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コロナ禍だから早期退職は当たりまえか?

2021年10月09日
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コロナ禍を理由に企業のリストラが加速しているようです。

 

早期退職や希望退職の波が高齢期の社員を中心に襲い掛かっているので
す。

 

「コロナ禍だから仕方ないんだよね!」

「コロナ禍なので、ゴメンね!」

 

こんな情けない経営者ばかりではなく、本当にご苦労されている経営者
も多いことは理解できるものの、コロナ禍がリストラの言い訳になりつ
つあるようです。

 

リストラは赤字経営の時や構造改革が必要になった時に実施するもので
すが、コロナの影響で先行きが不透明だとしてリストラを決め込む企業
も少なくありません。

 

行き詰まる前に今のうちに給与が高止まりしている高齢期の社員を整理
する絶好の機会だと決め込んでいる企業もあるのかもしれません。

 

かつてはリストラすることを恥に思う経営者が多く、やむなく実施する
場合も子会社や関連企業への転籍や出向先等を模索するケースが多かっ
たのです。

 

それが、バブル崩壊以降に様相が一変してしまいました。

 

 

相容れないもの同士の同時進行

 

 

バブル崩壊後、日本企業にも多くの外資が資本参入してきました。

よくいう「モノ言う株主」様の登場です。

 

当然のごとく、企業経営は株主重視の傾向になり、リストラをすると株
価が上がるという奇妙な現象が起き始めたのです。

 

ここに至って、日本的な経営である「人を大事にする経営」は崩壊し始
めたのかもしれません。

 

そんな延長線上なのか、コロナ禍で熱気すら帯び始めた企業のリストラ
は今も収まる気配がありません。

 

東京商工リサーチが調査した数字によると、今年(2021年)6月時
点で、上場企業の希望退職を実施している企業は50社を超え、募集人
員は1万人を超えていました。

この数字は氷山の一角で、上場企業のグループ傘下企業や関連企業、
そして非上場の企業も含めれば凄い数字になると思います。

 

年金制度改革対応で、65歳迄企業で働ける時代になりました。

 

そして、政府は年金支給年齢を引き上げる為に、70歳迄働ける仕組み
を進めています。

 

しかし、企業のリストラ対象は、50代は当然のこと、年金政策対応で
雇用延長した筈の60歳以上の社員も対象になっています。

 

国が進める年金政策対応に仕方なく応じてきた企業に、コロナ禍という
言い訳ができました。

 

こんな事態を国はどのように捉えているのでしょうか?

 

これでは、年金制度改革等骨抜きの意味のない制度になりかねません。

 

この「雇用延長」と「希望退職と早期退職」という相容れないもの同士
の同時進行を国は直視
すべきです。

 

 

 

筆者がサラリーマン時代を過ごしたオフィスから見える光景です
窓際にあった席から振り返るとレインボーブリッジが見えました
会社に残っていれば、こんな一等地の環境で働けた筈ですが・・

 

 

企業は本当に苦しいのか

 

 

どんな企業がリストラをするのでしょうか。

 

外食産業や宿泊観光業等を中心にコロナの影響で赤字経営に陥った企業
も多いことは事実ですが、製造業を中心にまだ多くの企業は黒字です。

 

巣籠需要で、その恩恵に授かった企業も少なくありません。

筆者が長く勤めていた企業もその一つです。

 

しかしながら、先日元同僚から連絡がありました。

 

「会社の早期退職に応募して9月末で退職することにしました」

 

話を聞くと原則40歳以上の社員を対象にしているようですが、本当の
ターゲットは50歳以上の社員であることが理解できました。

 

昨年3月筆者が定年退職した際、退職者のほぼ9割は会社に残る雇用延
長を選択しました。

 

その時、会社に残ったメンバーも退職を勧告されたことは容易に予測で
きます。(早期退職は基本希望者だけですが、残念ながら実際にはそう
ではありません)

 

なぜ、業績は悪くないのにリストラをするのでしょうか?

 

コロナが経営者に絶好の「言い訳」を与えたのです。

 

コロナ禍で、経営者は自身の資質を試されているのかもしれません。

 

信念や理念を貫くのか、それともコロナ禍で仕方ないと諦めるのか。

 

 

 

筆者の会社のオフィスから見える景色です、一等地ではありませんが、
ここにいると落ち着きます。(仕事の都合で殆どいませんが・・)

 

 

 

経営者の資質

 

 

 

前述のようにバブル崩壊以降、日本の企業も大きく変わり、そして経営
者の資質も大きく変ってしまったように感じています。

 

熾烈な国際競争に巻き込まれたとか、日本人のコスト(給与)は高くな
り過ぎたとか、いろいろな意見は聞きますが、国際競争は世界中どこへ
いっても平等です。

 

そして、日本の給与は決して高くありません。
(非正規が激増した影響で、逆に低くなったのかもしれません)

 

そんな中、経営者は簡単にリストラをするようになったのかもしれませ
ん。

 

筆者がまだ若い頃、リストラという言葉はいわば禁句でした。

 

そんな中で、バブル崩壊!

 

当時、筆者の会社でも初めてリストラというものをやったのですが、
(創業者はリストラを嫌い、最後までやりませんでした)
当時の経営者は筆者にこんな風に心境を漏らしていました。

 

 

「夜道は一人では歩けない・・」

「社員は俺を恨んでいるんだろうな・・」

 

 

この経営者の心の悩みはひしひしとまだ30代前半だった筆者にも伝わ
ってきました。

この言葉は、怖いという気持ちではなく、自分への戒めだったのだと思
います。

 

今思い返すと、きっと夜も眠れない日々を送っていたのかもしれません。

 

バブル崩壊後のリストラは、やりたくないものを仕方なくやったという
感じでした。

 

まさに腫れ物に触れるように慎重に、そしてそこには経営者の責任とい
うものが確かに存在していました。

 

でも、その後10年もすると、この経営者の責任というものが見えなく
なってしまったのです。

 

筆者が長年勤めた会社の経営者(上記の人とは別の人)は、あろうこと
かとんでもない発言をしていました。

 

「45歳以上はみんな要らない!」

 

思わず「それはあなたを含めてのことですか?」と呟いてしまいました。
(当時、筆者は40代前半)

 

この発言とほぼ同時期、当時の経団連会長だった奥田氏の発言を聞いて
経営者の資質はとても大事だと感じたのです。

その時の奥田氏の発言は、

 

「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」

 

というものでした。

 

読者の皆様は、このお二人の発言を聞いてどう思われますか。

 

経営者の責任 = 経営者の資質

 

といえるかもしれません。

 

というより、人間らしいか、それとも人間らしくないかの違いかもしれ
ません。

 

前述の筆者の長年勤めた会社の経営者のお二人は、退任後の振る舞いが
全く違います。

 

前者の方は自分で会社を立ち上げられ、多くの退職者を雇用されていま
す。

後者の方は、会社に残り名誉職として高額の報酬をもらい続けています。

 

この違いは、誰の為に何のために経営をしていたのかという違いだと思
います。

 

 

 

サラリーマン時代にはなかなか行けなかったところにも行けます
お世話になっている大学の先生の案内で支笏湖に行ってきました

 

 

 

会社には採用責任があるか?

 

 

 

閣僚に不祥事が起きると、総理大臣の任命責任が取りざたされます。

 

政治家に任命責任があるように、企業にも採用した責任があると思う
のです。

 

筆者も自分の会社で数多くのリストラを見てきました。

 

なぜ、高い技術力や豊富なノウハウがありながら、高齢期というだけで
会社を去らなければならないのか。

 

この疑問が、このブログを始めたきっかけにもなりました。

 

最近は業績不振でも、責任を感じて辞任する経営者は少なくなりました。

 

この代わり、社員をリストラすることで責任を回避しようとする経営者
が現れ始めたのではないかと感じる時があります。

 

人件費コストは企業にとって大きなウェイトを占めるために、経営改善
効果は大きいのですが、その業績を上げるのも社員です。

 

社員はその会社に入りたくて採用試験を受け、合格したからその会社の
一員となりました。

 

その社員を辞めさせるには、よほどの理由が必要です。

 

このコロナ禍を理由にしていいものかは、経営者の判断次第です。

 

筆者も高齢期に入った読者の皆様も、若い頃凄い経営者を見て育ちまし
た。

 

度胸があって、とっても恐いけれど、社員から尊敬されていました。

 

そして社員を自分の家族のように大事にしていました。

 

「失われた20年」の時代に経営者になった方はどんな方だったでしょ
うか。

 

筆者の感想では、社員から挨拶もされず、冷ややかな視線を送られる人
が多かったように感じます。

 

厳しい状況ではありますが、社員と共にこのコロナ禍を乗り切る勇気を
持った経営者が増えることを祈るばかりです。

 

 

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。