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定年3.0

2019年02月27日
37

今年は新しい元号が制定される年です。

 

30年間続いた平成という元号が、新しい天皇が即位することにより、
新しい元号に変わります。

 

新しく天皇に即位される予定の皇太子浩宮様は筆者と同い年です。

 

筆者は浩宮様が誕生した一週間後に生まれ、浩宮様の誕生を祝って筆者
の名前には「浩」という文字が入っています(ペンネームにも本名にも)

 

この新しい元号が始まる機会にはいろいろなものが始まることにもなり
ます。

 

新しい定年の概念

 

 

2018年の年末に高齢社会の研究でも有名なニッセイ基礎研究所に行
ってきました。

 

民間のシンクタンクとして唯一ジェロントロジー研究に取り組んでいる
研究所で、東京大学高齢社会総合研究機構とともに様々なジェロントロ
ジー研究を推進しているところでもあります。

 

研究所が発行しているブログメールの会員に登録すると様々な為になる
情報を提供して頂けます。

 

中には人生100年を生きるための貴重な情報もあり、筆者も毎回楽し
みにしています。

 

ご興味のある方は是非アクセスしてみてください。

 

研究所にご訪問した際、ご対応を頂いた方からとても素晴らしい組織が
新たに発足したことをお聞きしました。

 

その組織の名称は、「一般社団法人 定年後研究所」。

 

定年というイベントを契機に「会社人生」から自らの力で定年後を力強
く生きていく「自走人生」に移行する為のお手伝いをして頂ける有難い
組織ができたというのです。

 

その活動の詳細はまた別の記事でご紹介する機会を設けてみたいと考え
ていますが、ご興味のある方は是非定年後研究所のサイトにもアクセス
してみてください。

 

この定年後研究所では、定年という社会人にとっては重要なイベントを
新しい概念として捉えていました。

 

その概念とは、「定年3.0」

 

どのような概念なのかということを過去の時代の概念とともに整理する
と下記のようになります。

 

 

定年1.0 昭和の時代の定年概念 定年後は「老後であり、余生」
定年2.0 平成の時代の定年概念 年金支給の繰り下げ、雇用延長等の変革の時代
定年3.0 新元号の時代の定年概念 生涯現役が一般化する時代

 

 

定年後研究所では、定年というイベントを今までのどちらかというとネ
ガティブな印象を与える概念ではなく、ポジティブな概念と捉えていま
す。

 

同研究所のコンセプトでもある「会社人生から自走人生」に興味を持ち
賛同する人たちに、様々な支援サービスを提供していくことを目的にし
ているのです。

 

高齢化率がいよいよ20%後半に突入し、30%も間近という状態とな
った今、超高齢社会という言葉が現実味を帯びてきました。

 

以前の記事でもご紹介した「定年後をどうするのか?」という今までは
漠然としていた疑問が顕在化し、まさしく前例のない「不安な時代」が
到来したともいえます。

 

この不安を裏返すように今、「定年」という言葉を題した書籍が爆発的に
売れているようです。

 

そんな中で、定年を前向きに捉えられる「定年3.0」という概念が生ま
れようとしているのかもしれません。

 

 

定年3.0という書籍

 

 

筆者がニッセイ基礎研究所に訪問した時期とほぼ同じ時期に「定年3.0」
と題した書籍が発刊されました。

 

本の著者は、他の記事でもご紹介した経済コラムニストの大江 英樹さ
んです。

 

筆者も早速拝読させて頂きました。

 

大江さんも著書の中でも定年の概念を3つに分けておられました。

 

前述の定年後研究所の概念とは少し違います。

 

 

定年1.0 1960~1970年 定年後は余生であり、生活の不安もなくのんびり暮らせた時代
定年2.0 1990年~ 日本経済が低成長に入り、年金制度改革が始まった
波静かだった老後生活に波乱が起きた時代
定年3.0 2019年~ 人生100年時代を迎え、「お金」「健康」「孤独」の3つを
定年を迎えた人々が自ら解決しなければならない時代

 

 

この新しい定年の概念のもと、大江さんは著書を通して50代からその
後の50年のスマートな生き方・稼ぎ方を提案してくれています。

 

さすが金融業界ご出身だけあって、老後資金や年金のこと等老後の不安
を解消する方法を読む人に教えてくれています。

 

本の内容は皆さんにも読んで頂くとして、今回の記事では本の最終章で
の特別対談についてご紹介しておきたいと思います。

 

先日筆者が大江さんにご連絡をさせて頂いた際、大江さんから

“特に最終章の対談はおもしろいよ!”

と教えて頂いていたのです。

 

その対談のお相手はジャーナリストでもあり大学教授でもある蟹瀬誠一
さんです。

 

お二人の対談記録は、そのままの言葉遣いで本音トーク。

 

その中には筆者が気になるKEY-WORDがたくさんありました。

 

50代以降を生きていくために役に立つそのKEY-WORDをいくつか下
記に抜粋してみたいと思います。

 

 

自分の42度を見つける

 

 

自分なりのペースでシフトチェンジしていけばいい

 

自分なりのペースで自分を変えていくことと、変わる意識の重要性を感
じました

人と比べて自分を疲れさせるのはやめようー

 

長いサラリーマン人生の中で常に周りと比較することを覚えてきた人が
多いかと思いますが、50以降はそれをやめた方が自分らしい人生が見
えてくるかもしれません。

お風呂でいうと42度
自分の42度を見つけた人が幸せになれる

 

「いい加減(良い湯加減)は、よい加減」という希代の狂言師 野村万
之丞の言葉を借りて、自分自身にとっての最適を見つけることが重要で
あると語られていました。

 

他人ばかり見ていても仕方ないとー。

 

気持ちを切り替えることができれば、その途端に肩の荷が下りて次につ
なげることができるとー。

 

確かに気持ちの切り替えが必要なのはわかりますが、そこが難しい。

 

死ぬほど悔しいことを経験してきたサラリーマンにとってはとても難し
いことかもしれません。

 

でも、サラリーマンいくら考えても答えが変わらないことも多いですよ
ね。

 

自分を大事にする意味でも、次のことを早く考える。

 

ベルーモ

 

気持ちを切り替える術を持つことが高齢期に入ってからは必要なのかも
しれません。

 

そして、これからは個人と社会とのつながり方にも変化が出てくるかも
しれません。

 

今までは多くの場合、会社経由でしか社会とつながれませんでした。

 

これからは、仕事であろうと社会貢献であろうと個人が社会と直接つな
がる時代になるかもしれません。

 

ある意味で、高齢期に入った方々の働き方が大きく変る可能性があるの
ではないかと筆者は考えています。

 

 

 

 

最後に大江さんの言葉を借りて締めくくりたいと思います。

 

こうあるべき論や「ねばならない」に振り回されないようにしよう

サラリーマンは60歳までなんだかんだいっても、自分の好きなことが
できなかったんだから、やっと解放されて自由を手に入れた今(定年と
いうきっかけ)は、他人の「こうあらねばならない」とかは一切捨てて、

本当に自分が何をやりたいかを考えた方がいいですよ

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。

 

 

■お勧めの書籍

 

大江さんの書籍は定年3.0に続いてすぐに新刊が発刊されました。

大江さん一番の力作だとか。筆者も既に拝読させて頂きました。

新しい言葉「定活」、どのような考え方であるかはまたブログで取り上げてみようと思っていますが、読者の皆さんも是非読んでみてください。