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近居という考え方(1/2)

2019年10月20日
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近居という言葉

 

筆者は近居という言葉を大学の研究機関で学んでいるときに初めて聞き
ました。

 

近居とは親と子供が比較的近くに住むことを意味しています。

 

身体が弱ってきた親からすれば子供の支援を期待できますし、子供から
すれば子育ての支援を親に期待することもできます。

 

超高齢化を迎え、親に介護が必要になってくる年代になるとその必要性
はより増してくると考えることができます。

 

加えて近居には、家族の関係を見直す機会を与えてくれるだけでなく、
地域そのものを活性化する効果も秘めているのです。

 

なぜこの近居という言葉が出てきたのか背景を調べると、そこには「超
高齢社会」と「高齢単身者(世帯)の増加」という2つのキーワードが
存在することが分かります。

 

 

内閣府発表の高齢化の状況データ(2016年度)から筆者が図式化

 

 

上図を見てもわかるように高齢者単身世帯と高齢者夫婦のみの世帯は、
全世帯の30%に届く勢いで今後も増え続けることが予想されています。

 

特に単身高齢者が増えていくことが問題を深刻化させていくことになり
ます。

 

他の記事でも取り上げた「孤独死」や「孤立死」が社会の深刻な問題に
なりつつある中で、近居はその解決策の一つになるかもしれないと筆者
は考えています。

 

この近居という考え方にかなり前から取り組んでいる方がいます。

 

その方は、東京大学の大月 敏雄教授です。

 

関連書籍も多く出版されている為、ご存知の方も多いかもしれません。

 

代表作は『町を住みこなす-超高齢社会の居場所づくり-』ですが、                                                              (岩波書店、2017年)

2014年には『近居-近居-少子高齢社会の住まい・地域再生にどう活かす
か』(学芸出版社)を出版されています。

 

本業は工学部の建築関連の先生ですが、高齢社会総合研究機構という、
東大の高齢社会に関する研究機関で、副機構長として教鞭をとっていま
す。

 

今回の記事は、大月先生が取り組む近居という考え方にスポットを当て
て記事を進めることにします。

ウェルネスダイニング

単身高齢者の急増

 

 

まず、近居が必要になる背景についてもう少しまとめておきたいと思い
ます。

 

一つ目は、単身高齢者の増加です。

 

平均寿命に関する記事でも述べましたが、男性よりも女性の方が寿命は
長いのです。

 

先に世帯主である男性が他界するケースが多いために、高齢の女性の単
身世帯が増えています。

 

2000年には約300万人だった65歳以上の単身者世帯(独居高齢
者)の数は、2015年にはその倍の約600万人に達したことが内閣
府の調査により分かっています。

 

さらに、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2035年にはなん
とその数が約735万人(世帯)になるというのです。

 

上述させて頂いたように「孤独死」や「孤立死」がより頻発するような
社会にどのように対応すべきなのか真剣に考えていく時期になっている
といえます。

 

実際の統計数字をみるとその現実味が増します。

 

一般社団法人日本少額短期保険協会が2018年3月にまとめた孤独死
現状レポート(東京都福祉保健局 東京都監察医務院調査)をみると、
東京23区内で65歳以上の高齢者を対象とした孤独死の数は、平成2
7年度に初めて3000人の大台を超えています。

 

数字は統計を取り始めてから確実に右肩上がりに上昇してきているので
す。

 

なんと23区内だけで1日あたり9人近くの方が孤独死でなくなってい
ることになります。

 

人口が過密している場所だからと安易に納得できない数字です。

 

あくまでも日本の一部のことなのです。

 

統計数字が見当たらないだけで、日本全体で考えると背筋が凍り付きま

す。

 

 

画像素材:フォトサリュ

 

 

少し暗い話になってしまいました。

 

ですが、高齢化が生み出した課題には深刻なものが多いということを知
るだけでもこれから超高齢化社会を生きていく立場からすると大事なこ
とだと思います。

 

今回の記事では、近居がなぜ必要なのかという観点で話を進めてみまし
た。

 

超高齢化社会には多くの課題が潜んでいます。

 

単身高齢者が増加しているという現状の中には、社会が取り組まなけれ
ばならない解決すべき課題が多く含まれています。

 

次回の記事では、近居の必要性についてもう少し掘り下げて考えてみた
いと思います。

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。

 

 

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