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認知症は全てを冷ます

2026年07月19日
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大学生が夜間に歩いている高齢者を保護し、遠く離れた警察署に高齢者を車で送り届けたとして、感謝状を受け取ったそうです。

 

高齢者が「長時間歩いている」と話したことから認知症だと判断したようです。

 

簡単なようでなかなかできないことだと思いました。

 

 

夜間での徘徊はとても危険です… 自分の家に居ることがわからない状態は健常者には理解できにくいかもしれませんね

 

 

 

認知症はこのような徘徊だけでなく、様々な症状が出ることが知られていますが、こんな大きな事案だけではないのです。

 

先日も仲良し数人の女性グループとの面白いやり取りがありました。

 

「お昼にコーヒーを飲んだから3時のおやつは日本茶にしてね…」

 

そして3時のおやつの時間になると、

 

「なぜ私たちはコーヒーじゃなくて、日本茶なの…」

 

・・・受け答えにとても窮する状況に陥ります(笑)

 

認知症による症状は、大きいものから小さなものまで本当に様々です。

 

でも、本人は自分が認知症だということを自覚していません。

 

そこが認知症の難しいところなのかもしれませんね。

 

前述の徘徊も、(自分の家に居るにも拘わらず)自分の家がわからなくなって、徘徊を始めるのです。

 

当然、自分が認知症だという自覚はありません。

 

以前の記事で、認知症の発症確率をご紹介したことがありましたね。

 

当然、個人差はあるものの…

 

80歳代前半で20%を超え

 

80歳代後半で40%が認知症だと思っても間違いがないそうです。

 

90歳を超えると、60%を超えていきます。

 

 

高齢になると自分の意思で何かをするということが難しくなってしまいます…

 

 

 

ただ、若年性の認知症もあり、60歳代で発症することも珍しいことではありません。

 

65歳以下の発症事例を見ると、脳梗塞のような血管性疾患が大きな要因になっているようです。

 

この血管性認知症になると、記憶力が低下するだけでなく、感情のコントロールができなくなったり、自身の行動計画を立てられなくなってしまいます。

 

この血管性認知症、圧倒的に男性に多いことは理解ができます。

 

 

難しい認知障害

 

 

普段は穏やかで温厚なのですが、急に顔つきが変わり凶暴になる事案も筆者は見てきました。

 

サラリーマン時代は大手企業で重職に就き活躍されていた方々なのですが、脳梗塞発症後に血管性認知症が進行することにより、このような症状が出てくるのです。

 

現役時代にこの方々を尊敬していた皆さんでもこの状況に接すれば…

 

引いてしまいます…

 

認知症は、その方の周りの人々の見方そのものを変えてしまうのです。

 

温かいものが、急速に冷めていくように…

 

 

画像素材:Jim Mayes     もうコスモスが咲き始めました… ピンクも綺麗ですがオレンジも… オレンジは認知症のシンボルカラーでもあるのです

 

 

 

やっかいなことに、脳梗塞自体が軽症や幸いにして後遺症が無くとも認知症発症の可能性があるようです。

 

筆者は最近ある男性のことがとても気になっています。

 

長い間、運転手として勤務して60代後半まで働いていたようです。

 

奥様とは死別したようですが、今は別のパートナーの女性と暮らしています。

 

脳梗塞発症後の後遺症は見た目にはまったく感じることはできません。

 

ただ、認知機能はかなり低下しており、自分が次に何をすべきなのかという行動コントロール機能が殆ど動作していません。

 

認知症は、脳が動かなくなる病気なのです。

 

この男性が立ち上がって徘徊を始めると、殆どの場合が排泄だと理解ができるので、対応はできるのですが…

 

困った事案を確認する機会がありました。

 

この男性が自宅を出かける時、玄関でなかなか次の動作に移れない男性の頭を一緒に住むパートナーの女性が殴ったのです。

 

このパートナーの女性に認知症の知識を付けることを求めるのは酷なことなのかもしれません。

 

我慢して、努力して、介護をしてきた事実があります。

 

でも、そんなことの積み重ねが、とうとう暴力として姿を見せたのかもしれません。

 

「愛情」よりも「理解できない理不尽さ」が上回った瞬間だとも言えそうです。

 

ただ、この男性の血管性認知症の症状が良化することはなさそうです。

 

当然、このご家庭も「老々介護」の現場なのです。

 

 

画像素材:いらすとや  増え続ける老々介護… 愛情や思いやりが勝るという考え方は、現実を知らない証拠なのかもしれません…

 

 

 

多くの「老々介護」が破綻する要因は、身体機能低下だけでなく、認知機能低下なのかもしれませんね。

 

感情コントロールができない人を相手にする辛さ…

 

思い通り動けない人を介護する難しさ…

 

認知症は、愛の炎をも凍てつかせるということでしょうか。

 

認知症も重症化すると、周囲に甚大な影響を与えるのです。

 

認知症も病気の一つであると考えると、誰もが罹る可能性のある病気です。

 

ただ、殆どの場合がゆっくりと進行することを考えると、気を付けたいのは血管性認知症なのかもしれませんね。

 

そう、男性の皆さん、

 

心筋梗塞も怖いですが、脳梗塞もその後の認知症のことを考えると、とても恐い病気なのです。

 

運よく治療がうまくいって、後遺症が出なくても、次に認知症のことも考えておく必要があるのです。

 

大事なことは、認知症に対する理解を深めておくことだと筆者は考えています。

 

筆者は仕事柄というか、研究の為に多くの高齢者施設を見てきましたので、多少の知識は付いているのかもしれません。

 

チョットした仕草や会話で認知症の進行具合も大体わかります。

 

ただ、親の介護を経験していない方々に認知症の理解を深めろと言ってもそれは酷なことかもしれません。

 

でも、一つだけ理解しておきたいことは、

 

人生はとても長くなってしまったこと

 

(簡単には死ねなくなったこと)

 

長くなった人生を全うする為に大きなお金が必要になってきたこと

 

そして、誰もが罹る認知症というものが確実に存在すること

 

人生が長くなった関係で、おまけとして付いてきた認知症…

 

予防だけでなく、

 

知識をつけることと、

 

進行防止、

 

そして、認知症との付き合い方を知ること、

 

周りの家族の認知症への理解、

 

こんなものが必要になってきたのかもしれませんね。

 

これから高齢化と共に、日本中の家庭が認知症という病気と対峙することになるのです。

 

台風と同じように逃げることはほぼ不可能なのです。

 

なんとかこっちには来ないでくれと祈りながら、努力するしかないのかも…

 

それ以外は、対峙する時の心構え(知識を含めて)…

 

今回の記事は、重度の認知症によって起こったある事案について考えてみました。

 

 

今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。