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日本の高齢化の特徴

2018年10月21日
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日本の高齢化には3つの特徴がある

 

日本の高齢化には、3つの特徴があります。

一つ目はつい先日28%を超えた高齢化率の高さです。

もう既に4人に1人が高齢者である実態だけではなく、それ以外にも特徴があります。

二つ目は、高齢化のスピードです。

高齢化のスピードは、65歳以上の高齢化比率が7%(高齢化社会)になったころから、14%(高齢社会)になるまで何年かかるか、ということで
測られることになっています。

日本の高齢化比率が7%になったのは1970年大阪万博が開催された年で、
日本が先進国の仲間入りを果たしたころといえます。

どんな国もだいだい先進国になると同時に、高齢化社会に突入するといわれていますが、「アジアの奇跡」といわれ、世界に類を見ないスピードで経済成長した日本は、高度成長と共に高齢化を発生させたといえます。

そして、高齢化比率が14%を超えたのが1994年であることから、日本は
1970年から1994年の24年間で高齢化社会から高齢社会に移行したという
ことになります。

これに対して日本よりも一足先に高齢化社会に突入したヨーロッパ諸国では、高齢化社会から高齢社会への移行に50年から100年を費やしていることを考えると、日本はヨーロッパ諸国の2倍から4倍のスピードで高齢化しており、日本の高齢化のスピードは異常な速さだといえます。

この速さに対応する為には社会の仕組み自体を速く変えていかなければならないことを示していますが、現在は全く社会の仕組みが追い付いて
いない状態であるといえます。

そして三つ目は、少し深刻な特徴です。

日本の高齢化の問題を考える際に注目される点として、日本の高齢化の深さがあります。2014年の総務省統計時点では日本の高齢化比率は約26%でしたが、その半数である13%は65歳から74歳までの比較的若い高齢者(前期高齢者)でした。

その比率が団塊の世代の人達が全て75歳以上後期高齢者になる2025年には、高齢者の60%が後期高齢者となり、2060年頃には70%を超えると予想されているのです。

現在の高齢者は20年前と比較しても若返っているといえますが、75歳以上になると、急速に自立生活が難しくなるという調査結果が出ていることは事実でもあります。

東京大学高齢社会総合研究機構が、健康度の変化パターンについて全国高齢者を対象に20年間追跡調査した結果、男女ともに70歳を過ぎた頃から急激に自立生活が難しくなることが分かっています。

ようするに後期高齢者となる75歳以上を超えると確実に動けなくなる人の比率が増えるのです。

それに合わせて医療や介護のニーズが増えることによる社会保障費の増大につながっていくという結果を招くことになります。

上記に述べたように日本の高齢化には、「高さ」「速さ」「深さ」の深刻で対処が難しい特徴があります。

それは下図に示す通り “前例のない難しさ” が伴うものでもあるのです。

 

 

出所: 2014.11 Business Labor Trend 慶應義塾大学 清家 篤義塾長 講演記録を参考にまとめたもの

高齢化をもたらす要因

 

上記の高齢化をもたらす第一の要因は長寿化です。

経済成長で栄養・衛生・住環境・医療のレベルが大きく改善され、日本の平均寿命を縮めていた要因が全て克服されたことによる結果ともいえます。

そして、もう一つの要因として少子化があげられます。

この少子化も経済の発展成長との相関があります。

貧しい社会では多産多死の社会であったのが、一人当たりの所得が上昇していくと子供はたくさん産みません。

そして産んだ子供は必ず元気に育つという少産少子の社会に変わります。

ただ、この少子化と高齢化は社会保障という観点では矛盾が生じます。

社会保障費は増えていくのに、その担い手が減っていくという矛盾を生む
のです。

また、少子高齢化で人口減少が進むことによって生産年齢人口も減少して
いくことになります。

日本の高齢化の特徴は、「高さ」「速さ」「深さ」という難しさを伴いながら、この少子高齢化による問題を更に複雑なものにしているといえるのです。

2018年9月の高齢化の動向

 

2018年9月16日のテレビニュースで、日本の高齢化についての報道がありました。

総務省統計で、65歳以上の高齢者が3557万人となり、過去最高を更新したという内容でした。

65歳以上の女性は初めて2000万人を超えたそうです。

そして前述したようにあっと言う間に総人口における高齢者の比率は28%を超えてしまいました。

筆者はこの「過去最高」という言葉に違和感を覚えました。

これから何度調査しても過去を更新し続けるのですから。

この日本の高齢化の特徴を知っておくことは、無駄にはならないはずです。

社会システムの対応が高齢化のスピードに追い付いていない状況なのです。

高齢者雇用が進まない現状をみてもわかることですが、影響はこれから人々の生活にも現れてきます。

このままでは横断歩道を青信号の間に渡り切れない高齢者が多く発生する可能性があります。

今からこの社会を守るためにやるべきことがたくさんでてくるのです。

お勧めの書籍

 

慶應義塾大学の第18代義塾長であった清家 篤氏の書籍は、超高齢化を迎えたこの国の働き方、そして雇用のあり方について示唆に富んだもので、筆者もブログだけでなく、修士論文を作成した際に参考にさせて頂きました。皆さんも清家先生のご本を是非手に取って頂ければ幸いです。