人生100年時代の人生設計力
NHKの大河ドラマ「麒麟が来る」が、放送再開となりました。
毎週日曜日、楽しみにされている読者も多いのではないでしょうか。
日本ではこのドラマで表現されている戦国時代の頃から第2次世界大戦
後まで人生50年時代が長く続いてきました。
大河ドラマの常連である織田信長が、「人間、五十年~・・」と扇を
持って踊る場面を筆者もよく覚えています。
この国に住む人の人生を2倍にも膨れ上げさせた長寿革命。
(寿命革命ともいわれています)
この大きく伸びた人生をどう捉えるかによって、生き方は大きく変ると
感じています。
今回の記事は、長くなった人生をより良く生きていくためには何が必要
なのかを最近参加したあるイベントを通して考えてみたいと思います。
画像素材:いらすとや
織田信長は49歳でなくなりましたが、本能寺の変がなければいくつまで
生きたのでしょう?
何かが足りない
先日の記事でもご紹介した「生涯現役促進地域連携事業」、調査の為に
あるイベントへと出かけました。
地元兵庫県のとある自治体が推進する生涯現役促進地域連携事業のプロ
グラムに参加してみました。(毎週1回計4回のプログラムでした)
平日に開催されるイベントなので、どれくらいの方が参加するのだろう
と興味津々でした。
プログラムの内容は、「特定の業界に対するバックオフィースの知識」
を付けてその業界に就業することを目的とした講座でした。
参加者は平日の午後開催ということもあってか、リタイヤされて就業し
ていない方ばかりでした。
初回の参加者は8名、でも2回目からは6名(私を含む)に減ってしま
いました。
参加者の年齢は61歳から76歳で、殆どが前期高齢者の皆さんでした。
こんなプログラムに参加するので、なんとか働きたいと思っている方々
ばかりです。
やはり企業を定年退職すると、なかなか仕事は見つからないようです。
講師の方への質問も多く積極性もあるのですが、プログラムが進む中で、
筆者はあることを感じたのです。
画像素材:Jim Mayes
イベントが行われたのは、すみれの花ととても関係の深い街です
企業を定年してからのブランクはどれほどなのかはよくわかりませんで
したが、セカンドライフに向けた準備は不十分だったのかもしれないと
感じたのです。
長く働く為には今まで積み重ねてきた経験以外に必要なモノがあるので
すが、筆者は “何かが足りない” と感じてしまいました。
そう感じた最初のきっかけは、プログラム第2回目の冒頭に行われた
自己紹介でした。
講師の方から手渡された案内には、下記の項目について自己紹介して
欲しいと記されていました。
①氏名
②年齢
③以前の職業、経験について
④過去やっていた趣味、現在やっていること
⑤将来の目標、やりたいこと
⑥この講座に参加しようと思った理由
全員の自己紹介が終った後、筆者は感じたのです。
皆さん企業でそれなりの経験を積まれてきた方ばかりで、それなりの知
識もあるのですが、これからやりたいことや明確な目標を持っている人
はとても少ないのだと。
(あっても言わないこともありますので間違いかもしれませんが)
やはり高齢期になる前に、企業を定年退職するまでにセカンドライフの
目標や方向性を持っておくことがとても大事だと感じたのです。
そして、もう一つ足りないと感じたことがあります。
それは時代の変化についていくことも大事なことだということです。
具体的に例を一つ上げると、インターネット関連の知識です。
皆さんスマホはお持ちなのですが、ネットを使いこなすのが少し苦手で
した。
スマホやパソコンで「検索」をしたことがない方もいたのです。
画像素材:いらすとや
高齢期でもパソコンやスマホを使い込むデジタルおじさんは結構います
これからセカンドライフで活躍する為には、ネットの知識も含めて必要
なモノがいくつかあります。
簡単に言えば、パソコンやタブレット、スマホを使いこなす知識もその
一つかもしれません。
確かに若い方は生まれた時からパソコンやスマホがあり、全く違和感な
く使いこなしてきたものばかりですが、高齢期の方々にとっては会社
以外で使うことは少なかったのかもしれません。
筆者の孫は、生まれた時からスマホやタブレットがおもちゃでした。
今(5歳になりました)は、タブレットを完璧に使いこなしています。
筆者は会社でコンピュータや通信関連の仕事をしていた関係で、そんな
に困ることはないのですが、それでも専門用語にはついていけない時も
あります。
仕事や生活に必要性がなければ、仕方がないのかもしれません。
でも、今は働くにしてもパソコンの知識は必須です。
そのスキルの必要性をどのように感じて身につけるか。
この考え方を身に着けているか否かの違いをこのプログラムから痛感さ
せられたのです。
決してスキルの問題ではないのです。
ただ、時代について行けているかどうかの問題なのです。
この感覚を磨けば、社会の中で自分を活かせる場を「検索」できるよう
になるかもしれません。
人生を自ら設計する時代
筆者はこのプログラムに参加して、長くなった人生を有意義に過ごす為
にはやはり自分の人生の設計力が大事だと強く感じてしまいました。
一昔前であれば、20歳前後に就職して、結婚し、子供たちを一生懸命
育て上げて、60歳を過ぎたら退職、そして後は孫の成長を楽しみなが
ら余生を送るといういわば画一的な人生モデルだったのかもしれません。
このブログの表題にもなっている「(人生の)勝利の方程式」。
受験戦争をなんとか切り抜け、(できる限り)著名な大学に入って、
(良い)企業に就職し、そして一つの企業を真面目に勤め上げて定年後
は退職金と年金で余生が送れる。
人生がそんなに長くなかった時には、この勝利の方程式はしっかり機能
していました。
でも、人生が「寿命革命」のお陰で飛躍的に伸びた関係で、この方程式
に頼る生き方には疑問符が残るようになったのです。
まずは人生は長くなったと認識することから、セカンドステージの準備
を進めなければならなくなったといえます。
そこで必要なのが(人生100年時代の)人生設計力を身に付けるという
ことになります。
人生多毛作時代の発想術
人生が長くなった分、複数のステージに変更していきながらの生き方も
可能となりました。
人生60年や70年の感覚や価値観、ライフスタイルのまま長い人生を
生きていくことは非常に危ういことになった今、どのようなステージを
セカンドライフの中に描くのか考えることはとても重要になりました。
コロナの影響や格差の問題で生きにくいと感じている人は、以前より
増えているかもしれませんが、この作業はとても大事なことになったの
かもしれません。
この作業とは、
「セカンドライフに入る前に長くなった人生のキャンバスに自分のステ
ージを描く」
という作業のことです。
ここにはやはり発想の転換が必要なのかもしれません。
画像素材:いらすとや
人生が長くなった分、自分のキャンバスはより大きく広くなりました
人生が長くなったことを前向きに捉え、
長寿社会(日本の社会)に生まれたことをある意味「特典」と感じて、
自分にチャレンジすることが重要になったのだと思うのです。
そんな思いから自分自身のセカンドライフの設計をする。
そう、我々一人一人が人生100年時代の設計力を養う時代になったのだ
と。
セカンドライフのステージを描くことができれば、必要なスキルや知識
は明確になります。
後は自分の努力次第。
時間があれば、出来ないことはないはずです。
筆者が参加した上記のプログラム、このプログラムに参加する前にまず
自分のセカンドライフを設計しておく必要があるのです。
まずは、それに気付くことが大事です。
その気付きをどこで見つけるか。
筆者の場合は、働きなれた自分の会社を離れた「異業種交流会」でした。
そして、様々な会社人間が集まる「社会人大学院」でした。
時間もお金もかかりましたが、今思えばあの時行動しておいてよかった
と感じています。
一つの会社に長く勤め上げることを美徳としてきた日本のサラリーマン
には厳しい要求かもしれませんが、気付きがあって行動に移せる人であ
れば、後は時間が解決してくれます。
そう人生が長くなったことで、「もう遅いよ!」ということは全くない
のですから。
今回の記事は、最近参加したイベントで感じたことを記事にしてみまし
た。
高齢期で仕事を見つけることは至難の業となりましたが、自分のやりた
いことを見つけた上で、その準備をすることはセカンドライフを有意義
に過ごすことに繋がります。
どこにチャンスが落ちているかわかりません。
迷うならまず行動してみることも大事なのではないでしょうか。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
2018年10月21日に初投稿をさせて頂いてから、今回の記事で
2周年を迎えることとなりました。
2年間で読者の皆様もたくさん増え、記事へのアクセスも増えました。
そして、平均アクセス時間も随分と前から5分を大幅に超えており、
こんな面白くもない「真面目腐った」記事を読んで頂いている読者の
皆様に感謝の気持ちで一杯です。
これからも頑張って、読者の皆様が幸せな人生を送れるように、情報
発信を続けていきたいと思います。
どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。
次回の記事の投稿は、10月29日を予定しております。