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前向きは長生き?

2022年05月14日
16

最近、地元関西と東京とを行き来することが多くなりました。

 

在来線や新幹線に乗ると、高齢期にさしかかったサラリーマンをよく目
にします。

 

コロナの影響もあるのかもしれませんが、相対的に元気がないように感
じてしまいます。

 

筆者もそうだったのですが、50歳を過ぎると自分の年齢が気になるよ
うになってきます。

 

20歳前後に学校を出て就業することになるこの国の働き方。

 

50歳になると最終コーナーを回って最後の直線に入るというイメージ
が強いのです。

 

そして、最後の直線を走り切ると定年というゴールが見えてきます。

 

どうしても年齢とゴールとが結び付いてしまいます。

 

でも、人生100年時代を迎え、自分の年齢に対する考え方を変える時
が来たように思えるのです。

 

今回に記事は、自分の年齢に対する意識や考え方を変えてみるというテ
ーマでまとめてみたいと思います。

 

 

 

画像素材:Jim Mayes  筆者の家の庭でよく餌探しをしていたツグミ
も温かくなってきたので、シベリアに帰ったようです

 

 

暦年齢より自覚年齢

 

 

6~7歳で学校に入り、勉強に専念したら、20歳前後で社会人になる。

 

この国でも成人が20歳から18歳になりました。

 

そして、これまでは60歳定年だったのが、今では65歳でリタイヤす
る。

 

全てが生まれてから起算する暦年齢で判断されて、決められたように動
いていきます。

 

社会のシステム(社会規範)がそのように動いているので仕方がない事
かもしれません。

 

必然的に我々もそれを素直に受け入れていますが、全ての人がこの暦年
齢に合わせて老いていくのかというと決してそうではありません。

 

遺伝的な要素はあるものの、個人差があるのに、社会にはこの暦年齢が
蔓延っています。

 

いつのまにか私たちもこの暦年齢に合わせて生きているのですが、そこ
に大きな落とし穴があると思うのです。

 

人生が長くなった分、自分で決めてコントロールすることが出来るよう
になったという自覚がないと、型にハマった生き方しかできなくなる危
険性をはらんでいます。

 

筆者は暦年齢ではなく、自覚年齢(筆者が勝手につくった造語ですが)
が大事だと思うのです。

 

自分の事は自分が一番わかっていると思うからです。

 

 

画像素材:Jim Mayes お隣の庭から越境してくるユキヤナギ
綺麗なので切らずにソッとしておいてあげて欲しいものです

 

 

前向きに捉えると長生き

 

 

2016年に英国医師会の会誌「The BMJ」(オンライン版)に面白い
記事が掲載されました。

 

その記事の題は、「自分は、まだ若い」と感じている人は長生きする
というものです。

 

筆者も含めて高齢期の方々の誰もがそう思っているのではないでしょう
か(笑)

 

上述の記事は、英国ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの研究報告
を掲載したもののようです。

 

この研究では、50歳を過ぎてから自分の人生を楽しんでいる人は、全
死因のリスクが低くなっていたそうです。

 

この調査は、英国で1万人弱の50歳以上の男性を対象に追跡調査を実
施したデータを活用し、個人の主観的な感覚である「人生の楽しさ」と、
死亡リスクの関係を分析しています。

 

幸福感を問うアンケートは諸条件に影響されることが多く、難しい面は
ありますが、この結果に死亡率との関係性を掛け合わせて解析した結果、
「人生に楽しみがある」と感じていた人は、そうでない人に比べて全死
因リスクが低下していたというのです。

 

自分はまだ若いと実感していた人の死亡率は25%低下していたことに
対して、年をとったと実感している人の死亡率は上昇していたそうです。

 

特定の国の1万人弱を対象にした調査研究結果をどこまで信じるかとい
うこともありますが、傾向としては国民性を超えて正しいものかもしれ
ません。

 

自分はまだ若いと感じて、これからの人生を楽しみに、前向きに捉えて
いる人が、健康状態や精神状態を良好に保てるといってもいいのかもし
れません。

 

同じような研究は、米国のイエール大学でも行われていて、年齢を重ね
ることについて肯定的に捉えている人の寿命は、否定的に考えている人
に比べてなんと7.6年も長いことが明らかになっていました。

 

いくら人生が長くなったといっても8年の差は大きいですね。

 

この方々はきっと暦年齢に左右されることなく、自分の自覚年齢で人生
を捉えている人々だと筆者は思うのです。

 

自分はもう60(65)歳を超えたからもう働けない

後は年金もらって切り詰めて生きていくしかない

 

こんな風に後ろ向きにならずに、高齢期になっても自分の可能性を前向
きに見いだせる人が長生きできる。

 

そんな風に考えると、自分の可能性を探してみたくもなりますね。

 

 

画像素材:Jim Mayes   家の前の公園では桜に続き白モクレンが満開です

 

 

人生の目的

 

 

前向きに考えるということは、長くなった人生を肯定し自分を社会に
どう活かすのかを真剣に考えることだと筆者は思うのです。

 

確かに長生きする為には健康を維持することも重要です。

 

ここで忘れてはいけないものがあります。

 

健康を維持することと共に重要だと思えるものに、人生の目的を持つこ
とがあげられます。

 

人は目的があるからこそ努力ができます。

 

目的を達成する迄は死んでたまるか!という気概も生まれます。

 

でも、

 

高齢期になると働けなくなるこの国で

 

年齢差別がまかり通るこの社会で

 

時代遅れの社会規範が蔓延している中で

 

高齢期で目的を持つことはとてもハードルが高いことです。

 

しかしながら、前向きに自分の人生の目的を再構築してチャレンジする
人が増えない限りこの国の時代遅れの社会規範を崩すことはできません。

 

コロナ・自然災害・戦争や紛争と難しい時代に、それが出来るのは経験
豊富で数多くの修羅場を潜り抜けてきた高齢期の人間だけかもしれない
のです。

 

 

画像素材:Jim Mayes ご近所のお庭ではスイセンの花が咲き誇ります

 

 

前向きに(考え行動して)、

 

健康を維持し、

 

人生の目的を再構築する。

 

そこからはおのずと獲得しなければならないスキルや人脈といった努力
目標も見えてきます。

 

もしかすると、セカンドステージやサードステージで活躍する理想の自
分の姿を思い描くことが出来るかもしれません。

 

その為にも、まず暦年齢で全てを考える習慣を捨てることから始めてみ
ませんか。

 

経験豊富な高齢期の方々が前向きに挑戦することで、この国を再び元気
のある国にできることを望んで止みません。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、感謝申し上げます。