命を預かる
今日は(2026年)1月17日です。
あの大震災(阪神淡路大震災)から31年…
記憶の隅には、まだあの時のことがハッキリと残っています。
地震から数か月は大変な日々を送ることになりましたから…
その厳しかった記憶が風化しそうになった時に、今度は東日本大震災が起きました…
それ以降も、以前の記事でもご紹介したようにほぼ毎年大きな自然災害が起きるようになりました。
今年こそは、大きな自然災害が起きないでほしい…
そんな願いも空しく、新年早々中国地方で大きな地震が起きてしまいました。
それ以降も、やや大きな地震が各地で続いています。
久しぶりに耳にする「緊急地震警報」の警告音…
心臓には良くないですね…
いつどこで、激甚災害級の地震が起きても全く不思議ではない状況が続いているのです。
大きな地震が起きると、それまでの生活が一変してしまいます。
そして、その影響は記憶と共に続いていくのです。
写真は、神戸港震災メモリアルパーク
震災当時の状況をそのまま残してあります 傾いた照明塔と破壊された岸壁 地震の凄絶なパワーと衝撃の大きさを物語っています
目に焼き付いた光景
31年も経ったにもかかわらず、当時の状況がまだ目の奥に焼き付いています。
大きな揺れの後、火災に見舞われた長田(神戸市長田区)の街を見た時は絶句してしまいました。
子供の頃、よく見たゴジラの映画そのものだったからです。
ゴジラが街を踏み壊した後、口から炎を出して焼き払う…
そんな光景が目の前に広がっていました。
やっと動き始めた電車の車窓から見つめる街の姿に声が出ませんでした。
新長田駅の近くにある公園に設置された震災復興モニュメント 「鉄人28号」 ”地震になんて負けてたまるか” そんなメッセージが託されているかのようです…
よく帰宅時に買い物をした御影(神戸市東灘区)の街も悲惨な状況でした。
何とか倒壊を免れた建物をよく見ると、1階と2階の境で大きくズレていることがわかりました。
とても住める状態ではありませんでした。
よく利用していた駅の駅舎は、倒壊後火災に見舞われ、原型がわからないほどでした。
「何も悪いことなんてしていないのに…」
「なんでこんな酷い目に遭うんだ…」
街を見ながら歩いていた時、涙がこぼれてきたことを今でも覚えています。
街が落ち着きを取り戻した後も、問題は無くなりませんでした。
震災復興住宅では、震災後に高齢者を中心に孤独死が多発したのです。
震災当時、この国の高齢化率はまだ20%に届いてはいませんでした。
30%になろうとしている今、同じくらいの震災が起きれば、災害後の孤独死がどれほど発生するのか…
そう考えると少し恐ろしくなります。
2年前に発生した能登半島地震では、今も震災関連死が後を絶たず、その勢いは止まってはいません。
発災時だけでなく、災害の影響は長く続くのです。
避難生活が長引けば長引くほど、精神的・肉体的負担は大きくなっていきます。
これが自然災害の本当の恐ろしいところなのかもしれません。
長田の街は綺麗に生まれ変わってはいますが、人々の心の傷は癒えていないかもしれません…
命を預かる身
発災時の状況は、以前の記事でもご紹介したことがありました。
地震の前年に、神戸の街から今の家に引っ越してきたばかりでした。
六甲の山を越えただけで、被害の大きさは全く違い、辛うじて助かることができました。
大きな地震を経験したことがなかった筆者は、生まれたばかりの娘の命を守るだけで精一杯でした。
当時、同居の家族は、嫁と娘と義母の3人のみでした。
守るべき命の数は、まだ少なかったのです。
その後、子供の数が増え、
そして、子供たちも大きくなり、
結婚して孫たちが生まれました。
家族がいつの間にかドンドンと増えていったのです。
そう、守るべき命の数が増えた…
年長者となり、まさに「(たくさんの)命を預かる身」になったのです。
自然災害が起きた時の役割りが増え、責任が重たくなったと感じています。
この感覚は、大昔から大きな自然災害に見舞われてきたこの国の人間の遺伝子に組み込まれたモノなのかもしれません。
(自然災害が起きた時に)何をすべきなのか…
以前の記事でもご紹介したように、イマジネーションを働かせることが大事なのです。
神戸メリケンパークにあるモニュメントに刻まれた「1.17」
大事なことは語り続けること、そしてイマジネーションを働かせること… 今年も犠牲者への鎮魂と復興・再生のシンボルである神戸ルミナリエの準備が進んでいました(写真左)
命の重さを考える
お正月早々、大きなニュースは地震だけではありませんでした。
米国が南米のベネズエラに侵攻したことは、世界中に大きな衝撃を与えました。
米国は麻薬の密輸等の正当な理由を並べてはいますが、結局は石油の利権を狙ったモノだと報道されています。
中東イラク戦争の時も、イラクが大量破壊兵器を保有しているという話だったのですが、結局はその兵器は見つかりませんでした。
この時も、石油や兵器の売買という利権が絡んでいたことがわかっています。
米国は、今度はイラクの隣国でもあるイランに介入の姿勢を見せています。
いろいろと考えていくと、陰には米国と中国の覇権争いがチラついて見えてきます。
難しい裏の問題があることは理解ができるのですが…
ただ、どんな理由があろうとも、結果的には民間人も含めてたくさんの犠牲者が出てしまいます。
覇権を狙ってウクライナに攻め込んだロシアも泥沼にはまり込み、ロシア軍人の戦死者はもう既に25万人。
死傷者という枠で表現すると、なんと95万人だそうです。
とても大きな数字で驚きますが、戦争を続ける限りこの数字は今後も増えていくのです。
この数字、この国の指導者の皆さんにもよく理解してもらいたいものです。
自然災害だけでこんなにたくさんの犠牲者が出ているのに、今度は紛争に巻き込まれて、更なる犠牲者を生まないように…
ベネズエラやイラン情勢によっては、窮地に立たされた中国が台湾に攻め込むなんてことにならなければいいのですが…
新年早々明るいニュースがなく、反対に心配事が増えてしまいました。
自然災害に紛争
こんな時だからこそ、命の大切さを考える必要があるのかもしれませんね。
今回の記事は、自然災害に加えて世界中で起きる紛争を心配するおじいちゃん(筆者)の気持ちを記事にしてみました。
1.17
こんな時だからこそ、
たくさんの命を預かる身として、自分に何ができるのかを考える時間にしたいと思います。
政治家の皆さんには、大国の論理に従うのではなく、国民の命を守る為にどうすればいいのかを冷静に考えて欲しいと切望するばかりです。
自然災害が多く、庶民が苦労を強いられてきた国だからこそできることもあるのではないでしょうか。
今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。
<編集後記>
大震災から31年、今年は震源(淡路島北部)から50Km離れた西宮市の仁川というところに足を運びました。
震災では、神戸の街を中心に家屋の倒壊と火災によって多くの命が失われました。
ただ、家屋の倒壊や火災以外にも人々の命を奪うものがあったのです。
東日本大震災のように津波の被害はありませんでしたが、大きな揺れによって発生した「地すべり」によって尊い命が犠牲になっています。
兵庫県西宮市百合野地区 地すべりによって崩落した土砂は仁川を覆いつくしました
地震の揺れによる家屋の倒壊は免れたのに、山の斜面が崩落したことによって、家屋が土砂に飲み込まれたのです。
土砂は13戸の家屋とともに34名の命を奪いました。
震源から遠く離れていても、災害は起きるのです。
この災害の記憶を語り続ける為に、兵庫県は「仁川百合野地区地すべり資料館」を設置していて、筆者も今回訪問させて頂きました。
説明員の方に丁寧に説明を頂き、崩落の主な原因が地下に溜まった地下水であったことも教えて頂きました。
震災で人の命を奪うものは、家屋の倒壊、火災、津波以外にもあるのだということが理解できたのです。
日本の国土に占める山地の割合は75%もあります。
この国の地形は起伏に富んでいて山ばかりだといえます。
1億人以上の人間が平地にだけ住んでいるわけではないのです。
海の近くは津波が怖い…
でも、山の近くでは土砂災害もあるのです。
大きな地震が来た時、自分の住んでいる(滞在している)ところでは、どんな災害が起きうるのか…
イマジネーションを働かせることが大事なのだと改めて感じました。
仁川の駅から20分以上も川沿いに歩かなければならないのですが、お近くにお住まいの方は是非この資料館で学んでみてください。(注:駐車場はありません)
資料館の山側には地すべりを再発させない仕組みが施されています
ネット地図にも資料館がマーキングされています。
きっとイマジネーションを働かせる訓練になりますよ。
筆者は資料館見学の後、1.17を風化させてはいけないと強く思いました。
震災で徹底的に打ちのめされた神戸…
やっと元気を取り戻したようにも見えます。
いつまでも美しい港町の姿であってほしいと願うばかりです。
長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。








