社会の中核
急に寒くなった12月の初旬、また大きな地震がありました。
東北と北海道で大きな揺れに見舞われただけでなく、また津波警報が発令されました。
高台への避難を余儀なくされた方々の姿を見ると、心が少し重くなってしまいそうです。
以前の記事でも、この国で生きていくことの難しさを書いたことがありました。
「少子高齢化」×「自然災害」×「新型ウイルス」
国難ともいわれる少子高齢化に、自然災害の多発…
そして、世界規模のパンデミック…
5年前、2020年は本当に大変な年でした。
新型ウイルスであるコロナウイルスの危機が去った今、今度は新たな脅威でもある物価高が庶民に襲いかかっています。
「少子高齢化」×「自然災害」×「物価高」
難問が一つ無くなっても、また新たな難問が現れるようです。
ホッと息つく暇もないとはこのようなことを指すのかもしれませんね。
自然災害は、以前の記事でグラフ化したように20年前くらいから増加傾向にあります。
これから先このグラフはどのような形になっていくのでしょうか…
地球温暖化の影響もあるのでしょうか…
上記のグラフを見てもわかるように、年々激甚災害級の水害が増えているようです。
加えて地震災害もほぼ毎年のように起きるようになりました。
20世紀には、十数年や数十年に1度のレベルだったものが、
ここ10年で激甚災害級の地震が発生しなかったは、僅かに3年(2015・2017・2020年)のみです。
毎年どこかで大きな地震が起きると考えた方がいいのかもしれませんね。
今回の地震で首都圏に住む息子に注意喚起をしたら、
「地震はいつ、どこで、起きるかわからないので親父も気をつけてね…」
と、逆に窘められました。
確かに息子のいう通りです。
そんな時代に生きていることを自覚するしかなさそうです。
油断しないことが大事なことかもしれませんね。
確かに、
「災害は忘れた頃にやってくる」
と言いますから…
30年前に起きた大震災で徹底的に打ちのめされた筆者の地元でも、災害に対する意識が薄れてきているような気がしてなりません。
以前の記事でもご紹介したように、常にイマジネーションを働かせることが重要なのです。
非常食も賞味期限があるのです…チェックする必要がありそうです
廃業ラッシュ
自然災害が多発している上に、物価高で生きづらい世の中になっています。
生きづらさを感じているのは、庶民だけではなさそうです。
最近、街中で様々な「廃業」が増えているようなのです。
前述の(東京に住む)息子から、昨年通っていた近くの開業医に行ったら、医院がもぬけの殻でどうも廃業したみたいだと聞きました。
せっかく、地域でかかりつけの病院を見つけたのに残念です。
でも、東京のように人が多いところでも医院が廃業するのか…
少し驚きました。
実は筆者の自宅の近くにある内科医も、今年突然廃業してしまいました。
前触れもなく、
「〇月〇日をもって閉院いたします」
「地域の医療を守るために後任の医師を探しておりますので、しばらくお待ちください」
こんな貼り紙が医院玄関に貼りだされてから半年が経ちましたが、気が付けばその貼り紙もいつの間にやら無くなっていました。
町の中に、内科医が2軒と歯科医が2軒あったのですが、内1軒が廃業したことになります。
街開きとともに開業したこの内科医は、父親の代から息子の代にバトンタッチされた地域にとって貴重な中核施設でした。
地域社会の貴重なインフラでもあったのです。
街の中には、約2千5百戸の住宅があり、その殆どが高齢化していることを考えると、地域医療が無くなっていくという課題は重すぎるような気がします…
地域住民にとって、町のほぼ中央に位置するスーパーの横にあってとても便利な存在でした。
筆者もコロナワクチンを毎回この医院で受けていました。
それが何の前触れもなく閉院…
開業医の閉院の理由の一番は、医師の高齢化と後継者不在だということです。
この病院、院長(息子さん)もまだ若く、高齢を理由に閉院するのではなさそうです。
物価高と診療報酬のバランスが取れなかったのでしょうか…
街の皆さんは大きな病院の方が安心で、来院者が少なかったのでしょうか…
いろいろな理由はあるのでしょうが、少し複雑な気分です。
これから深刻な高齢化に見舞われることが予想できるこの街で、病院が一つでもなくなるのは痛手としか言いようがありません。
それも中核病院である市民病院の閉鎖・移転が決まっている中でです。
大きな病院ではなくても、地域(街)にとっては大事な存在だったのです。
筆者が東京にいた時に通っていた病院です…とても大きな病院なのですが…最近新しい建屋が完成して規模が更に大きくなっています
都会は大きな病院がたくさんあるのに、地方は医療機関がドンドン縮小していきます…
最近他にも、こんな地域の中核的な存在が姿を消しつつあるようです。
高齢者が頼りにしている訪問介護事業者もその一つです。
物価高で人件費も高騰…
そんな中で、構造的な低賃金の介護事業者は、人の確保もままなりません。
医療や福祉以外にも暗い影は忍び寄っています。
不況にも、コロナにも強かった下町のシンボルでもある町中華の閉店も相次いでいるようです。
家族経営ゆえに低利益でも生き延びてきた町中華にも、この物価高はかなり堪えるようです。
我慢にも限界があるのでしょうか…
写真は地元の市民ホール 人口が増加している時には大きな箱モノがたくさんできました…
でも人口が減少し、高齢化で財政難になると行政サービスの質も落ちていきます
「少子高齢化」による財政難は、自治体にも暗い影を落としています。
市民センターの相談窓口も閉鎖や常設から仮設(時々運営)への切り替え…
行政のサービスレベルの低下は、急加速しているように見えます。
「物価高」による人件費の高騰も、地域社会への影響が少なくないようです。
そして、影響は交通機関にまで…
最寄りの駅は、12月から無人駅へ…
特急券の販売や旅行の手続きは、新しく設置された券売機へと変更されました。
おまけに駅の中のゴミ箱は全て廃止…
ホームにゴミ箱は設置されているものの、上部はテープでガンジガラメ…
そこに書かれた「使用禁止」の文字だけが寂しく佇んでいます。
お陰でホームにも通路や階段にもゴミが散乱しています。
ここでもサービスレベルの低下は、予想以上に進んでいました。
小さな駅ではなく、近隣には大学や高校があり、ニュータウンからの利用客もそれなりの数になるのですが…
駅で(高齢者を中心に)急病人が出たら、どのように対応すればいいのでしょうか…
電鉄会社は利益優先で、サービス業であることの自覚すら無くなっているのではないかと危惧してしまいます。
地域を支える「人」の姿がどんどん姿を消していくようです。
地域社会を支える中核的な存在が無くなった上で、大きな「自然災害」が起きたらどうするのでしょうか…
とても不安になってしまいます。
「少子高齢化」×「自然災害」×「物価高」
個別に対策を考えるより、この難題を総合的に考える時代になっている筈なのですが…
地域社会の中核(機能)が、ドンドン脆弱になっていくようで心配です。
神戸市役所の展望デッキから隣接する(毎年慰霊祭が行われる)公園を望む…この公園の地下には慰霊と復興のモニュメントがあります
筆者が住む町も1995年1月17日に大きな地震に襲われました。
あれから30年…
いつ来るかわからない自然災害…
医療体制や高齢者支援体制等を中心に、地域の中核機能の整備が求められているような気がします。
それなのに、現状は逆行しているようにも感じてしまうのは筆者だけでしょうか…
全てが自助努力では悲し過ぎますね…
今回の記事は大きな地震をきっかけに、地域社会の中核的な存在が持つ重要な機能について考えてみました。
読者の皆様の住む町はどうでしょうか?
地域社会の中核となる存在は元気でしょうか?
自然災害が多発する時代に、こんなことを考えることは無駄にはならないような気がしました。
今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。







