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健康寿命をどう伸ばすのか

2021年08月14日
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日本人の平均寿命は世界一で、近年大幅に延びてきたことは今まで申し
上げてきたとおりです。

 

筆者が生まれた60年前と比較すると、男性で約16歳、女性では約
17歳寿命が延びています。

 

寿命が飛躍的に延びた理由は、食糧事情が良くなったこと、住宅環境が
良くなったこと、衛生面で環境が大幅に改善されたこと、医療技術が進
歩したこと等様々なことがあげられます。

 

しかしながら、その反面で健康寿命は延びていないという結果もハッキ
リと出ているのです。

 

平均寿命と健康寿命の差は、平成28年度の厚生労働省から発表されて
いるデータを見ると明らかです。

 

その差は男性で約9年、女性で約12年もあるのです。

 

これは平均寿命を比較対象としているため、平均寿命より長く生きてい
る高齢者の皆さんにとってみると、他人ごとではないほど厳しいデータ
になります。

 

 

 

出所:厚生労働省のホームページから統計数値を抜粋
平均寿命が延びても健康寿命が延びないのでは意味がありません

 

 

 

 

仮にある男の人が90歳まで生きたとすると、健康寿命との差はなんと
約19年。

 

男性よりも長生きする女性の場合はもっと厳しい数字になります。

 

仮にある女性が100歳近くまで生きたとすると、約25年以上もの間
不健康な時期を経て死ぬことになるのです。

 

真剣に考えるととても怖い数字です。

 

読者の皆さんが、オギャーと生まれてから25歳になるまでずっと病気
のまま過ごすということなのです。

 

ある意味、四半世紀も苦しんだ後に死ぬことになると考えただけでとて
も憂鬱になってしまいます。

 

そう、長生きすればするほど苦しむ期間が増えることになるのです。

当然のごとく、個人差はありますが、あまり嬉しいことではありません。

 

以前の記事でも書いた通りPPK(ピンピンコロリ)で死ねることを望ん
でいる人にとっては聞きたくない話なのです。

 

 

個人差だけでなく、地域差も存在する

 

 

この健康寿命、国も注目しています。

なぜなら医療費を中心とする社会保障に直結するからです。

 

医療費を削減する為には、高齢者の皆さんになるべく健康でいて頂く必
要があります。

 

この医療費、以前の記事でもご紹介したとおり、高齢期に爆発的に延び
る傾向があります。

 

下図を見てみてください。

 

 

 

年齢別生涯医療費の推移 出所:厚生労働省が発表した厚生労働白書

 

 

 

少し古い統計データなのですが、2010年の厚生労働白書のデータか
ら生涯医療費を見ると、一人当たりの生涯医療費は約2400万円もか
かっているそうです。

 

その費用を年代別にしてみると、もっと恐ろしいことがわかります。

 

70歳未満(約70年間)の医療費と70歳以上(残りの人生)の医療
費はほぼイコールだというのです。

 

平均寿命が男女共に80代であることを考えると、いかに高齢期の方々
の医療費が高額なのかがわかります。

 

このデータからも国が健康寿命を延ばしたい理由はハッキリと理解する
ことができるのです。

 

実は、この健康寿命には地域差があります。

 

2016年度の健康寿命の統計データを都道府県別にみると、男女とも
健康寿命が長い全国ベスト5に入っている県が2つあります。

 

それは、山梨県と愛知県です。

 

その中で山梨県は男性では1位(73.21歳)、女性では3位(76.
22歳)と群を抜いています。

そして男性だけを見ると2010年から2016年までトップを維持し
ているというから驚きです。

 

なぜ、山梨県がこんなに健康寿命が高いのか?

 

筆者も少し気になって調べてみました。

 

健康食の記事でもご紹介しましたが、体に良いワインの産地でワイン
をガンガン飲んでいるからなのでしょうか

 

・自然が豊かで富士山を見ながら皆さん運動をしているからでしょうか

 

実は山梨県の健康寿命が長い理由を、AIを使って分析した結果がネット
に公開されていたのを見つけてしまいました。

 

そのAIが導き出した理由に筆者は思わず「噓でしょう!」と呟いてしま
いました。

 

その理由は、なんと「読書」らしいのです。

 

なんと、山梨県は、人口に対する図書館の数が断トツで全国1位

 

人口10万人に対する図書館の数は全国平均が2.61のところ、山梨
県は6.59と2.5倍。

 

さらに、山梨県は、図書館司書の普及率が全国トップクラスらしいので
す。

 

高齢期の健康を維持する方法の中で、学ぶことの重要性は筆者も知って
いましたが、まさか健康寿命にも大きな影響を及ぼしているとは考えて
もみませんでした。

 

本を読んで学ぶことは脳の活性化に大きく貢献しているようです。

 

よくよく考えると納得できますね。

 

 

 

 

画像素材:フォトサリュ 山梨県といえば富士山ですね 雄大です

 

 

 

国別でも差がある

 

 

実は健康寿命世界一は日本ではありません。

 

え!なんで

 

と思われる方も多いのではないでしょうか。

 

平均寿命が一番高い日本が、健康寿命世界一ではないのは不思議です。

 

実は、健康寿命が一番高い国は、同じアジアのシンガポールです。

 

 

 

 

 

 

 

 

画像素材:いらすとら シンガポールといえばマーライオンですね
凄い豪華なホテルもあって、とても豊かな感じがします

 

 

 

シンガポールは、平均寿命と健康寿命の差も世界一短いことがわかりま
した。

 

ここでも筆者は、なんでシンガポールなんだと思い、調査してみました。

 

その理由を知って「なるほど」と納得してしまったのです。

 

シンガポールも日本同様医療レベルがとても高いのですが、健康寿命世
界一の理由は他にありました。

 

シンガポールは日本のように年金制度がないそうです。

その為にシンガポール政府は、国民に強制的に貯金をさせているような
のです。

高齢期での医療費は、その貯金から天引きされるそうです。

 

ここまで書くと、読者の皆さんも理解できると思います。

 

そう、健康でいないと「貯金」が減る・・・

 

ということなのです。

 

さすが、シンガポール政府は頭が賢いと感心させられました。

 

コロナ対策で日本は政策を失敗したのかもしれません。

ITを使ってキチンと自粛した人にお金を渡す仕組みにすれば、街中に出
歩く人ももっと抑えられたのかもしれませんね。

 

でも、これから益々高齢化が進展していく中で、自身の健康を長く維持
していくにはどうすればいいのでしょうか?

 

健康食や運動、様々なことにチャレンジしている方も多いかもしれませ
んが、もっと多くの事を知って頂き、ご自身の健康寿命を延ばすことが
この国を救うことになるのです。

 

健康寿命をもっと意識する人が増えることを祈るばかりです。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、感謝申し上げます。