お一人様は気楽か?
この週末に、筆者の携帯に見知らぬ(携帯)番号から連絡がありました。
電話をとってみると、高齢独居女性のNさんの娘さんからでした。
今年で93歳のNさんには2人の娘さんがいます。
いつもは妹さんから筆者に連絡が入るのですが、今回は初めてお姉さん
からの連絡でした。
相談の内容は「暑さ対策」についてだったのですが、いつもお母様のこ
とを細かいところまで気にしておられるようです。
暑さ対策数々あれど、見た目にも冷たいスイーツも効果がありそうです
遠くに暮らしている関係で、様々なサポートを姉妹で連携して実施され
ています。
月1回の訪問(姉妹で、計月2回)
部屋の中には見守りカメラを設置
それでも心配事が多いようで、今は近くで高齢者施設を探しておられる
ご様子…
娘さん2人は、Nさんにとって “とっても” 頼りになる存在です。
お2人とも首都圏在住で、筆者とはほぼ同い年くらいです。
子育ては落ちついた頃とは言え、自分の家庭を守りながら遠方の親の介
護(サポート)は簡単ではありません。
ただ姉妹タッグを組んでサポートされている姿を見ると、いつも感心さ
せられます。
子供の力を借りることが難しい方が多い中で、Nさんはある意味羨まし
い存在なのかもしれませんね。
高齢になると、子供の存在はとても大きなものになるのかもしれません。
ただ、その子供を頼れない時代が近づいているのも確かなのです。
連日猛暑が続きます。 こんな時は涼しいところに行ってみたいですね
危険な暑さが続きます どうかお体ご自愛ください
生涯未婚率
国が担当大臣を設けて取り組んでいる「少子化」問題
かなり前(1990年代頃)から問題視されていながら放置され続け、
今頃になって大騒ぎになっています。
出生率ばかりがクローズアップされる中で、もう一つ気になる数字があ
ります。
それは「生涯未婚率」
様々な理由で未婚であることを考えると、ただ結婚しないということを
指すのではありませんが、少子化にもつながる一つの指標であることは
確かなようです。
以前の記事でもご紹介したことがありますが、
男性で4人に1人
女性は7人に1人
が生涯未婚という統計結果がありました。
そのデータが、最近(2022年)の統計で更に進んでいることが分か
ったのです。
男性が28.3%、女性が17.8%とかなり上昇しているのです。
このままでいくと2040年推計で、
男性が、29.5%(高齢化率とほぼ同じでもうすぐ3人1人は生涯未
婚)
女性も、18.7%(もうすぐ5人に1人は生涯未婚)
と、驚くべき数字になっています。
これでは、いくら少子化対策を頑張っても出生率は上がりそうにもあり
ません。
この生涯未婚率、筆者が結婚して子供を授かり始めた1990年代には、
まだ男女とも5%程度でした。
この生涯未婚率のカーブを急上昇させた理由の一つは、バブル崩壊に
よる経済停滞です。
特に男性に顕著な数値の上昇がみられるのです。
非正規の急拡大と収入の減少(伸び悩み)が大きな要因と考えられます。
この未婚率の急上昇、少子化よりももっと深刻な問題を引き起こしそう
です。
北海道でも猛暑日と聞くと、日本中どこに行っても暑さから逃げること
ができないようです クーラーが効いた部屋にいるのが安全かも…
頼りになる存在
バブルの崩壊が生み出した「就職氷河期時代」
この時代に社会に出たのは、この国の社会にとって希望の星ともいわれ
た「団塊ジュニア」たちでした。
大きな人口の塊であった、「団塊世代」の子供達である「団塊ジュニア」
たちも大きな人口の塊でした。
この「団塊ジュニア」たちが、結婚して子供を設けていれば、今頃は
「団塊ジュニア2」の子供達が大量に社会の中に生まれ、少子化はある
程度解消されていた筈です。
加えて言うと、「団塊ジュニア3」の塊へと続いていた筈なのです。
それが、「失われた30年」を放置してしまった結果、第3次ベビーブ
ームは生まれませんでした。
団塊ジュニアたちが、
経済的な理由で、
「結婚もせず(できず)」
「子供も設けることができなかった」
のです。
そして、(当然の結果ですが…)深刻な少子化が進行してしまいました。
「お隣の韓国よりはまし…」
なんていう笑い話は止めた方がよさそうです。
家族の良さは、持ってみなければわかりません
確かに苦労も多いのですが…でも頼りになるんです…
筆者が心配しているのは、(何らかの理由で)子供を持たない高齢者が
増え続けた結果、どのような超高齢社会になるのかという点です。
以前の記事でも書いたように、(元気だったのに急に亡くなる)PPK
(ピンピンコロリ)で逝ける人は僅かです。
殆どの高齢者が、(身体が)弱った状態を何年も(下手をすると十数年、
いや…何十年も)続けながら老後を暮さなければならないという現実が
あるということを理解する必要があります。
少し弱った時に高齢者施設に行く…
そんな簡単なことではないのです。
高齢者施設も(過去と比較しても)高額になりました。
(入居料や生活費を含めて)
お金が無いと入れないのです。
少ないお金で入れる施設は、入居待ちです。
それも10年以上も待たないといけない場合もあるそうです。
(そんなに待てませんよね…笑い話じゃないんだから…)
そんなことを考える時、やはり頼りになるのは家族(子供)です。
子供に迷惑を掛けたくないという気持ちは理解できますが、高齢になる
と子供の存在はとても大きいのです。
上記のNさんの場合以外にも、たくさんのケースを見てきた筆者だから
こそわかるのです。
施設より家族なのです。
随分と前に「遠くの親戚より近くの他人」という言葉がありました。
超高齢化社会になった今、
「近くの施設より遠くの家族(できれば近くの家族)」
「近くの施設より住み慣れた自宅と家族のサポート」
なのではないでしょうか…
避暑地の家族連れを見ていると、家族はいいなと思います
家族との関係性
様々な理由で家族との関係が疎遠な方も少なくありません。
ただ、家族はやはり特別な存在です。
自分が弱った時のことを考えて、子供に媚びるようなことはしたくない
という気持ちも確かに理解はできます。
ただ間違いなく自分にも老いはやってくるのです。
日本人は世界一長寿になり、なかなか死ぬことができなくなったのです。
そんな時代に生きる人間として、家族との関係性や社会との繋がりを
再構築しておく必要があるということになりそうです。
一旦疎遠になってしまっていても、努力は無駄にはなりません。
ちょっとした配慮や言葉遣いを変えるだけでも関係性は変わります。
小さな努力も積み重なれば大きな結果となります。
高齢期を生きる方々をたくさん見てきた人間として言いたいです。
「家族は大事にしましょう」…と、
(高齢になれば)我儘は控えておきたいものです。
きっと善意は、善意で返ってくると思っています。
60歳を超えたら、
自分の10年後と20年後をイメージしてみて、
老後の自分を真剣に考えてみること
をお勧めします。
そのイメージを元に家族や(地域)社会との関係性を見つめ直してみる
ことも大事なことかもしれませんよ。
そして、60歳を超えた親御さんをお持ちの皆さんにも、親御さんの
10年後、20年後をイメージしてみることを是非お勧めします。
きっと無駄にはならないと思います…
今回の記事は、週末にあった電話から考えさせられたことを記事にして
みました。
今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。