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高齢期の学びについて

2024年09月21日
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筆者の朝は、とても早いです。

 

午前4時30分には起床して、仕事の準備を始めます。

 

でも、それより早く活動を開始している方もいるのです。

 

まだ暗い中、スマホの光がまるで蛍のように家の前の公園を移動してい
きます。

 

といっても、決して幽霊等ではありません。

 

おそらく、ポケモンGOを朝から取り組んでいる高齢者の皆さんです。

 

朝の散歩であれば、安全の為にももう少し明るくなってから動き出した
方が良いと個人的には思っています。

 

 

せめてこれくらい明るくなれば危なくないのですが…

 

 

 

朝早い方が、レアなモンスターが手に入るのでしょうか?

 

筆者は、ポケモンGOをやったことがないのでよくわかりませんが(笑)

 

でも、ポケモンGOでも頭を使うことになるので、悪いことではなさそう
です。

 

電車の中でも、高齢者の皆さんがクロスワードや数字ゲームに取り組ん
でいる姿をよく目にするからです。

 

皆さん、認知症予防も兼ねているのだと思います。

 

親の介護等を経験すれば、ご自身に対する危機感は増幅していきますの
で、仕方がないことかもしれません。

 

いずれも、知的機能の老化防止にもなりますし、認知症予防にもなりま
すので、努力は無駄にはならないのでしょう。

 

但し、頭を使っているから認知症にならないとは限りません。

 

認知症の代表格ともいえるアルツハイマー型認知症は、脳を活性化して
いても罹患するそうです。

 

日本人に多い脳血管障害も、頭を使っていても発症します。

 

頭を使って勉強していても完全に病気を防ぐことはできないのです。

 

ただ、危険性を最小限に抑える努力としては有効といえるのかも…

 

 

以前に記事でもご紹介した「認知症」が逃げていく存在です
夢を実現させる為にも「学び」は大切なものかもしれませんね

 

 

 

高齢期の勉強は必要か?

 

 

 

日本における認知症患者数の推移値は、最新のデータで2025年に
約700万人となっているようです。

 

10年前の2015年度の推計値が約500万人だった筈なので、この
10年で200万人も増えた計算になります。

 

ここに認知症予備軍の数を足すと恐ろしい数になることは、誰もが認識
できるのではないでしょうか。

 

予備軍を入れれば、1000万人の大台に乗っていても不思議ではあり
ません。

 

ここまで認知症患者が急増するのは、以前の記事でもご説明した急速な
高齢化だけではなさそうです。

 

これからも高齢者の仲間入りをする方々が急増する(筆者もその一人です
が…)中で、学校を出てから勉強をしていない方が多いからだと筆者は勝
手に推測しています。

 

いや、仕事が忙しくて勉強なんて、そんな暇がなかった…

 

生きていくことだけで精一杯で、そんな余裕はなかった…

 

気が付けば、高齢者の仲間入りをしていたなんて方々も少なくないのか
もしれません。

 

以前の記事でもご紹介したように、この国では一旦学校を出ると学ぶ機
会がとても少なくなることは事実なのです。

 

 

以前の記事でもご紹介した図です 
外国は学びなおしの機会が多いことがわかります
働きながら学んでいることが多いのです
学ぶことはもっと自由であっていいと思うのですが…

 

 

 

その影響が、増え続ける認知症に繋がっている可能性は確かにあると感
じています。

 

もっと、高齢期からの学びがあれば…

 

かなり防げるかもしれないのですが…

 

 

 

脳の萎縮も影響している?

 

 

 

脳は加齢と共に萎縮していきます。

 

信じたくないのですが、縮んで小さくなるのです。

 

実は、脳の萎縮は30歳頃からもう始まっています。

 

そして、高齢者と呼ばれるようになる65歳くらいには、CTで見ると明
らかに縮んでいることがわかる状態まで萎縮が進みます。

 

この脳の萎縮、まず脳の前頭葉から始まります。

 

前頭葉は、思考や創造、行動等を司っているところです。

 

前頭葉が萎縮すると、感情のコントロールが難しくなります。

 

高齢になると怒りっぽくなる方が多いのもそのせいかもしれません。

 

加齢と共に確実に脳も衰えていくのです。

 

使わないとその機能はドンドン衰えていきます。

 

 

 

画像素材:PIXTA  使わないと脳も衰えていきます
できれば楽しんで学べればいいのですが…

 

 

 

勉強することで、脳の萎縮を遅らせることはできないようですが、脳全
体の活性化には確実につながります。

 

そして、学びにはもう一つ大きな利点もあります。

 

学びによって、免疫力を高めることができるという研究成果もあるので
す。

 

コロナの時代が到来し、ウイルスはとても身近な存在になりました。

 

以前の記事でもご紹介したように高齢になると、免疫力は落ちていきま
す。

 

そんな中で、少しでも免疫力を高めてくれる「学び」は大事なことだと
思うのです。

 

そして、

 

単純に認知症予防の為に学ぶのではなく、高齢期の学びには様々な利点
や効果があることを知っておきたいものです。

 

 

 

好きなことを学ぶのが一番

 

 

 

それでは、どんな勉強をすればいいのかというと、

 

「好きなこと(好きになれること)」

 

 

「新しいこと(挑戦できること)」

 

を勉強として取り組むことがとても良いという研究成果があります。

 

嫌なことや苦しいことでは効果が薄いのです。

 

高齢期の学びには強い見方も現れます。

 

それは時間です。

 

現役時代にはなかった時間…

 

が、あるのです。

 

以前の記事でもご紹介したように、長生きすれば、現役時代と同じくら
い自由に使える時間が生まれるのです。

 

以前にご紹介した図を是非ご覧ください。

 

 

 

 

この自由に使える時間を使って勉強することは、

 

「知的機能の老化防止(認知症予防)」「免疫力の向上」

 

だけでなく、人生を豊かにしてくれるかもしれないのです。

 

若い頃に出来なかったことでも構わないのです。

 

筆者が高齢者施設や地域の高齢者の集まりで勉強を教えている時に、一
番熱心に勉強に取り組んでいたのは、若い時に学校に行けなかった女性
が多かったのです。

 

大学に行きたかったけれど、経済的な理由で勉強できなかった人

 

若い頃、勉強したかったけれどできなかった人

 

高齢期は学ぶ大きなチャンスです。

 

残りの人生を有意義に使うか否かで、人生の満足度が大きく変わるかも
しれません。

 

朝早くからポケモンGOをするよりも、はるかに自分自身にフィードバッ
クされるものが増えるはずなのですが…

 

 

今回の記事は、高齢期の学びを取り上げてみました。

 

 

今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。