高齢化の大波はペットにまで
今まで記事の中でたくさんの高齢化について書いてきました。
・日本の高齢化について
・社会インフラの高齢化について
・毎年敬老の日に発表される高齢化の現状について
大統領の高齢化についても書きました。
今回の記事では、読者の皆さんにも馴染みの深いペットにまで高齢化の
大波が押し寄せてきていることをご紹介してみたいと思います。
生あるものには、いつか死が訪れ、その死の前には必ず老いを伴います。
筆者がまだ少年の頃、飼っていた犬は死を直前にしていなくなってしま
いました。
犬は飼い主の迷惑にならないように、自分で死に場所を探すという話を
聞いたことがあります。
でも、犬や猫が死ぬ前に飼い主の前からいなくなるというのは、どうや
ら間違いのようです。
犬や猫は、高齢になって体が弱ってくると、静かなところを見つけてそ
こで体力が戻るのを待つのだそうです。
そのまま飼い主のそばではないところで死んでしまうケースが多いため
に死ぬ前にいなくなるという話が広がった可能性があります。
でも、家の中でペットを飼うことが多くなった今は、少し事情も変わっ
てきたのかもしれません。
画像素材:いらすとや
最近は足の弱った犬を散歩させている人をよく見かけます
可愛かった子犬もいつかは老い、そしていなくなるのです
ペットまで高齢化
少子化の影響やペットブーム、高齢世帯が子育て後にペットを飼うケー
スが増えていることもあり、ペットを飼う世帯が増えています。
一般社団法人 ペットフード協会が2020年度末に公表した数値によ
ると、飼育頭数は年々微減になっているものの新規飼育者飼育頭数は犬
も猫も近年2桁台の伸びを示していました。
一戸建てだけでなく、マンション等の集合住宅でもペットと一緒に住め
るところも結構あるようです。
新型コロナの影響で巣ごもり需要が拡大していますが、その需要はスィ
ーツやお酒といった食品だけでなく、ペットにまで及んでいます。
そう、ペットブームにも大きな追い風になっているそうなのです。
しかし、このブームには人間様同様に大きな落とし穴があるようです。
先日もペットの大蛇が脱走して大変な大騒ぎになりましたが、あんな大
きなものでなくても、一番ポピュラーな犬や猫でも高齢化が大きな問題
になっているようです。
犬の寿命は今まで10~13年くらいだとされてきましたが、人間様同
様にその平均寿命は大きく伸びています。
2008年の統計では、13.3歳だった平均寿命は2017年の統計
では14.0歳と、僅か10年弱で1歳近くも伸びたことになります。
(アニコム 家庭動物白書2019のデータより)
人間に置き換えると、10年間で平均寿命が5歳近くも伸びたことにな
ります。
この数値には少し驚かされます。
最近では、犬も家の中で飼われることが多いようで、生活環境が良くな
る上に普段から一緒に暮らすことで家族愛(大事にされている)によっ
て寿命が更に伸びているのかもしれません。
実際に家の中で飼っている犬の方が、寿命が長いというデータはあるそ
うです。
一昔前のように、犬は庭の犬小屋という飼い方は珍しいものになったの
かもしれませんね。
(おかげで犬小屋をつくっている事業者さんは厳しいのかもしれませんが)
前回の記事で、ギネスについて取り上げてみましたが、世界で最も長生
きした犬の年齢は29歳だそうです。
平均寿命のほぼ倍であることを考えると、これからも犬の寿命は伸びて
いきそうです。
しかしながら、ペットの高齢化も人間様同様にお金がかかります。
先日テレビの特集番組を見ていると、ペットにかかる医療費が急上昇し
ていると報じられていました。
人間様同様に高齢化に伴うコスト増を起こしているわけですが、ペット
には年金はありません。
(ペット保険なるものは存在しているようですが)
ペットを家族同様に扱う場合には、そのコストも考えておく必要がある
のです。
画像素材:いらすとや
これからは人間だけでなく、ペットの看取りも考えておく時代かも
看取りも必要かも
一方、猫の平均寿命も犬とほぼ同じくらい(野生の場合は短いらしい)
で伸びているそうです。
その理由は、どうやら食べ物だそうです。
最近、テレビのコマーシャルでもペットの高級食材が頻繁に宣伝されて
います。
スーパーやコンビニでも、かなりのスペースを設けてペットフードのコ
ーナーが必ずあります。
値段を見ても人間様の食品に見劣りはしていません。
これではつつましく年金生活している人にはペット等飼えそうにありま
せん。
今までもペットホテルやペット専用の霊園は存在していました。
最近では、ペットと一緒に住める高齢者施設まであらわれました。
もしかすると、これからはペット専用の高齢施設も出てくるかもしれま
せんね。
でも、ご自身が高齢になっている皆さんは、ご自身が施設に入った時に
ペットをどうするのかを考えておいた方が良いかもしれません。
人間様と同じように、「看取り」のことまで考えておくことが必要な時
代になったのかもしれません。
高齢化の影響は人間だけでなく、人間が生活しているこの社会全体に広
がっています。
団塊の世代がこの社会からいなくなる頃、この国にも「多死社会」がや
ってきます。
我々は高齢化が及ぼす様々なことに対して準備をしておく必要があるの
です。
今回は我々の身近にいるペットにも高齢化の大波が押し寄せてきている
ことを取り上げてみました。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうござました。