくっていたので
す。

 

リビングの横にある和室の襖(3枚)を取り払い、和室の奥の壁際に祭
壇をつくり、中央には旦那様の遺影を置き、その周りは花で飾られてい
ました。

 

6畳の和室とリビングの一角を使って、家族全員が集まり法事ができる
ように工夫(スペースを確保)されているのです。

 

子供さんが比較的近くに住んでいることもあり、お盆や命日以外にも家
族みんながここに集まり、旦那様の供養をしているのだそうです。

 

普段あまり使わないので、チョットもったいないと思いましたが、家の
中に家族一同が集まれるスペースがあるのはとてもいいものだと思って
しまいました。

 

表向きは旦那様の供養の為、でも本当はTさんが家族と過ごせる(交流
できる)場所なのです。

 

旦那様は、Tさんにうまく使われているのかもしれません。

 

ですからリビングには、テレビもソファーもなく広々としています。

 

Tさんは、玄関脇の洋室に生活に必要なベットやソファー、そしてテレ
ビを入れて、その洋室で生活をしているようでした。

 

独り暮らしをどう考える(捉える)のか?

 

一人を独りと考えるのか、実質独り暮らしを家族と住んでいるように考
えるのか、これは少し考えさせられました。

 

このマンション、高級住宅街の中で好立地というだけでなく、北棟と南
棟の二つの棟を結ぶスペースに昔はデイサービス(高齢者施設)があり
ました。

 

その為にこのマンションは高齢者の皆さんに人気があり、実際高齢者の
方々が多く住んでいます。

 

残念ながら、デイサービスは閉鎖となった為にサービスの質は落ちてし
まいましたが、好立地という面もあり、まだたくさんの高齢者が住んで
います。

 

高齢期の生活の質を少しでも上げていこうと考えておられる方々をみる
と、逞しさのようなものまで感じてしまいます。

 

 

以前の記事でご紹介したリノベーション事例(浅川邸)
家族やお友達と一緒にくつろげるスペースが自宅にあればいいですね
ここでは高齢のお母さんがご近所のお友達とお茶をするのだとか…

 

 

普通の団地、でも中は

 

 

もう一人ご紹介するKさんが住んでいるのは、築50年を超える高層団
地です。

 

外壁を中心に大規模リニューアルや耐震性強化を施してはいますが、
部屋の中に入ると、やはり古いというのは隠せません。

 

部屋の間取りも今風ではありません。

 

この団地、家賃がとてもリーズナブルなので、とても人気があります。

 

玄関はとても古いのですが、家の中は皆さんとても工夫をされています。

 

そんな中で、今回はKさん(高齢独居女性)の部屋を見せて頂きました。

 

団地の部屋の壁は、普通は白系統が多いのですが、この部屋は全く違い
ました。

 

玄関を入るとすぐに高級感のある綺麗な色彩のクロスが貼ってあり、絵
画がかけてあったのです。

 

玄関扉の外側は普通の団地、

 

でも扉を開けるとちょっとした高級マンションの雰囲気が漂います。

 

部屋の中もとても綺麗であることは、読者の皆さんも想像ができると
思います。

 

古い団地は人気がなく、入居者がなかなかいないのですが、この団地は
家賃の安さと好立地(とても景色の良い所にある)の影響ですぐに空き
家が埋まってしまうようです。

 

そんな条件もあってか、部屋の中を綺麗にリニューアルすれば、ただの
団地ではなくなり高級マンションの生活が実現できるのです。

 

団地の所有者も和室の洋室化や設備の刷新を進めています。

 

この団地ではないのですが、もっと郊外の団地では、壁を全て取り払っ
て2DKをワンルームとしてリニューアルしているところもあります。

 

子供がいて家族が多いと、自分の部屋を確保したい子供達の為に、部屋
数が必要なのですが、高齢期の一人暮らしであれば、部屋の区切り等は
不要です。

 

バリアフリーというだけではなく、壁や扉が無ければ、生活上の安全性
は上がります(怪我というリスクを低減できます)。

 

区切りたければ壁ではなく、カーテンやお洒落なパーテションで十分で
す。

 

安全性と生活の質を上げる為にも、高齢期の住まいにはリニューアルな
らぬリノベーションが必要なのかもしれませんね。

 

 

以前の記事でご紹介したリノベーション事例(泉北ニュータウン)
団地の狭い部屋がこんなにシンプルで機能的に変わります

 

 

贅沢しなくても

 

 

以前、関東にある大手ハウスメーカが運営する高齢者住宅に行ったこと
がありました。

 

都心から電車で30分程度と抜群の立地環境です。

 

高齢者住宅というと郊外の静かなところというイメージですが、ここは
全く違いました。

 

大きな駅からペデストリアンデッキを通って、その高級マンションには
雨でも傘無しで行けます。

 

駅前なので、商業施設や医療機関は近くに全て揃っています。

 

マンションに入ると、ホテル並みのフロントがあって防犯上も完璧です。

 

各階には共通のリビングスペースがあります。(筆者が見た時はどの階
も誰も使ってはいませんでしたが…)

 

麻雀や音楽等の活動サークルが使える部屋やパーティルーム迄あります。

 

屋上では、富士山を見ながら園芸や農作業ができるスペースがあり、
建物内部には大浴場(男女別でホテル並みの豪華さ)や食堂、フィット
ネスやカラオケルーム、そして散髪屋さん迄ありました。

 

ゲストルームも完備されていて、家族が来た時に使えるそうです。

 

このマンション、多くの高齢のご夫婦が入居されています。

 

部屋は狭く、専有面積は50㎡もありません。

 

ただ、室内で介護が受けられるしつらえや緊急通報システムが完備され
ていて、至れり尽くせりのサービスです。

 

でもこんなところに住める人は、極僅かな富裕層だけです。

 

こんな贅沢ができなくても、生活の質を上げることは可能なのです。

 

自分で考えて、高齢期の生活を上げていこうという意欲さえあれば、
それができるのです。

 

今回ご紹介した高齢の独居女性はいずれも80代です。

 

高齢になっても自分の人生の質にこだわり、努力をしている方々をみる
と頭が下がる想いです。

 

筆者も見習いたいと思います。

 

リフォームやリノベーションは賃貸の場合、退去時に原状復帰を要求さ
れる場合もありますが、長期に亘って住む場合は大きな負担にはなりま
せん。

 

壁のクロス(貼り紙)は、5年以上住めば結局汚れて、入居者が入れ替
わる際に、(オーナー負担で)貼り替えの必要性がでてくるからです。

 

どんな住居でも、出来る範囲で生活の質を上げていく。

 

特に高齢期には必要なことかもしれませんね。

 

ご興味のある方は、過去のリノベーション記事を読んでみてください。

 

記事内にある「検索」のところで「リノベーション」や「リフォーム」
と入力して頂ければ、関連記事を見ることができます。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、ありがとうございました。