多死社会とはどんな社会か
少子化ばかりがクローズアップされていますが、その反面で以前の記事でもご紹介した多死社会が現実になりつつあります。
多死社会…
超高齢化の次にやってくるのは多死社会です。
後期高齢者となった団塊の世代の皆さんが、この社会からいなくなってしまう時期がこれからやってくるのです。
そう、人口の塊が消えてしまう時期が近づいています。
(女性と比べて)寿命の短い男性軍が先行して…
そして、
たくさんの女性単身高齢者世帯を生みながら、女性軍も10~20年後に男性の後に続くことになります。
その際に必要になってくるのが、お葬式です。
エンディングノートというのが少し前に流行りましたが、実際に自分の葬式のことを考える必要がある方が、爆発的に増えることになるのです。
そうなると、大変なことが起きる可能性が出てきます。
もう10~20年すると、お葬式ができないなんてことになるかもしれないからです。
高齢化が進んだ都市の郊外では、自治体の火葬場が順番待ちになることも予想できるからです。
特別養護老人ホーム(特養)に入る時のように順番待ちになるかもしれない…
ちょっと想像するのが難しいですね。
そんな中、お葬式の形も大きく変わろうとしているようです。
あの世とはどんなところなのでしょうね…
どんな空が広がっているのでしょうか…
家族葬が当たり前?
昭和の時代、街中で幅を利かせていた建物がありました。
それは、「結婚式場」と「告別(式)ホール」
それも殆どが大規模な施設でした。
結婚式場は、王宮や御殿のような豪華な造りのところが少なくありませんでした。
豪華なゴンドラに乗って新郎新婦が下りてくる…
そんな結婚式場に憧れた女性も多かったと聞きましたが、豪華な造りの結婚式場も結婚式とともに姿を消していきました。
告別ホールはというと、街中から郊外へと移動した上で、規模が小さくなってしまいました。
テレビのCMで「小さなお葬式~」なんていうフレーズをよく耳にします。
大規模な告別ホールが姿を消しつつあるのです。
その背景には、以前のような大規模なお葬式がなくなり、小規模なお葬式が増えたことにあります。
筆者の現役の頃は、社員や社員のご家族にご不幸があった場合、会社をあげてお葬式の支援をしていました。
参列者がゆうに数百名を超えるような告別式が普通だったわけです。
ところが21世紀になった頃から少しずつその形が変わっていきました。
ご不幸を聞きつけてご連絡すると、
「家族のみで葬儀を行います…」
こんな寂しいメッセージが返ってくることが増えていったのです。
これには個人と社会との関係性の変化があると、筆者は考えています。
特に社員と会社との関係性は大きく変わってしまいました。
以前のように定年まで会社で働き続ける人が減ってしまったからかもしれません。
以前の記事でもご紹介したように、早期退職や希望退職のようなものが横行するようになり、社員と会社との関係性は極めて希薄になってしまいました。
そこに加えて、非正規社員の急拡大が社員と会社との絆を弱めていきました。
ようするに、 “社縁” の崩壊です。
そして、都会のタワマンや自治会の解体に象徴されるように、
“地縁” も同じように崩壊していった結果、
告別式への参列者が激減していったのではないかと考えることもできそうです。
葬儀に参列した社員同士で、故人を偲ぶような場も無くなってしまったわけです。
少し寂しい気がしますね…
タワマンは富裕層のシンボルのようなモノなのかも…
でも、地縁も含めて「縁」は人生に不可欠なモノのような気がします…
お葬式も無くなっていくのか
そんな大きな変化がある中で、更なる変化も起きつつあるようです。
なんと最近は、告別式もないケースが増えているらしいのです。
「直葬」というものが存在するそうです。
筆者は知りませんでした。
通夜や告別式等の儀式は一切行わず、自宅や安置所から遺体を直接火葬場に運び、火葬する形式の葬送を「直葬」というのだそうです。
火葬場に家族と僧侶が参列して、短い読経の後に荼毘に付されるようです。
「心を込めて亡き人を見送るという信条と反する」
「二度と受けない」
と、心に決める僧侶の本音のような気持ちが理解できるような気がします。
このような形式が広がりつつある背景には、経済的に厳しい世帯が増えていることがあるのかもしれません。
最近は、葬儀業者が広告内容とは違う高額な費用負担を要求して、トラブルになっているケースもマスコミに報告されています。
自分のお葬式に高額な費用がかかり、残された家族に負担をかけたくないと思う人も少なくないと思います。
そして、(業者との)無意味なトラブルに嫌気をさしている方々も少なくないのかもしれませんね。
画像素材:フォトサリュ
空から手を差し伸ばされているような感覚の雲です…
そういう意味では、よくよく考えるとこの直葬、時代に合致している面もあります。
以前の記事でも度々ご紹介してきたように、結婚をせず生涯家庭(家族)を持たない人が増え続けています。
少子化にも影響を与えているこの現象を考えると、こんなエンディングもあるのかもしれないと筆者は感じてしまいました。
でも、この未婚者を増やしている要因の一つでもある非正規雇用、このまま本当に放置しておいてよいのでしょうか…
非正規ゆえに結婚もできず、子を設けることを諦める方々がいることを良しとするのでしょうか…
この国は、もうすぐ多死社会を迎えます。
エンディングノートのような細かいことをなかなか決めかねている方も、自分の葬式のことぐらいは考えておいていいのかもしれませんね。
筆者も、直葬のこと検討してみたいと思いました。
死ぬ時くらいは、静かに心穏やかに旅立ってみたいと願うばかりです。
今回の記事は、この国にもうすぐやってくる多死社会について考えてみました。
今回の記事も最期までお付き合い頂き、感謝申し上げます。




