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金利に頼らない老後とは

2020年12月28日
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低金利時代と言われてもうかなりの時間が経ちました。

 

銀行にお金を預けても、まったく金利(利息)は付きません。

リスクを負わなければ、お金からお金を生み出すことが難しい時代に
なりました。

 

「金利なき世界」と言われる時代がどこまで続くのか。

 

世界経済が復調を見せ始めた時に世界を襲ったコロナ禍の影響が薄れる
までは期待ができそうにありません。

 

今回の記事は、金利なき世界の影響が老後にも大きな影を落としつつあ
る現状について取り上げてみたいと思います。

 

 

年金にも低金利の影響が

 

 

読者の皆さんも年金制度については、少しは知識があるはずです。

政府は現在65歳としている年金支給年齢を70歳まで引き延ばす検討
をしています。

 

この年金、皆さんもご存知の3階建て構造になっています。

 

1階部分は国民年金(基礎年金)、2階部分は自営業者等の第1号被保
険者の場合は国民年金基金で、サラリーマンや公務員等の第2号被保険
者の場合は厚生年金となっています。

 

この1階と2階を合わせて、公的年金と呼んでいますが、この公的年金
と3階部分の企業年金とでは少し意味合いが異なります。

 

3階部分の企業年金は、従業員の福利厚生の一環として会社が任意に、
厚生年金に上乗せ給付を行う制度です。

 

企業年金には給付額が予め決まっているものと、そうでないものがあり
ます。

 

サラリーマンの皆さんがよく耳にする確定拠出型年金は、会社または
個人が拠出した掛金を、従業員(加入者)が自分で運用し、その結果に
よる給付を受け取る制度です。

 

この企業年金に最近異変が起きているらしいのです。

 

 

 

 

 

予定利率の大幅低下

 

 

企業年金の場合、労使の合意を得た年金規約に基づいて、会社と外部
機関(信託会社や生命保険会社など)が契約を結び、母体会社の外で
年金資産の管理・運用、給付を行いますが、その際外部機関と会社との
間で約束している予定利率が大幅に下がっているとの情報が最近流れて
いるのです。

 

一部の生命保険会社等の金融機関が企業から預かった年金資金の運用で
約束している予定利率を大幅に下げるとのこと。

 

その下げ幅は、1.25%から0.25%とかなり大きなものです。

 

金融機関が企業から預かったお金が仮に1億円だとすると、金利の額は
125万円から25万円と5分の1になってしまいます。

 

そう預金だけでなく、我々の老後を支える為の制度である年金でも金利
が消滅(大幅減少)しようとしているのです。

今は、約束した金利を守れないとする正直な金融機関が先行しています
が、おそらく他の金融機関もこの動きに追随することは容易に予想する
ことができます。

 

この年金にも大きな影響を与える「金利なき世界」は、今後も長引く
可能性が大きく、少なくともコロナの影響がなくなるまでは厳しいと
思った方がよいと考えられます。

 

我々はこれから多くの低金利に苦しむことになるのかもしれません。

 

・預金の低金利

・(企業)年金の低金利

・(安定・低リスク型)投資の低金利

 

給与も増えない中で、ますます将来設計が難しくなる状況が続きそうで
す。

 

おまけに以前の記事でもご紹介したようにローン(借金)の高齢化の
影響が足を引っ張る可能性もあります。

 

お金が増えない時代にどう生活をやりくりしていくのか。

思案に悩む時代が続くかもしれません。

 

 

 

画像素材:Jim Mayes
コロナ禍、ニューノーマル、思案の時代といえるのかもしれませんね

 

 

 

何を頼りにしていくのか

 

 

バブルの時代から人々はいつしか不動産投資や金利に踊らされるように
なってしまいました。

この頃から「財テク」という言葉が急に流行り始めたのです。

高度経済成長の時代は、真面目に一生懸命働けば生活ができた時代でし
た。

 

いつの間にか、お金に頼る時代になり、お金に振り回される時代になっ
てしまいました。

 

たくさんのお金があればうまく運用したり、投資に充てたりでお金を
増やすことも可能ではありますが、こんな時代だからこそ金利等に振り
回されず、働けるうちはいつまでも働いて社会に貢献できる道を選択し
てみたいものです。

 

その時に大事になるものは何かをポジティブに考えてみて、自分の最良
の道を探す。

そうすればお金に振り回されずに済むかもしれません。

 

 

筆者には悩んだ時や困った時に拠り所にしている言葉があります。

 

とても大好きな言葉でもあります。

 

 

一燈を掲げて闇夜を行く

闇夜を憂うること勿れ

只一燈を頼め

 

 

この句はあの幕末の志士、西郷隆盛にも大きな影響を与えたという江戸
時代の儒学者である佐藤一斎先生の著作『言志四録(げんししろく)』
に収録されています。

 

提灯を掲げて暗い夜道を歩いている。

夜道の暗さ(自分の置かれている辛く厳しい状況)を嘆き悲しむなよ。

只ひたすらに提灯の一燈(僅かな可能性)を信じて迷わず進んではどう
か。

 

という意味の言葉ですが、いろいろな解釈をすることもできます。

 

人は厳しい状況を迎えると、誰もが不安を感じ、判断を誤るかもしれ
ません。

すぐに安易な方向へと流される可能性すらあります。

そんな時に、「一燈」とは一人だけの暗夜の中で自分が頼りにできる
僅かな灯りです。

 

 

 

画像素材:フォトサリュ
鉄道のようにレールが敷かれ、信号があればいいのですが・・
人生を前へと進めるためにも「一燈」を持つことが大事だと思います

 

 

 

その「一燈」とは何か。

筆者はその一燈とは、自分を最良の道に導くものだと思っています。

それはある時には技術や資格であったり、頼りにできる人脈や組織で
あったりするのかもしれません。

 

でも筆者は思うのです。

 

その一燈が、いつまでも続けれる、自分の生涯をかけるだけの価値が
ある仕事ではないかと。

 

その仕事を通じて社会に貢献できれば、それ以上のことはないと。

 

その仕事(社会の中での役割)があれば、金利等に頼らなくても生きて
いけると。

 

その為には、年齢に関係なく生涯好きな仕事ができる環境整備が必要だ
と思うのです。

だからこそ、政府の年金政策の為の雇用延長には大きな違和感を感じて
しまいます。

 

もっとこの国の国民の力が活かせる政策が必要です。

 

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。

 

今回の記事で今年(2020年)の記事投稿は最後となります。

1年間お付き合い頂き、心より感謝申し上げます。

コロナで謀殺された1年になってしまいましたが、来年こそはコロナ
の収束も含めて良い年になることを祈るばかりです。

次回の投稿は、1月4日頃を予定しています。

来年もよろしくお願い申し上げます。