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親子の関係

2024年03月09日
17

もう今年も3月に入りました。

 

早いものですね…

 

筆者もとうとう64歳になってしまいました。

 

昨日実弟の16回忌を済ませ、今日は早朝から仕事場である書斎にいま
す。

 

筆者の誕生日と実弟の命日は3月の上旬です。

 

そんな一息ついた朝、書斎の横にある庭に見かけない綺麗な小鳥が一匹…

 

ジョウビタキでした。

 

典型的な冬鳥で、冬の終わりと共にこれから北へ移動していくのでしょ
う。

 

もうすぐ春なんだなと感じてしまいました。

 

 

画像素材:Jim Mayes    ジョウビタキ(冬鳥) 
我が家の庭に現れた12種類目の鳥です

 

 

家族を証明する書類

 

 

先日、64歳から頂けることになった厚生年金の手続きに行ってきまし
た。

 

その際、ふっと思い出したのです。

 

「弟の年金は…(どうなったんだろう)」

 

相談してみると、死亡一時金なるモノを頂けるということがわかりまし
た。

 

その代わり、筆者と実弟の関係を第三者が証明することが必要なのだそ
うです。

 

実弟の16回忌を契機に押し入れの奥にある資料を引きずり出して、
昔の資料(実弟の部屋に合った資料)に久し振りに目を通しました。

 

部屋いっぱいに広がった資料と闘うことになったのです。

 

その中で、税理士さんにお願いして作成してもらった相続税の書類には、
ありとあらゆる書類が閉じられていて、少し驚きました。

 

(当時は)こんなに大変だったんだな…

 

思わず当時を思い出してしまいました。

 

実弟が生活していたアパートを片付けるだけで本当に一苦労でした。

 

当時は首都圏に単身赴任で、毎週末関西に戻って片づけをする…

 

そんなことが一か月近くも続きました。

 

「人が一人生きることは、こんなに大変な(凄い)ものかと」…

 

書類には様々なものがファイリングされていました。

 

親や実弟の死亡診断書から家族構成を示した書類迄たくさんあり、家族
とはこんな複雑なものなのかと関心させられました。

 

16年前を思い出しながら…時間だけが過ぎていきました。

 

今はたった独り、生き残ってしまいましたが…

 

昔は家族だったのだと…

 

親のことも思い出してしまいました。

 

親子とはどんな形をしているものなのでしょうか…

 

 

実弟の家の片づけは毎週週末でした。
高速バスで首都圏と関西を毎週往復する生活で大変でした。
綺麗な景色を眺めながらでしたが…

 

 

親子の関係

 

 

親(親族や関係者)による子供の虐待は後を絶たないようです。

 

親子とは何なのかと考えさせられます。

 

筆者は高齢者住宅の調査をしているので、様々な親と子供の関係を普段
から目にしています。

 

典型的な8050(9060)問題の親子

 

独居の親のところに定期的に子供が通い、できる範囲で子が親を気遣う
親子

 

遠方に住む子供が、月1回苦労して親のところに通う遠距離介護の親子

 

子供が親の近くに近居して、弱った親をサポートする近居型親子

 

親子関係は、様々な形をしています。

 

それぞれの親子に(特殊な)事情もあります。

 

高齢化と長寿化、こんな難しい社会になったのに、これからもっと難し
くなりそうなのです。

 

それは、この国の社会構造も影響しています。

 

何度か記事でもご紹介した「首都圏一極集中」がその要因にもなって
います。

 

高度経済成長の時期に田舎から都会へ移動してきた人(団塊の世代)た
ちが、これから大量に後期高齢者になりつつあるからです。

 

とても難しい時代に入ったとも言えるのです。

 

首都圏だけでなく、首都圏一極集中の弊害が、地方都市に住む高齢者世
帯にも影響を及ぼしていきます。

 

中央官庁や大企業の本社が首都圏に集中している影響で人が首都圏に集
中しているからです。

 

首都圏にある知名度の高い大学に学生が集中する為に、どうしても人が
首都圏に集まってしまうのは仕方がないことでしょうか…

 

(会社都合による)転勤が当たり前の時代は正しいことなのでしょうか…

 

首都圏ばかりに人が集まる影響は、首都圏以外の地域に暗い影を落とし
ていきます。

 

何処かに「家族」とか「親子」という大事なものが置き去りにされてい
るようにも感じています。

 

筆者は、超高齢化を迎えてしまったこの国と、この国(社会)の形があ
まりにもアンマッチになっている気がしてなりません。

 

そして、親子の関係もアンマッチを起こしているような気がするのです。

 

 

筆者も東京勤務が長かったので、よくわかります
首都圏と地方の違いが…とてもわかるのです

首都圏は、経済規模も社会インフラの質も、全てが恵まれています
だから人が集まるのですが、反面地域は衰退していきます

 

 

近居が一番

 

 

とはいいながら、社会の形がすぐに変わるとも思いません。

 

これから親と子供の関係はどうなっていくのでしょうか。

 

確かに親と子供が一緒に住むというパターンはそんなに多くはありませ
ん。

 

子供には子供の生活があるからです。

 

そんな中で、筆者がいろいろな世帯を見ていて、一番良いと思っている
形が、子供が親の近くに住む「近居」です。

 

(近居については以前の記事で取り上げましたので、ご参考にしてみて
ください)

 

「スープが冷めない距離」に親と子供が住む。

 

近居とは、そんな関係のことをいいます。

 

何かあれば、すぐに飛んでいける距離のことを指すのです。

 

今は、遠く離れて住む親と子供の為に、様々な見守りサービスがありま
すね。

 

大手企業や公共関連企業から中小企業まで様々な組織がサービスを提供
していますが、家族の見守りに上回るモノは一つもありません。

 

筆者もこの「近居」の関係にある親子を多く見てきましたが、他の親子
関係とは全く違います。

 

親子の会話を聞いていても、安心感が全く違うのです。

 

会話に中の「阿吽の呼吸」みたいなものを感じてしまいます。

 

子供からは「(頻繁に)親の顔を見れて安心(顔色やしぐさまで確認で
きますから…)」

 

親からは「何かあれば子供を頼れる安心感(できる限り頼らないように
はするものの…)」

 

「近居」以外の親子の皆さんも苦労して何とかやりくりをされています
が、「近居」の場合とは安心感が全く違うのです。

 

見守りサービスもいいのですが、この「近居」を提供するサービスもあ
ってもいいのではないかと感じてしまいました。

 

実際にUR(独立行政法人都市再生機構)には近居割というサービスが
あります。

 

企業にも近居転勤のようなものがあってもいいのかもしれませんね。

 

介護離職が深刻な問題に発展しそうな昨今、社員にも社会にも優しい制
度ができてくれば、社会とのアンマッチが解消されていくような気がし
ます。

 

そんな(超高齢)社会に優しい制度や仕組みがもっと出てくること期待
してみたいものです。

 

でも、そんな仕組みを裏金問題でモタツク政治家の皆さんに期待しても
望み薄かもしれませんね。

 

やっぱり、親子の関係を考え直すことから始めるしかないのかも…

 

日々、生きていくことだけで大変な状況ではありますが、何かの機会に
「家族」や「親子」の関係を見直す機会を持つことは大事なことかもし
れません。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、感謝申し上げます。