地球からの警鐘
近所の中学校の正門わきには桜の木があります。
今日前を通ると、いつの間にか桜の花が開花していました。
寒桜でもないのに、そして3月の彼岸の時期にも拘わらずほぼ満開状態
でした。
おそらく、3月中には花は散ってしまいそうです。
テレビでも、各地で桜の開花情報が流れていました。
おそらく3月末までには、満開を通り越して、4月まで桜の花が残るのは、東北地方より以北の地方になるのではないかと思います。
でも、筆者の子供の頃(今から50年ほど前でしょうか)は、桜の花が満開になるのは、学校の入学式の頃でした。
そう4月上旬に桜の花が咲き誇っていたのです。
そのころと比べると、桜の開花時期が明らかに早まっています。
これも温暖化の影響なのでしょうか。
画像素材:Jim Mayes
低炭素運動のブームは過ぎ去ったのか?
今から20年ほど前、世界的に地球の温暖化防止が叫ばれ、地球環境に関する世界会議COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)が定期的に開催され
ていました。
読者の皆さんにも、きっと記憶があるはずです。
京都で行われた会議(COP3)では、京都議定書なる取り決めがなされました。
CO2排出量をいくら削減するかという目標を各国が立てて、地球の破滅を
防ごうと取り組んでいた時期があるのです。
日本でも民主党政権下で、当時の鳩山総理が国際会議でとても意欲的なCO2削減目標を掲げて話題にもなっていました。
その後3.11の大地震の後、原発が使えなくなり、電力不足で火力発電が
どんどん復活してからは、鳩山総理の約束等どこかへ消えてしまいました。
これは日本だけでなく、海外諸国も同じです。
欧州を中心に根気強く活動を継続している国もありながら、超大国はそんなことを無視し続けたのです。
米国の大統領は、2020年以降の気候変動への国際的な取り組みを決めたCOP21(2015年)パリ協定の破棄を2019年10月に一方的に通告しました。
そして、中国は自国の深刻な大気汚染を全く気にせず、CO2を出し続けてきたのです。
中国発の汚染物質であるPM2.5の飛散は、中国国内にとどまらず、朝鮮半島や東シナ海を超えて日本まで到達していました。
画像素材:Jim Mayes
そう、超大国を中心に人間は、尊い地球環境を汚し続けてきたのです。
その中国を発生源に、今回の新型コロナウィルスが地球全体に拡散して
います。
これには何か理由があるのかもしれないのではないかと筆者は思うのです。
地球からの警告状
新型コロナウイルスの影響は、グローバル化の時代にあって、あっと言う間に全世界に拡散してしまいました。
今、発生場所である中国よりも欧州が深刻な状態にあります。
イタリアでの致死率はもう8%を超えて多くの方が亡くなっています。
それも持病がある高齢者が狙い撃ちされているのです。
高血圧の高齢者が危ないといいますが、高齢になれば多くの方が高血圧に
なってしまいます。
早く対応していかなければ、弱い立場の人間から苦しみや悲しみが増殖
していきます。
こんな状態の中で、筆者はふっと思ったのです。
「今回の新型コロナウィルスは地球からの警告状ではないのか?」
経済成長のみで、お金に目が眩んだ輩があまりにも地球環境を脅かしたために、とうとう地球が怒ったのではないか・・・
もう少し優しく表現すると、
お前たち(人間のこと)、もういい加減にしろよ!
これ以上環境破壊が続けば、破滅につながるぞ!
という地球からの警告状ではないか。
米国の大統領がパリ協定の破棄を通告する直前に興味深いことがありました。
ニューヨークの国連本部で開かれた「気候行動サミット」で行われたスウェーデンの16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんによる演説が全世界で話題を呼んだのです。
トゥンベリさんは若い世代の代表として、各国の取り組みの遅れを批判しました。
ところが、この時も超大国の指導者たちは、この少女を批判していました。
でも、米国の大統領は新型コロナウイルスの影響で、「非常事態宣言」を
出す始末。
次に気候変動による大規模な災害が起きた時にも同じように「非常事態宣言」を出すのでしょうか。
何かがおかしくなっているのではないか
実は、今回の新型コロナウイルスの影響で、工場の操業が抑えられている為に、中国の大気は劇的に改善されているのだそうです。
新型コロナウィルスの影響で、中国は大規模な対策を打ちました。
経済は大きな打撃を受けましたが、中国の大気は劇的に良化しているのです。
このことを中国の国民はどう受け止めているのでしょうか。
近年、世界の工場として繁栄してきた中国。
しかし大気汚染だけでなく、地下水の汚染等環境汚染は深刻な状態です。
もしかすると、中国のこの状態を憂いて地球自身が、中国発のコロナウイルスを発生させたのであれば、これは人類に対して地球からの警鐘と受け止めることができるかもしれません。
米国のトランプ大統領が就任してから株価は上がり続け、「トランプ相場」と呼ばれ続けてきました。
しかし、新型コロナウィルスの影響で一気に株価は下がり続け、わずか
10日余りで大統領就任前に逆戻りしてしまいました。
お金に目が眩んだ人たちに、本当に大事なものは何なのかということを
突き付けているようにも思えます。
この新型コロナウイルスをただの流行り病として受け止め、終息すれば
忘れてしまうようではいけないと思います。
もう多くの方が無くなられています。
この苦しみから何を学ぶのか・・・
画像素材:Jim Mayes
「絶望」よりも「創造」に向かう
今回の記事は、筆者の妄想のようなものになってしまいましたが、筆者
以外にも多くの方々にも様々な気付きがあったような気がするのです。
今回の記事の最後に、今から2年前に書いた筆者の論文の最後を締めくくったある作家の著書の一節をご紹介したいと思います。
天野 正子氏の著書「老いの近代」 の一節です。
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「状況」の崩壊が創造をうむ。
このように考えれば、さまざまな「障害」を自分の人生に組み込んでいく
高齢社会は、豊かな創造にみちた社会ということになる。
高齢化していく社会、その意味で「絶望」よりも「創造」に向かっている
のであり、社会のあり方を根底から見直す機会の到来を示唆しているかも
しれない。
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少子高齢化という課題に悩むこの国に、新たにパンデミックという課題が
加わりました。
これからもこの「障害」は増えていくかもしれません。
でも、天野氏がおっしゃられているように、「障害」を乗り越えて
「創造」に向かうのであれば、この障害をもっと前向きに捉えることが
できるようになるかもしれません。
この機会を有効に、そして前向きに使うことが、この国を救う唯一の方法かもしれません。
この機会をこの国の財産である子供たちの明るい未来のために、そして
若者の希望につなげるべきでないかと強く思います。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
お勧めの書籍