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長生きしたくない

2020年03月08日
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「長生きしたくない!」

 

最近、筆者がよく耳にする言葉です。

なぜ?

人生100年時代を迎えて、長く生きることは良いことではないのでしょうか?

この言葉を筆者に話をしてくれた人の話をよく聞いてみると、

 

ある人は、

もう親の介護に疲れ果てた。

自分も高齢になれば、自分の親のように家族に迷惑をかけてしまう。

ならば、長生きせず、早く死にたい。

と、漏らしてくれました。

親の介護に悩む人は多く、悩んだ末に介護離職までして、生活を大きく
変えてしまう人がいることを考えると理解できる面もあります。

以前の記事でもご紹介したとおり、介護はその7割が家族や親族の手に
よって行われている実態があります。

今後さらなる高齢化に伴う要介護者の増加は、介護職員の不足だけでなく、介護施設不足へとつながっていきます。

そう、2025年問題や2030年問題がもうすぐそこに迫っているのです。

そうなれば、この方のように感じる人がもっと増えることになるのです。

 

またある人は、

 

生きていくのが辛いとこぼしました。

政府は年金支給年齢の先延ばしの影響で、70歳迄働ける社会の実現を目指しています。

健康であれば、長く働けることは良いことでもある反面、どのように働く
のかという点が重要になってきます。

このご意見を頂いたのは、非正規で働く女性の方からでした。

不安定な非正規で働くということが、どのようなことなのか。

今回の新型コロナウイルスが、ハッキリと示してくれたのかもしれません。

今回の記事は、「長生きしたくない」とつぶやく方々のご意見を通して、
超高齢化を迎えたこの国でこれからどのような働き方が良いのかという点を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

 

画像素材:フォトサリュ

 

 

 

非正規で働くということ

 

先日、外出先で休日のランチをとる為に、駅ビルのレストラン街に行きま
した。

普段は順番待ちをしなければならない人気のある有名店も、ガラガラの状態でした。

新型コロナウイルスの影響で、確実に消費は冷え込んでいます。

昨年10月、消費税が10%になりました。

政府は消費の落ち込みは、消費税の影響ではなく、台風等の自然災害の影響だと言っていましたが、本当にそうなのでしょうか。

そして、今度は新型コロナウイルスの影響が加わったのです。

人影が消えた飲食店では、アルバイト店員の雇止めや労働時間短縮が始まっています。

マスコミでも、非正規の方々への影響を懸念する内容が報じられていました。

何かあった時は、いつも立場の弱い方々が真っ先に苦境に追いやられます。

これを仕方がないと済ませていいのでしょうか。

今、育休をとって話題の小泉環境大臣のお父様である小泉純一郎さんが、首相の時に実施した構造改革の中に「非正規の容認」がありました。

その後、一気に製造業に非正規が増加したために、非正規が爆発的に増えたのです。

結果として、社会の中に格差が拡大していきました。

「聖域なき構造改革」は、非正規という不安定さと貧困を生み出したのです。

2018年の統計結果ですが、男性では約21%が非正規、女性はなんと約55%が非正規だというのです。

やはり弱い立場の人が急拡大しています。

多くのシングルマザーの家庭が貧困に苦しんでいるというのはわかるような気がします。

筆者は、この非正規雇用こそが貧困の元凶であり、格差社会の原因だと思っています。

自然災害が多発し、住むところを追われる方々が増え、

格差社会で貧困の中で耐えながら生きている人々も増えている。

そんな中で今回のコロナウイルスの発生。

確実に世界経済は、縮退傾向にあります。

そんな中で、今まさにバブルがはじけようとしている経済大国と、

コロナウイルスの影響で経済が完全に停滞してしまった経済大国の

影響がこれから出てくるのかと思うと本当に心配になってしまいます。

 

こんな中で、口から生きていくのが辛いとこぼれるのは、ごく自然なこと
なのかもしれません。

 

画像素材:フォトサリュ

 

 

どのような働き方をすべきなのか

 

政府は今、70歳まで働ける道を広げていくべく政策を進めています。

しかしながら、この70歳まで働くということを国民がどのように捉えているのでしょうか。

 

「年金もらえるまで働くしかない」と捉えるのか

それとも、「体が元気なうちは、働いて社会に貢献するぞ」と捉えるのか

 

前者の場合、国民の本音は、

・今まで積立ててきた年金は、まだもらえないんだよね!

今までは60歳過ぎたらもらえていたのになぜ?

・それまでは働けということなんだよな

でも、どのようにして働けというのか?

もしかして、どう働くかは自分で考えてくれということなのかよ?

 

政府は企業に対して70歳までの雇用延長の努力義務を提示しています。

努力義務の次は義務化に移行していく予定ですが、本当にそんなことが
うまくできるのでしょうか。

確かに政府の思惑とは違って、企業は違う動きを始めています。

終身雇用が完全に崩壊しようとしている今、企業は60歳よりももっと早い
タイミングで社員を選別しようとしているのです。

それも50代ではなく、40代で。

 

筆者はもうすぐ38年間も勤めた会社の定年退職を迎えます。

筆者の送別会では、後輩たちがこう心配していたのです。

 

「我々は定年退職できるんだろうか・・・・」

 

政府は企業に対して雇用延長(再雇用)を要望しても、企業は別の手を
打ってくる。

結局は、「いたちごっこ」になる可能性は大いにあり得るのです。

結局考えて行動するのは個人になるのであれば、政府の政策は無策と同じになります。

 

「絵に描いた餅」

 

こんな表現がぴったりです。

 

今後70歳を超えても働こうとすると、延べ50年近くも働くことになります。

この50年という数字をどう考えるのか。

この50年、全て自己責任とするにはあまりにも無理があります。

少なくとも、出来るまでには相当な時間がかかります。

 

70歳迄働ける方策を考えるのであれば、年金制度改革の為の方策だけでは、きっとうまくいきません。

自然災害や未知の疾病等リスクが満載です。

こんな時代だからこそ、働くことに喜びを持てる働き方でなければなりま
せん。

そしてそこには、親の介護で悩まず働ける仕組みが必要です。

 

本質を突いた働き方改革

 

新型コロナウイルスの影響で多くの企業が、テレワーク等の在宅勤務を強いられました。

今回の事態で、社内体制や仕組みに不備が見つかった企業も多いのではないでしょうか。

今回の事態を契機にテレワーク等の働き方改革が進むことを期待したいと思います。

過去から、日本企業の(製造部門以外の)生産性は極めて低いことが問題になっています。

同じ地域のアジア諸国にも後れを取っているのが実態なのです。

 

今、働き方改革でBPRという言葉が注目を浴びています。

BPRとは「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」の略称で、

「リエンジニアリング」とは、業務・組織・戦略を根本的に再構築することを指します。
つまりBPRとは、企業の目標を達成するために、企業活動や組織構造、業務フローを再構築することということになります。

 

このBPR、もう少し広義に捉えて、親の介護や育児も可能なものに再構築してみてはどうかと筆者は考えています。

 

そしてそこに、70歳迄働ける仕組みを盛り込むのです。

 

高齢期になれば、満員電車での長時間の通勤は苦になります。

在宅勤務で通勤時間を就業時間に回せば、もっと違う働き方ができます。

会社で若い人達や元部下と一緒に働かない働き方は、高齢期の社員に
とって働きやすいものかもしれません。

 

当然のごとく、仕事の中身も変わってきます。

そこで自らが、

「仕事を(中身を)変える」

「仕事の人間関係を変える」

「仕事の認識を変える」

ことができれば、本当の働き方改革になるかもしれません。

この考え方を最近「ジョブクラフティング」と呼んでいるそうです。

 

この「ジョブクラフティング」、また記事で取り上げてみようと思って
います。

 

もう真剣に変えてみよう!

 

今回の新型コロナウイルスの発生は、大きな教訓を残してくれました。

日本人は、働き方を大きく変えていかなければならなくなったのです。

もし、今回の事態が早めに終息したとしても、次なる未知のウイルスが控えているかもしれません。

そして未曽有の災害が起こるかもしれません。

新たなリスクを解決する為の本質を突いた働き方改革が、少子高齢化に
悩むこの国の課題をも解決してくれればこんなに有難いことはありません。

 

世界一の超高齢化社会を迎えているこの日本で、

「長生きしたい」

「長生きしてよかった」

と思う人が増えていくことは、とても良いことではないでしょうか。

 

それでは、その働き方改革の中身はどのようなものにするのか?

それはまた読者の皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。

 

ご意見・お考えをお待ちしております。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。