人生の扉
人生の扉という名の歌
また今年も桜の開花情報がテレビで流れる季節になりました。
そんな季節を舞台に “50歳代や60歳代になっても人生は素敵だね”
と歌う曲があります。
歌っているのは竹内まりあさん。
筆者がちょうど社会人になる頃に「不思議なピーチパイ」というとても
明るい曲で歌手デビューした方です。
マスコミへの露出が極めて少ない方ですが、歌唱力は誰もが認める実力
派です。
歌唱力だけでなく、竹内さんの歌詞はとても素晴らしいです。
筆者も竹内さんの曲は大好きで、CDも何枚かは持っているのですが、
「人生の扉」という曲は知りませんでした。
筆者にこの曲の存在を教えてくれたのは、筆者の英語の先生です。
長く外資系企業に勤め、リタイア後に在職中に培った英語力を活かして
英語を教えています。
先日のレッスンの冒頭で先生はいきなりこの「人生の扉」を筆者に聞か
せてくれました。
筆者のブログにピッタリの曲だよと、紹介してくれたのです。
(英語のレッスンはそっちのけで…)
この「人生の扉」という曲は、竹内さんが50代を迎えた時につくった
曲のようで、人生そのものをじっくりと、そして前向きに語った良い曲
です。
筆者もとても気に入り、CDを衝動買いしてしまいました。
(衝動買いはめったにしないほうなのですが・・・)
今回の記事は、この「人生の扉」の歌詞を少しご紹介する形で進めてみ
たいと思います。
日本人にとっての春
日本人にとって春は、一年の節目として大きな意味を持ちます。
学校であれば新たな学年、そして上の学校へと進学する時期、企業人で
あれば多くの企業が4月から新しい年度を迎えます。
「人生の扉」の曲の出だしは、こんなフレーズで始まります。
春が来るたび ひとつ年を重ね
画像素材 フォトサリュ―
竹内さんも50代になってから、時が過ぎ去るのを早く感じるようにな
ったようです。
筆者も40歳代半ばから時が過ぎ去るのを早く感じるようになりました。
信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ
※出所:文末注記に記載
時が過ぎ去るのが速く感じるのは、「感動が少なくなったから」とテレ
ビで聞いたことがあるのですが、それは忙しい毎日で感動する機会が少
なくなったからかもしれません。
人生が速くなったからこそ良い思い出が必要なのかもしれませんが、人
生も半ばにさしかかると多くの別れがあるのも事実であります。
ただ50代になったら、
“ 時間を大切にしたい ”
“ 一つひとつ時を刻むように生きていきたい ”
と思うようになるのかもしれません。
サラリーマンであればひたすら走り続けた30~40代が終わり、会社
での出世レースの勝負が明確になる頃です。
そんな時期だからこそ、時間の大切さに気付くことができるのかもしれ
ませんね。
人生を前向きに語る詩
「人生の扉」の曲の特徴は、曲の途中で英語の歌詞が入ることです。
とても前向きな歌詞なので筆者も凄く気に入ってしまいました。
I say it’s fun to be 20 20代では面白く(楽しく)
You say it’s great to be 30 30代では素晴らしい(とても元気)
And they say it’s lovely to be 40 40代では愛おしい(心地よく)
But I feel it’s nice to be 50 50代でもいい感じ(愉快な)
※出所:文末注記に記載
人生の重み
曲の二番では、人生の重みを「満開の桜」や「色づく紅葉」という歌詞
を使ってうまく表現しています。
満開の桜や 色づく山の紅葉を
この先いったい何度 見ることになるだろう
※出所:文末注記に記載
桜や紅葉といった季節を感じるものをいったいあと何度見ることになる
のだろうと自問するその姿にこそ、これまで生きてきた人生の重みが感
じられます。
筆者も4歳年下の実弟を44歳という若さで失って、命には限りがある
のだと思い知らされた時から、桜の花を見るたびに同じことを考えるよ
うになりました。
また今年も桜の花が見れたよ
来年も見ることができるのかな
そして英語の歌詞は、セカンドライフへと入っていきます。
I say it’s fine to be 60 60代でも素晴らしい(立派な)
You say it’s alright to be 70 70代でもまだ大丈夫
And they say it’s good to be 80 80代でも楽しいわ(健康で)
But I’ll maybe live over 90 そして多分90を過ぎても生きていける
※出所:文末注記に記載
とても面白い表現ですが、英語で表現するととてもシンプルです。
この表現を元に筆者が勝手に図式化してみました。
本当の人生
こうみると新元号の時代の人生は、昭和の時代の人生の2倍近くにもな
ります。
60歳までの人生が厳しく、面白くなかった人にとってもセカンドライ
フ以降が充実さえしていれば、長い人生として考えれば問題はないので
はないでしょうか。
極端な話になりますが、60歳以降の人生が本当の人生と位置付けるこ
ともできます。
筆者の会社のOBからきた年賀状にこんな言葉が書いてあったのを思い
出しました。
〇〇君元気か?
俺も元気だよ
60歳からが本当の人生だよ!
60歳までの人生は、勉強をして自立して働く準備をし、家庭を持ち、
家族の為にひたすら頑張る人生でもありました。
自分の好きなことができなかった人も多いのではないでしょうか。
60歳以降は自分の好きなことをして、(自分の為の)本当の人生を送
る。
これができれば人生は成功といえるのではないかと筆者は考えています。
上図を冷静にみれば、会社での出世等あまり大きな意味はないのかもし
れません。
長い人生もっと大事なものがきっとあるはずです。
でも、「本当の人生」に入る前には、「本当の人生」の計画を立てて、
準備をし、人生を意義あるものするための計画を実行することが重要で
す。
そしてそこに
「健康寿命を長く(維持)する」
「働けるうちは(自分のペースで)働いて、社会に貢献する」
「少し弱っても住み慣れた自宅で自立して生活ができる」
「本当の意味でのつながり(親友・地縁等)をつくる」
等の仕組みを組み込むことが重要になります。
この仕組みの構築こそが筆者が目指しているビジネスです。
人生はデニムのようだ
曲の最後のフレーズにも英語の歌詞が使われています。簡単に翻訳する
と、
歳をとって弱っていくことは悲しいこと
人生なんて何の意味もないという人もいる
でも私は信じているの 生きていくことは価値があることだと
病気のこと、生活のこと、お金のことと高齢期になると心配事や不安は
募るばかりです。
でも、前向きに生きていけば自分自身の価値に必ず気付く時がくると筆
者は信じています。
その価値は会社にいる時のように他人が決めるものではありません。
自分の価値は、自分自身が決めるものなのです。
その価値こそが不安を払拭する為の原動力にもなります。
この「人生の扉」という曲は、竹内さんのアルバム「Denim」に収録さ
れています。
このDenimの歌詞カードの冒頭に竹内さんの「人生の扉」に対する想い
が綴ってありました。
(筆者が箇条書きにする為に若干表現を変えています)
人生はまるでデニムのようだと、私は思う
青春時代はおろしたての真新しいインディゴ・ブルー
年を重ねるごとにデニムの色合いは変わり・風合いが増していく
時には糸がほつれたり、穴が空いたりもする
歴史とともに素敵に色褪せたその青には・・深い味わいがうまれているはず
※出所:文末注記に記載
読者の皆さんの人生はどんな風合い・味わいの色になるのでしょうか。
一つだけわかっていることは、歳をとるたびに素敵な色合いになるとい
うことです。
今回の記事は少し趣向を変えて、人生を前向きに考えることを教えてく
れる竹内まりあさんの歌をご紹介してみました。
筆者のようにわざわざCDを買わなくても、ネット配信を使えば「人生
の扉」を簡単に聞くことができます。
歌詞の良さだけでなく、工夫も凄い曲だと思います。
英文の歌詞もシンプルなのですが、一人称→二人称→三人称を使い分け
ていて、とても考えているなと筆者も少し感心させられてしまいました。
まだ聞いたことがないという方は是非聞いてみてください。
心がほんわか温かくなりますよ。
注記:この記事に引用させて頂いた歌詞や言葉は下記のアルバムの中に
入っていた歌詞カードから引用をさせて頂きました。
Denim Maria Takeuchi
Words & Music by 竹内まりあ
Arranged by 山下達郎 & センチメンタル・シティ・ロマンス
※人生の扉は、アルバム「Denim(全12曲)」のラストを飾る曲です。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。