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介護格差

2021年06月19日
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前回の記事で、介護施設に入る為にはたくさんのお金が必要だと書きま
した。

高齢になってもお金がなければ施設にも入れない。

とうとう介護にまで「格差」が広がっているのです。

今、筆者が勉強している施設(有料老人ホーム)でも、入居希望者(ご
本人や子供さん)が後を絶ちません。

 

でも、すんなりと入居が進まないケースも多いようです。

 

そこには介護も看取りも金次第という実態があるからです。

 

 

先日(6月4日)、75歳以上(後期高齢者)の医療費負担率を変更す
る医療制度改革法案が可決・成立しました。

 

単身で年収200万円以上の高齢者、夫婦世帯では年収320万以上の
高齢者世帯では今までの医療窓口での1割負担から2割負担へと負担率
が上がることになります。

年収200万円といっても月額に直すと、単純計算で16.7万円、そ
こから医療保険等の社会保障費負担等を除くと僅かな生活費しか残りま
せん。

 

以前の記事で申し上げたとおり、年金だけで生きていくことはできませ
ん。

高齢になっても生きていくためにはお金が必要なのです。

 

このままでは、医療機関での窓口負担増で受診を控える高齢者が増え、
健康状態が悪化する方々が増えるのではないかという懸念も出てきそう
です。

 

国は今、全世代型社会保障への転換を進めています。

 

現役世代の負担を抑える目的は理解できますが、この方向性についてこ
れから高齢期を迎える皆さんや高齢期を迎える親を持つ方々は真剣に理
解しておかなければなりません。

高度経済成長期に、高齢者に対して温かい社会保障を提供してきた方々
が、高齢になった時に今度は冷たい対応をされるということになるので
す。

 

 

 

街中を歩いていると、たくさんの高齢者施設を見つけることができます
でも、施設があるからといって簡単には入ることができないのです
特に都市圏では日に日に厳しい状況となっているようです
住み慣れた街で見つけることができず、遠隔地という選択もあるのです

 

 

死に方にも格差が現れる

 

 

在宅介護では家族に負担がかかります。

 

でも、お金がないと入れる施設、受けられるケアやサービスの選択肢は
確実に狭まることになるのです。

 

それではいったいどんな選択肢があるのでしょうか?

 

そんなことは考えたこともない方も、考えたくもない方も、一度真剣に
考えておいた方がよいのかもしれません。

 

 

どれくらいお金がかかるのか

 

 

詳しく書けないので申し訳ないのですが、どんな施設でどれくらいお金
がかかるのか簡単に下記に示しておきたいと思います。

 

高齢者施設は、「住宅系」と「施設系」の2通りに大別されます。

 

住宅系の代表格であるサ高住(サービス付き高齢者住宅)は、生活相談
と安否確認のサービスが付いていますが、入居金は数百万必要な場合も
あり、家賃の2~6か月分くらいの敷金が必要な場合が多いようです。

月額利用料は、自立型(自分のことは自分でする)で12~30万円、
介護付きの場合は10~30万円が目安のようです。

そんなに金額がかさばらず、人気があるのですが、それでもこれだけの
お金が必要なのです。

 

もっと低価格で利用したい場合は、地域優良賃貸住宅を選択する方法も
ありますが、結構厳しい所得制限があるだけでなく、UR都市機構や地方
の住宅供給公社を通して申し込むために抽選となり、すんなりと入居は
できません。

当選すると、月4万円程度の家賃補助が受けられるようですが、それで
も家賃の2~3か月分の敷金が必要です。

当然のごとく介護付きではありませんので、訪問介護や通所介護が必要
な為、その費用は別途必要になります。

 

シルバーハウジングを選択する方法もあります。

条件は上記の地域優良賃貸住宅とほぼ同じですが、介護度が重度になる
と退去を命じられることもあるようです。

 

今流行りのシニア向けマンションは、月額利用料は受けるサービスによ
って決まりますが、購入時に高額のお金が必要です。

筆者が見てきたシニア向けマンションは、部屋の広さが45~55㎡で
分譲価格は5000万円くらいのところが多かったように記憶していま
す。

食堂や大浴場等の設備も完備していますが、共有施設の月額利用料(管
理費含め)は10万円を軽く超えています。

そこに食事費が必要ですので、分譲で家賃がかからないとしても、月額
として必要なお金は20万円を軽く超えます。

そこに介護や医療費が上乗せされるのです。

よほどのお金持ちしか入ることはできないようです。

 

住宅型には他にもケアハウスや住宅型有料老人ホーム等が選択肢として
残りますが、いずれも入居時に数百万~3000万円のお金が必要なと
ころがあります。

 

一方、施設系に目を移すと、ここでも7つの選択肢があるのですが、こ
のままでは長文になってしまいますので、2つに絞って簡単に説明した
いと思います。

 

施設系の代表格は、有料老人ホームです。

入居料が数千万円という高額な施設もありますが、逆に0円というとこ
ろもあります。

自立した健康な高齢者を扱う施設もありますが、その殆どは介護付きの
施設です。

自立から介護度5(最高)の方々まで幅広い高齢者にサービスを提供し
ていますが、月額利用料はサービス内容にもよりますが、15~50万
円が目安です。

利用料に幅がある為に、サービス内容には注意が必要です。

 

もう一つは、前回の記事でもご紹介した特別養護老人ホーム(特養)で
す。

入居料は不要で、個室か個室でないかという違いで利用料も違いますが
10~15万円ととてもリーズナブルなために、とても人気が高く待機
者がとんでもなく多い状況です。

 

以上、簡単に施設でかかるお金について説明をしてみました。

 

 

 

都市郊外の団地には多くの高齢者が住んでいます
急速に高齢化が進む団地の高齢者の皆さんが、安住の場を見つけることが
難しくなっています

 

 

「こんなにお金がかかるのか・・・」と驚く方もいるかもしれませんね。

 

これは介護保険があった上の話なのです。

一度、このお金から年金でもらえる金額を引いてみて頂ければ現実が理
解できます。

 

年金以外に2000万円が必要なのかと大騒ぎしている場合ではないの
です。

実際にはもっとお金が必要になることは間違いありません。

 

在宅介護では家族に負担がかかり、介護離職等で経済的な負担まで背負
い込むことになりかねません。

 

しかしながら、持っているお金が少なければ入れる施設、受けられる
ケアやサービスも限られてしまうのです。

 

これは厳しいようですが現実なのです。

 

筆者が記事で度々ご紹介し、心配している2025年問題。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年には数十万人が介護難民や医
療難民になると指摘されているのですから、本当に笑い事ではありませ
ん。

 

高齢化していく親のこと、いつかは自分にも順番が回ってくることを
まずは認識することから始めないといけないのかもしれませんね。

 

 

 

コロナ禍で生きていくのが精一杯・・
でも、たまにはのんびり時間をつくって、将来のことを、親のことを考
えてみることは無駄にはなりません

 

 

 

特養に入れたからといって幸せか

 

 

入居一時金もなく、月々の利用負担も少なくてすむ特養に入れたとして
も幸せに老後を送れるかというと、そういうわけでもありません。

 

前回の記事でも書いたように要介護3以上でなければ入れません。

そして、多くの待機者が列をなして待っている状態なのです。

 

利用料が少なく、年金以外のお金が少なくても利用できる特養での生活
が、自分の老後を送る上で一番いいのかということも考えておかなけれ
ばならないと筆者は思うのです。

 

「介護度が3に上がって特養に入れました」ということでいいのか?

 

筆者は多くの高齢者施設でたくさんの高齢者の皆さんを見てきました。

でも「この人は幸せだな」と思える方には一度も出会えていません。
(あくまでも筆者の感想です)

 

やはり一番よいのは高齢期になっても、いつまでも健康を維持して施設
のお世話にならないことです。

 

それには高齢期になる前の戦略が必要です。

 

「施設に入るとこんなにお金がかかるのか」

 

そんな考えではなく、いかに自分の人生を、セカンドライフを有意義に
過ごすのか?

 

育ててもらった親に少しでも素晴らしい老後を送ってもらうためにはど
うすればいいのか?

 

その為にも知っておくことはたくさんあるのです。

 

そして、セカンドライフに向けた人生の戦略を立てることはとても大事
なことだと痛感させられます。

 

介護にまで格差が広がる社会になってしまった今、セカンドライフに向
けた戦略の重要性は高まっています。

 

この人生の戦略を立てる意味で重要になるのは、「資産管理」です。

 

お金だけが資産ではありません。

健康も資産の一つです。

人間関係(人的ネットワーク)も貴重な資産です。

 

今回の記事ではお金に拘りましたが、お金で購入できない資産の価値は
高いのではないでしょうか。

 

この「資産管理」、また記事で取り上げてみたいと思います。

 

今回の記事は、新しい格差「介護格差」についてまとめてみました。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。