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会社 VS 社会

2021年12月25日
16

先日まで英国で行われていたCOP26の評価が分かれています。

 

大国の我が儘ともとれるゴリ押しで参加国共通の方向性が見い出せず、
開催期間を延ばした上で妥協案をまとめざるを得ないという幕引きとな
りました。

 

一定の成果はあったとする意見とは反対に、協議内容の一部始終を見た
若者は世界首脳の決議に失望したそうです。

 

大国を支える企業の利益を過度に追い求める姿勢と株主だけに報いる経
営姿勢に若者がハッキリとNOを突きつけたのです。

 

世界各地で甚大な被害を出している自然災害を背景に、大国や企業に対
して環境への配慮と社会への貢献を明確にするよう求め始めたのです。

 

若者は今までモノづくりを中心に生活を豊かにしてきた企業に対して、
今その存在意義を明確にするよう訴えているのかもしれません。

 

企業(会社)の存在意義とは何でしょうか?

今まで社会を豊かにしてきた会社が岐路に立っています。

会社と社会との関係性が、これまでで一番問われているのかもしれませ
ん。

 

会社と社会、実はこの2つの熟語は語源が同じなのだそうです。

 

 

会社と社会の語源

 

 

言葉をひっくり返せば同じなのですが、大きな違いがあるこの2つの熟
語。

 

共通点の「社」は古代中国語の「社」に由来する言葉らしいのですが、
その古代中国語によると「社」とは、土地の守り神のことを表すそうで
す。

 

大昔の日本をイメージすると、稲作を中心とした集落にも神様のような
存在があって、その神様を祀る為の人の集まりを「会社」とか「社会」
とか表現したという事になるのでしょうか。

 

ようするに、この2つの熟語は元々は同じ意味だったようです。

 

今の日本に置き換えると、土地の守り神とは神社を指すのかもしれませ
んね。

そうすると、神社を中心とした地域社会のことが「会社」とか「社会」
ということになります。

 

 

 

画像素材:フォトサリュ
子供の頃、家の近くにある神社に行きませんでしたか?
お正月は初詣、春は花見、夏は夏祭り、秋は収穫祭を兼ねた秋祭り。
神社の境内には多数の出店が出て筆者もいつも楽しみにしていました。

 

 

もう都会では見かけなくなりましたが、筆者の子供の頃はまだ家の近く
に神社があって、確かにその神社を大切に守る地域社会が存在していま
した。

季節ごとのお祭りだけでなく、初詣を近所の神社で済ます人も多かった
ように記憶しています。

 

その地域社会が、いつのまにやら「社会」の方が、人々の集団全体を表
すsocietyとして定着し、「会社」の方は、営利を目的として活動する人
々の集団をcompanyとして使われるようになったのです。

 

「会社」が「社会」と同じ意味で使われていたことは、とても不思議な
感じですがそれが、明治時代に西洋文化が入ってきた影響によって全く
違う意味で使われるようになったことも同様に不思議な感じがします。

 

でも、「会社」は元々「(地域)社会」と密接な関係にあったことは確
かです。

 

今でも地方にある会社は、地域社会に貢献することを公に謳っていると
ころは結構多いのではないかと思います。

 

筆者が長く勤めた会社の創業者は、会社を「社会の公器」と言い、社会
とのつながりの重要性を訴えていました。

企業は、社会が求める仕事を担い、次の時代に相応しい社会を創ってい
く役割があると。

 

要するに、「会社」は、「社会」の為にあると言っていたことになりま
す。

 

会社は、株主のものである前に社会のものだということです。

 

「会社」の為に「社会」はあるのか?

 

それとも、「社会」の為に「会社」はあるのか?

 

 

 

 

 

 

 

COP26で若者が訴えていたように、我々も一度ゆっくり考え直してみる
必要がありそうです。

 

もし、会社は社会の為にあるものであれば、地球環境に配慮することは
当然とも受け取れます。

 

前述のCOP26で我が儘を言っていた国は、近年急速に経済発展をしてき
ました。

 

しかし、経済発展の裏側では様々な問題が発生しています。

 

その一つが環境汚染、国民が深刻な大気汚染によって苦しめられていま
す。

 

国民(人)の健康よりも利益が優先されているのです。

 

そして、一部のエリート層以外の労働者(人)は低賃金で働くことを余
儀なくされています。

 

「会社」によって、「社会」を構成する(人)が粗末に扱われているの
です。

 

見方を変えれば、「会社」が「社会」を粗末に扱っていることになりま
す。

 

このCOP26で我が儘を言っている国のやっていることは、この日本でも
同様に行われています。

 

環境汚染は、過去の苦い経験から改善されましたが、この国の「会社」
は「社会」を粗末にし続けています。

 

格差が広がり、「社会」を構成している(人)が低賃金の非正規で働く
ことを余儀なくされているのです。

 

 

 

会社と社会は元々は同じ意味で、同じ社会の中、だから会社は人を大事
にしなければならないのではないでしょうか。

 

 

 

社会からの預かりもの

 

 

前述の筆者が長く勤めた会社の創業者は、この(人)についても言葉を
残しています。

 

社員は「社会」からの預かりもの

 

会社の社員は、「社会」を構成する大事な(人)の一人なのです。

 

だから大事に扱う(育てる・守る)。

 

会社が「社会」の構成員である人を非正規で雇用することがいいことな
のか?

 

企業(会社)が環境問題と同じように、雇用問題も真剣に考えるように
なればいいのですが・・・

 

 

 

美しい自然環境を後世に残すことも社会の大事な役目の一つです。

 

 

 

非正規への対応

 

 

新政権に代わってから、非正規の問題を解決するために政府は動き始め
ました。

 

しかし、その対応は少しピントが外れているかもしれません。

 

政府は、非正規から正社員への切り替えを目指して非正規社員に対して
研修を始めました。

 

ただ、非正規の方々はスキルが低くて非正規になっているわけではあり
ません。

 

企業が利益を確保するために、非正規扱いを受けているのです。

 

これからも非正規が増えていく中で、研修をやってもイタチごっこにな
るだけです。

 

もう一つ、政府の取り組みに「同一労働同一賃金」の推進があります。

 

政府は非正規従業員の待遇改善策として、正社員との不合理な格差を禁
じる「同一労働同一賃金」の徹底を掲げています。

 

新政権が重点を置く分配戦略の一環にもなっていますが、わざわざ「同
一労働同一賃金」を推進するなら、非正規を規制する方が会社側の負担
も少なくて済みます。

 

新総理は、企業に対して来春3%の賃上げを要請しました。

 

その反応は微妙です。

 

経営が厳しい中小企業は対応が難しい・・・

一律(3%)対応は難しい、企業の実情に合わせて対応を検討する・・

 

企業の賃金決定に政策で影響を及ぼそうとしても強制力はなく限界があ
るような気がします。

 

政府は「同一労働同一賃金」の対応は難しいと考え、能力開発で後押し
をするため前述の研修を始めたのかもしれません。

 

どちらも実効性がなく、中途半端というしかありません。

 

やはり、段階的にでも非正規を禁止していく方法が長い目で見ても確か
です。

 

そして、政府だけではなく、投資家にも変化があればいいのですが。

 

投資家も利益追求だけでなく、環境問題にも雇用問題にも積極的に取り
組む企業を評価し、取り組まない企業への投資を控えるようになれば、
企業も変わらざるをえません。

 

 

会社 VS 社会という勝負があった場合、会社が勝つということはあり
えないと思います。

 

それは、会社も社会の一部だからです。

 

会社も社会の中の(人)だからです。

 

会社が(社会の為に)支払う税金には、法人事業税・消費税・法人住民
税がありますが、法人(会社)も社会の中の人だから住民税があるので
す。

 

本当は、企業(会社)は全てが「社会企業(会社)」なのです。

 

 

 

企業はこれまで営利企業と非営利企業に分かれていましたが、昨年法制
化された労働者協同組合法が来年(2022年)施行されます。
組合員が出資し、組合員の意見を反映して組合の事業が行われ、組合員
自らが事業に従事することを基本原理とする新しい働き方です。
社会の為の企業、「社会企業」の早期誕生が望まれます。

 

 

 

社会の中の社会企業のあるべき姿を考えれば、環境問題も雇用問題も解
決するはずです。

 

この社会の中で、本当(真)の社会企業が増えることを望むばかりです。
(上図をご参照ください)

 

今回の記事も最後までお付き合い頂き、感謝申し上げます。