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縮小への危機感(1/2)

2020年05月12日
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緊急事態宣言が5月末まで延長されました。

やっぱりというか、仕方がないというか。

でも、残念な気持ちには変わりありません。

仕事ができずに将来に不安を感じている人が多いのが実情です。

先が見えない不安感はとても辛いのではないでしょうか。

安倍首相の口から「コロナ時代の新たな日常」という言葉が出てきまし
た。

我慢だけでなく、我々は日常の生活を大きく変えていく必要性に迫られて
います。

近年この国では大きな改革は起きていませんでした。

本当は1990年代のバブル崩壊の時に大きな改革が必要だったのではないか
と筆者は考えています。

今回の記事は、コロナ時代にどのような考え方で、どんな生き方をして
いくのがいいのか。

ある意味我慢を強いられる日常の中で、どのように生きがいを見つけて
いくべきなのかを「日常の改革」という観点で少し筆者の考え方を
まとめていきたいと思います。

そのためにも、まずこの国が置かれている状況をここでもう一度
しっかり把握する必要があるのではないかと筆者は考えています。

 

バブル崩壊後の30年

 

バブル崩壊から約30年。

失われた10年とか20年とかいう言葉はもう最近では聞かなくなってしまい
ました。

その代わりに出てきた言葉が、縮小(マイナス)社会。
(まだ失われた30年という言葉の方がましかもしれませんね)

とうとう、長い間の「停滞」から「縮小」へと変化してしまいました。

日本はバブル崩壊後、なぜ停滞してきたのでしょうか。

それは、バブル崩壊の影響で考えなくなったからかもしれません。

 

そんな日本の状況は、客観的なデータを並べてみるとよくわかります。

まさに縮小といえるデータが満載です。

世界の中での存在感が薄れていることが実感できるデータなのです。
(存在感の低下は以前の記事でもご紹介しています)

 

コロナ時代に生きがいを持って生き抜くためにもこのデータをよくよく
頭の中に入れておく必要があると思います。

人口減少や少子高齢化については、当ブログ記事で頻繁にお知らせして
きましたのでここではあえて言及する必要はないかと思います。

それ以外にも日銀が躍起になって取り組んだデフレ対策。

しかし、なかなかその効果は出てきません。

そして客観的なデータは他にもこんなにもあるのです。

 

GDPの停滞

 

世界の一人当たりの名目GDPで比較するとよくわかります。

世界の中での日本のランキングは2018年度で26位。

主要7か国(G7)の中ではイタリアと共に一番低位に沈んでいます。

日本は、2000年のランキングでは世界第2位でした。

 

その凋落ぶりは、2000年と2018年のランキング1位のルクセンブルクと
比較するとよくわかります。

ルクセンブルクは2000-2018年の間に235%もGDPが成長しているのにも
かかわらず日本は102%と停滞しているのです。

 

 

 

 

日本人の生み出す力が伸びていない。

日本の労働生産性は成長できていないのです。

停滞しているだけでなく、世界から置き去りにされている。

世界が成長できているのに、日本は縮小しているといえなくもありませ
ん。

なぜこうなっているのかを一人一人が真剣に考えなければならない状況に
なっています。

 

平均給与減少

 

その効果は働いた対価として私たちがもらう給与にも明確に反映されて
います。

少し古いデータですが、2015年に国税庁が調査した日本人の給与の平均
は、正規社員で平均418万円(年収)、非正規で171万円(年収)だった
そうです。

これも2000年と比較すると、減少傾向にあります。

欧米では2000年と比較すると、平均で2倍近くも給与が伸びているのに、
この日本では給与も停滞し縮小しています。

日本の初任給は約20万円、でもアメリカでは約50万円。

世界で一番高いスイスでは70万円を超えています。
(スイスは一人当たりの名目GDPでも上位にランキングされています)

物価の違いも影響しているものの、日本の給与はもう高いとは言えない
のです。

税金の高い欧州の国で給与が高い傾向にありますが、日本も高齢化の
進展とともにこれから社会保障費が伸びていきます。

お金がすべてではありませんが、生きがいを持って生きていくためにも
収入も大事だと感じます。

下記のグラフを見てください。

日本の生産性の低さに警鐘を鳴らし続けてきたデービット・アトキン
ソン氏が著書の中でまとめたものです。

1999年の賃金を100とした場合に、どれだけ増減したかを表して
います。

皆さん、このデータを見てどう思われますか?

 

 

 

欧米各国の給与は過去20年間上がり続けているのに対して、日本の給与は
逆に下がっています。

そんな中で以前の記事でもご説明した通り、個人の収入は減少している
のに企業の内部留保だけは飛躍的に伸びています。

日本の労働分配率は1997年の64%から2017年には56%に低下し、この間
に企業の内部留保は200兆円から500兆円に急増しています。

ようするに日本の企業は、利益を社員に還元せずに貯めこんでいると
いうことになります。

今回のコロナウイルス禍で企業の内部留保の多さが評価されているよう
ですが、本当にそれが正しいのでしょうか。

 

 

 

 

60歳以上の高齢世帯は退職金等の効果もあり、2000万円以上の貯蓄が
あるようですが、40歳未満の世帯の貯金は600万円程度、反面負債が
1200万円となっています。

給与の停滞と縮小は安定した生活を困難なものにしています。

 

さらに、上記の正規雇用と非正規雇用の所得差はある意味深刻です。

 

正規の社員だと配偶者を持てる人が60%から70%いるようですが、非正
規の社員だとそれが30歳代になっても30%程度と70%もの人が結婚でき
ないそうです。

これでは少子化が加速し、高齢化の対応ができません。

貯蓄金額の平均値は2000万円を超える人がいる中で、貯金額の低い世帯
も多くある。

今後、所得が伸び悩み、高齢化が進展していけば、更に貯蓄率は低下
していくことが予想されます。

高齢者の預貯金も既に年金だけで食べていけない状況を見ると、これから
は目減りしていく一方になるかもしれません。

 

この国では働いても貧困という過酷な状況が広がっています。

 

生活保護

 

生活保護については以前の記事でも書きました。

 

戦後の混乱期、人々を困窮状態から救うために始まったこの制度。

生活保護の受給者は戦後の昭和26年の200万人から平成7年には80万人に
減少しました。

でも、最近は急増して平成27年に214万人となっています。

保護率は1.7%。

100人に1.7人(約2人)と決して無視できない数字(データ)です。

戦後の混乱期よりも悪化しているのです。

 

世間体を気にして、本来であれば受給資格があるのに申請していない
「隠れ生活保護」も入れるともっと大きな数字になるのではないかと
筆者は危惧しています。

病気や障害、高齢化等の何らかの理由で収入を得られない。

そう、この国は急速に貧困化しつつあるのです。

そして、生活保護の受給者に高齢者の方々が多いという実態があります。

サラリーマンのように年金をそれなりにもらえる人ばかりではないのです。

そこに、介護離職による生活困窮者も増えているという実態が加わります。

これからさらに高齢化が進展していく中で、とても心配な状況になるかも
しれません。

 

相対的貧困率

 

相対的貧困率とは、収入がその国の所得の中央値より半分以下の世帯の
割合のことです。

日本の所得の中央値が350~360万円くらいだと言われていますので、
年収が170万円以下の世帯がその対象になるのではないかと思います。

この170万円という数字を見て、筆者はちょっと待てよと思いました。

そう前述の非正規の平均年収が171万円だったからです。

非正規の方々は、この相対的貧困率に陥っている人が多いともいえます。

 

この状態を政府や非正規を雇っている企業の経営者はどこまで正確に把握
しているのでしょうか。

少し恐ろしくなりました。

この相対的貧困の家庭が、日本では15.6%もあるわけです。

つまり、7世帯のうち1世帯が相対的貧困にあたることになります。

 

しかも、一人親の家庭に限った場合、相対的貧困率は50.8%にもなる
ことが厚生労働省の調査により明らかになっています。

とくに女性の母子家庭が危険な状態にあるのです。

今回のコロナウイルス禍のような状況になれば、このような方々が
一番被害を被ることを多くの人間が認識する必要があるのではない
でしょうか。

 

この国が置かれている現状の認識は、まだまだ続きます。

あまりにも厳しい現状ばかりだと元気もでないので、今回の記事は
ここまでにして次回の後編にて続けてまとめていきたいと思います。

 

今回の記事も最後までお付き合いを頂き、ありがとうございました。