令和の米騒動に思うこと
お米の価格がまた上がったような気がします。
スーパーで販売されているお米の価格は5Kgが3千円台だったのですが、
また徐々に上がりつつあります。
そんな中で、
ようやくというか、
やっとというか、
政府の備蓄米が一時的に放出されるそうです。
政治家や官僚は高給取りばかりで困らないのですが、庶民の生活は物価
高で困窮しています。
その中での主食であるお米の価格高騰は非常に厳しいといわざるをえま
せん。
庶民の困窮する姿が全く見えていない証拠ともとれるこの対応の遅さに
は唖然とするばかりです。
備蓄米が小売り店舗に姿を見せるのは3月下旬になるとのことで、それ
まではまだお米の価格高騰は続きそうです。
ただ3月下旬になっても、どこまで価格が下がるのかは懐疑的なところ
もあるようなのです。
その理由は、この国に存在する「しがらみ」にあるようです。
筆者の自宅周辺は田園地帯 田んぼもたくさんあります
できるお米は酒米(山田錦)ですので、減反はありません
今回価格が上がって、生産者である農家の財布が潤ったかというと、そ
うではなさそうです。
元々農家の6割は赤字経営だったというデータもあります。
「これで、ようやく黒字になりそうだ」
そんな声も聞こえてきそうです。
そんな安堵の声に対して備蓄米を放出した場合、どこまでお米の価格が
下がるのか…
今度は下がり過ぎると困る人も出てくるわけです。
こんな時にも政治の(選挙)票が影響するから厄介です。
農家を支持層とする与党の族議員の皆さんに配慮するお役所は、消費者
よりも(票を持っている)生産者の利害を重視する傾向が強いそうで、
どこまで備蓄米を放出するのかは疑問だらけのようです。
それはそれで理解もできるのですが、票は庶民も含めて一人一票…
でも、政治家も官僚も、組織票の方が気になるようです。
ですから、米の価格高騰に対して十分な効果が出る量の備蓄米を放出す
るかについては、懐疑的な見方が少なくないのです。
こんなやり取りがあってのことなのか、備蓄米放出の決定を遅らせた要
因といえるのかもしれませんね。
こんな政治の「しがらみ」が大きな問題を引き起こしている要因にもな
っているのです。
お腹一杯ご飯が食べられない時代が来るのでしょうか?
戦時中でもないのに… このまま格差を容認していいのでしょうか?
少子化の本当の要因
国難ともいえる「少子高齢化」
国は少子化対策として巨額の資金を子育て支援に投入していますが、
その効果は全くといっていいほど現れてはいません。
それもその筈、少子化の本当の要因は子育ての大変さだけではないから
です。
確かに保育園不足や教育費は大きな問題です。
ただ、本質的な要因は今まで記事の中で述べてきたように、「格差の拡
大」にあると筆者は感じています。
非正規に代表される「格差の拡大」が、
若者に結婚することや、
子を持つことを
諦めさせたことが少子化の真の要因であると筆者は考えているからで
す。
企業には利益をもたらす非正規も、多くの若者の未来を奪っているとも
いえるのです。
大企業を中心に(選挙での)大きな票を動かす力がある企業が、利益を
確保する為に拡大させてきた「非正規」に少子化の本質的な課題が隠れ
ています。
(選挙での)政治票に配慮するばかりに、非正規は限りなく広がってし
まいました。
容認するのではなく、規制しなければならなかったのに…
とても残念ですが、
その結果が、この「格差社会」です。
そういった面では、前述の米騒動と同じ要因(しがらみ)が少子化にも
存在するのです。
子供の頃、ご飯の時間が待ち遠しくありませんでしたか?
今、食べられない子供たちが増えているそうです…
また先送りか?
この2つの問題は、いつ解決されるのでしょうか?
筆者の予想は、また「(問題の)先送り」です。
米の価格についても、備蓄米の放出は小出しに実施して、生産者と消費
者の双方から大きなクレームが出ない方向で調整がなされると考えてい
ます。
本質的な問題解決は先送りされることになりそうです。
そして、泣きを見るのは非正規で働く低所得者の皆さんになるのです。
こんな先送りの連続が、ボディブローのように庶民の希望を消していく
のかもしれません。
なぜ、先送りばかりするのでしょうか…
農業就業者の平均年齢は約68歳だそうです。
多くの高齢者によって成り立っていることがわかります。
10年に1回調査されるこの数値は、調査ごとに10歳上がっているそ
うです。
そのことが、何を意味するのかは誰もがわかりますよね。
新規就業者が殆どいないということなのです。
この問題も随分前からわかっていることです。
高齢化も少子化もかなり前からわかっていたことです。
なのに、
何も有効な対策を打ってこなかったから、この結果なのです。
全て先送りされてきたのです。
I地方創成大臣(現在の総理大臣)の話を聞いて作成してみた図です
先送りではなく、希望を生み出してこそ政治家ではないでしょうか
今から5年前の2019年の年末、
今の総理大臣が地方創成大臣をされていた時にお話しをお聞きする機会
がありました。
その時にお話しをお聞きした内容は、
・日本の人口は急速に減少する(特に地方は)
・少子高齢化が加速する
・農業の就業者の平均年齢は10年ごとに10歳上がる
・耕作地と海洋資源は豊富なのに活かせていない
地方を中心に人・モノ・金の循環ができていないので、人がモノと金を
生み出す循環が重要であると熱弁を振るっておられました。
農業の担い手がいません。
非正規では大きなお金を生み出すことはできません。
・・・・・・
問題を先送りばかりしていては、良い循環は生み出せませんよ…
そうですよね、I総理大臣…
今回の記事は、令和の米騒動について考えてみました。
そして、その中で見えてきたこの国の「しがらみ」について書いてみま
した。
いつも、そのしがらみの被害を受ける弱い立場の庶民をどう救えばいい
のでしょうか。
やはり、先送りをしないで問題解決ができる政治家が出てこなければ、
この国は良くなりそうにありません。
そんな勇気ある政治家の出現に期待しながらも、今回の記事を終わりに
したいと思います。
愚痴のような記事に最後までお付き合い頂き、本当に感謝申し上げます。