首都圏が危ない2
仕事の打ち合わせで東京へ…
1か月ぶりに東京駅に降りると凄い風でした。
風を避けて、地下鉄で新宿へ…
新宿の駅を降りて、地上に上がると今度は半端なく寒い…
戻り寒波の影響で雪がちらつくほどの寒さです。
やっとの思いで打合せ場所の超高層ビルの中へ…
表の寒さがウソのように暖かい…
ほっと一息ついて打合せ場所の28階へ…
窓から東京都庁を始め新宿の摩天楼群を見ると、やっぱり東京はでかい
なと思ってしまいます。
東京の新しい顔となった東京スカイツリーとその周辺
上から見下ろす街には人が一杯です。
駅から打合せ場所までの歩道も、ビジネスマンで溢れかえっていました。
午後3時過ぎなのに、持ち帰り牛丼や弁当をいれた袋を持つビジネス
マンも多い。
今からお昼ご飯なのでしょうか?
とにかく活気があって、人が多い…
さすが、日本の中心ですね。
打合せの後、宿泊先まで電車で移動しました。
最寄り駅の駅前にあるスーパーに立ち寄ると、先ほどの新宿の街とは
全く違う風景が広がっていました。
店内にいる客の殆どが高齢者でした。
仕事帰りのビジネスマンでごった返す店内を避けてか、早い時間帯に
買い物を済ませたい高齢者の皆さんで混雑していました。
仕事帰りの皆さんが来店する頃には、値引きシールも貼ってあって、
安くで買い物ができるのですが…
きっと店内が混雑しない時間帯に買い物を済ませたいのでしょう…
画像素材:フォトサリュ 東京都庁も寒そうです
そこから少し歩いたところにある別のスーパーの入り口では混雑が…
何か特売でもしているのかと思いきや、両手に杖を持った高齢女性が
店内に入る際に時間がかかっていたことが混雑の原因だったのです。
歩くのに時間がかかる為、仕方がありません。
この女性、横断歩道を青信号の内に渡り切ることは不可能です。
いや、これからこんな高齢者がドンドン増えていくことになるのです。
以前の記事(2019年4月)に今回と同じタイトルで投稿をしたこと
がありました。
その中で、首都圏の高齢者の数が300万人を超えたと書きました。
それから6年、高齢化の進展と共に更に高齢者の数も増えています。
今はどれだけ増えたのでしょうか。
300万人と簡単にはいえません。
人口が300万人以上いる都市は横浜市しかないからです。
日本で一番人口の多い横浜市は高齢者対策先進都市としても有名です
ランキング2位の大阪市でも約280万人です。
それとほぼ同じ数の高齢者が住む首都圏…
ビジネス街では若者が多く活気があるのですが、街の裏側を見ると高齢
化の深刻な影が広がっています。
以前の記事では、医療を受けることが難しくなることを中心に高齢化の
難しさを記事にしてみましたが、課題は医療だけではありません。
上述の高齢女性も歩行不可能となれば高齢者施設に入ることになります。
高齢者施設は都市圏を中心に確かに増えました。
ただ、そこで働く介護職員は依然として大きく不足しています。
量はあっても、質の問題もあるのです。
施設に入っても幸せになれるのかはとても疑問です。
首都圏は、日本一社会インフラが充実した地域です。
駅等では、バリアフリーも徹底されています。
ただ、その社会インフラは高齢者対応されたものばかりだとはいえませ
ん。
高齢者の数が半端ない首都圏で、これからどんなことが起きるのか予想
もできません。
画像素材:フォトサリュ
首都圏で、東京で、これからどんなことが起きるのでしょうか…
社会的責任
社会インフラばかりに頼っても課題は解決しないかもしれません。
筆者が地元での仕事で神戸に向かう時は、地方の私鉄を使っています。
住んでいる街から神戸の街を結ぶ路線ですが、朝のラッシュ時も東京の
ように混雑することはありません。
隣の人と身体が当たるなんてことはないのです。
その通勤電車でよく車椅子の男性と会います。
この男性、乗車する時も降車する時も、駅員の補助があるのです。
車椅子が電車の入り口でスムーズに乗り降りできるようにプレートを敷
いてもらって乗り降りしています。
毎日、乗車する時間も、降車する時間も決まっているので、駅員がサポ
ートできているようです。
この私鉄、ローカルゆえに全ての駅に駅員がいるわけではないので、
サポートするにも大変なのですが、毎日忘れることなく駅員が補助し
ています。
筆者が利用している地方電鉄の人気車両(現役最古のシリーズ)
ボディの敗色が初代ウルトラマンと同じなので「ウルトラマン電車」の
愛称で親しまれています
小さなことかもしれませんが、とても立派な活動だと思います。
どの鉄道会社も事前申請がある場合は、同様のサービスをしているよう
ですが、高齢者も含めた障害を持つ人が多い場合、サポートするにも限
界があります。
首都圏では、後期高齢者となった団塊の世代の皆さんが、これから身体
機能が低下していきます。
それも他の地域では考えられないような多くの方々が…です。
そんな中で、どのようなサポートが必要になるのかということを考える
と、頭が痛くなりそうです。
そして、その数を考えるとサポートが、容易なことではないことも理解
できます。
企業の社会的責任(CSR)だけに頼っていいのか…
そんな難しい状況が、もう目の前まで迫っているのです。
首都圏の一極集中が問題にされて、もう結構時間が経ってしまいました
ね。
東京直下型地震が来たらどうするのか…
首都圏ばかりに人が集まり、地方は衰退するばかり…
地方の若い女性や学生が東京に吸い寄せられていることが地方衰退を加
速させている…
随分と前から首都圏一極集中は批判されてきました。
でも、一向に変わる気配はありません。
ただ首都圏の高齢者の塊が、これからどうなるのかを考えると、少し怖
くもなります。
今まで繁栄を謳歌してきた首都圏が、高齢化のツケを払わされることに
なるかもしれないからです。
それもどうなるかは、2025年以降の約10年でわかるのです。
この大きな問題を首都圏の自治体と国は解決することができるのでしょ
うか?
今回の記事は、東京への出張で感じたことを記事にしてみました。
今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。