迷走するのは台風だけじゃない
台風10号が地元近畿地方に最接近しています。
遠く離れた関東や東海では大雨被害で大変ですが、なぜか家の近くは、
晴れて青空が覗いています。
この台風、最初は近畿を直撃する予想でしたが、九州の西を迂回した後、
九州、四国と横断した後、紀伊半島には上陸しないと思ったら、方向転
換して北上、
凄い迷走です。
西へ、東へ、北へと予想がつきません。
そして、もうすぐ熱帯低気圧に変るのだそうです。
筆者も60年以上生きていますが、こんなに迷走した台風を経験するの
は初めてです。
大体は南の海からやってきて、列島を縦に縦断していくのがいつものパ
ターンです。
最近の台風は、その規模も大きくなっていて、凶暴さも増しているよう
な気がします。
この迷走台風、各地に風と雨による甚大な被害をもたらしました。
川もこれくらいの流れだと気持ちがいいのですが、濁流だと怖いですね
被災地の方々の声を聞いても、
「過去にこんな酷い目に会ったことがない…」
という厳しい本音が聞こえてきます。
この国において、迷走しているのは実は台風だけではありません。
政治も地方自治も迷走しています。
そして経済も、そうです。
まるで、ジェットコースターに乗っているがごとく上がったり、下がっ
たり…
まさに迷走という言葉がピッタリです。
台風が来ていなくても、最近大気が不安定です
青空が少なくて黒い雲が多いですね 虹が出ていても不安です
空も迷走状態です (写真は自宅最寄り駅近くの様子です)
高齢期に襲ってくる迷走
政治や経済だけでなく、我々高齢期を迎えた人間にもこの迷走はやって
きます。
長い社会人生活を「我慢」と「辛抱」で耐え抜いた高齢期の皆さんに大
体は50歳を過ぎた頃からこの迷走の卵はやってきます。
長く勤めてきた会社に残るのか、それとも新しい道を選ぶのか…
新しい道を選ぶとしても、どの道を進むのか…
年金もらえる迄どうして切り抜けるのか?
等々…
と、試案する方々も少なくありません。
新しい道を選ぶにしても大変です。
結局、「我慢」と「辛抱」を続けなければならない人も少なくないのです。
これも迷走といえるのかもしれませんね。
でも、筆者は「良い迷走」と「悪い迷走」があるのではないかと考えて
います。
以前と比べれば、年金もらって後はノンビリ余生を暮らそうなんて思っ
ている方は少なくなったように感じます。
死ぬまで働くしかないという声も聞こえてきたりします。
ただ、いくつになっても目標(こんな人間になりたいでもいいと思いま
すが)を持つことは決して悪いことではありません。
迷走しても、
少しずつでもいいので、
その目標にベクトルを合わせていけるなら、
立派な迷走だといえるのではないでしょうか。
そう、迷走しても、しっかり目標が視界の中に見えている。
そんな生き方なら、結果的に迷走することになっても前向きになれそう
です。
筆者も企業を定年退職してから迷走していたのかもしれません(笑)
東京から地元の戻り、それから横浜→北海道→また地元兵庫県…
でも目標(なりたい自分)はしっかり見えています
(写真は北海道庁舎(旧館))
100歳まで働ける社会
なぜ、迷走してしまうのかというと、
高齢期になると働けない環境となる…
この国というか、この社会の文化・風土のせいだと筆者は考えています。
筆者が生まれた60年前のこの国の平均寿命は60代でした。
高齢期の方々は、働く必要はなかったのです。
少しの間だけ、子供のお世話になりながら…
そう、多くの方々は60歳代で、人生を全うしていたのです。
この60年で平均寿命は20歳近くも伸びました。
でも、20年も長く生きれるようになったのに、働く環境はそのままな
のです。
年金問題で雇用延長や定年延長を付け焼刃で実施しただけで、根本的に、
いや本質的に働く環境は何も変わっていないのです。
そこに大きな問題があるのに、この国や社会は何も変えることができず
にいます。
もし、100歳まで活躍できる社会が実現したらどうなるでしょうか。
100歳まで働ける社会になったらどんな社会になるでしょうか。
きっと、年金だけに頼る社会では無くなります。
いつまでも「我慢」と「辛抱」を続けなければならない社会にオサラバ
できるかもしれないのです。
100歳まで活躍できる社会
そんなの絵空事だよ…
と、思わないで、
それを真剣に考えることこそ、
この国を迷走から救う唯一の方法だと考えることから初めて見るべきだ
と筆者は考えています。
画像素材:いらすとや
100歳まで活躍できる社会が実現したら高齢者のイメージは変わります
弱った高齢者が減り、元気な高齢者が増えていきます
高齢者の皆さんがその保有資産を消費に回せば景気も激変します
そして新しい産業も生まれ、社会が激変します
迷走した台風は熱帯低気圧に変わり、消滅していきます。
ただ、その爪痕は被災された方々に残っていきます。
迷走する社会をどう変えていくのか…
それはとても大事なことだと思います。
高齢期の方々の心に深い傷跡を残すことがないようにしなければなりま
せん。
この国の社会がどのように変わっていけばいいのかを一人一人が真剣に
考える時期にきているような気がしてなりません。
今回の記事は、迷走して各地に大きな被害を残した台風10号と同じ形
で迷走するこの国の社会について考えてみました。
今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。