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地域をどう守るのか

2023年08月19日
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先日筆者の住む街でも選挙がありました。

 

市長と市議会議員の補欠選挙が同時に行われました。

 

選挙期間中、市内のどこの駅前でも熱心に選挙活動を繰り広げる候補者
たちの姿がありました。

 

その中で姿が見えなかったのが、現職の市長さんでした。

 

2期市長を務め、与党を含めて主要政党のほぼ全てから推薦を取り付け
ていましたから当選は確実視されていました。

 

今回の市長選の争点は、市民病院を失くすのかどうかという点でした。

 

筆者の住む街は、筆者が移り住んだ30年ほど前には人口増加率が10
年連続で日本一に輝く等、まさに飛び鳥を落とす勢いのある自治体でし
た。

 

大都市大阪と神戸のベットタウンとして栄え、丘陵地の上に急速にニュ
ータウンが広がりました。

 

しかし、この街で生まれた子供たちが巣立つと人口増加は頭打ちになり、
そして(少子)高齢化の大波(難問)が押し寄せています。

 

社会保障費の暴騰に悩む自治体は、市民病院を隣のK市の主要病院と統
合合併を模索し、市長がある時一方的にそのことを発表したのです。

 

 

猛暑というか酷暑というか とにかく暑い夏です

 

 

市民運動が巻き起こる

 

 

市長とその取り巻きは安易に考えていたのかもしれませんが、すぐに市
民病院廃止(移転)反対の市民運動が巻き起こります。

 

その運動の中心が高齢者であることは、説明をする必要もないかと思い
ます。

 

その運動は筆者の想像をはるかに上回る勢いでした。

 

自宅の玄関門扉にプラカードを貼るだけでなく、街中で「市民病院をな
くすな」と訴えたのでした。

 

幹線沿いに多くの高齢者が立ち並び、プラカードを掲げていました。

 

そんな活動が広がっても、現職市長は態度を改めることもなく、選挙へ
と進みました。

 

結果は、政党推薦もない元サラリーマンの新人が当選することになった
のです。

 

市民病院廃止(移転)反対の意向を示した市議会議員(2人)も落選…

 

きっと現職市長(も立候補した市議会議員)も唖然としたはずです。

 

市議会議員の補欠選挙も、蓋を開けると一番若い(議員未経験の)新人
女性が当選…

 

市民も(政治家の)市民の声を無視した態度に、ほとほと愛想が付いて
いたのでしょう。

 

選挙終盤にやっと駅前に姿を見せた市長は、時既に遅かったのでした。

 

病院という市民にとって絶対不可欠なインフラを移転といえども市内か
ら失くすというインパクトの大きさを理解できなかったのでしょうか。

 

 

筆者が住む街の中心にある図書館前の広場です
病院以外にも市民にとって不可欠な施設は沢山あります

 

 

スーパーの激変

 

 

筆者の住む街には、街の入口の幹線沿いに一件と、街のほぼ中央にも
一件小さなスーパーがあります。

 

街の中央にあるスーパーまでは筆者の家から歩いて2~3分と、とて
も近いのですが、殆ど買い物をすることはありませんでした。

 

品数は少ないですし、値段が高いのです。

 

ですから、買い物はもっぱら車で市の中心にある大型商業施設に行きま
す。

 

筆者と同様に街の皆さんも同じだったと思います。

 

このスーパーは、いつもお客さんが少なく閑散としていました。

 

ただ街開きから35年以上が経ち、少し様相が変わってきました。

 

街が高齢化した為、買い物にも変化が出てきたのです。

 

旦那さんが他界して独り暮らし…

 

子供も近くにはいない…(頼れない)

 

車にも乗れない…

 

 

 

街の中心を走る幹線道路と鉄道(私鉄)、その両脇には商業施設が立ち
並んでいます でも車がないとここ迄来れない人も多いのです

 

 

そんな方々がこの小さなスーパーを頼りにし出したのです。

 

一時は閉店の噂までたちましたが、今では息を吹き返しました。

 

このスーパー、大きく戦略を転換したのです。

 

まず、週1回の定休日をなくし、お正月以外は休みがなくなりました。

 

そして、高齢者を目当てに総菜コーナーを拡充(今迄惣菜コーナーすら
ありませんでしたが…)

 

魚調理の職人を迎え、独自ブランドを設けて、魚の刺身や切り身、そし
てお寿司屋や炊き込みご飯まで販売するようになったのです。

 

まさに「高齢化対策」で生き残ろうとしているのです。

 

もう一つの大きな変化は、閉店間際の(値引き)セールです。

 

これも今迄ありませんでした。

 

筆者も仕事帰りにこの値引きセールを時々利用しています。

 

お寿司屋や炊き込みご飯が美味しいからです。(もちろんそれが格安で
買えることが魅力なのですが…)

 

このスーパー、生き残りをかけて知恵を絞り、街の高齢化を逆手に取ろ
うとしています。

 

安易に病院を統合すれば、社会保障費の負担を減らせると狸の皮算用を
した自治体に爪の垢でも飲ませてあげたいものです。

 

コンサル等の型にハマった知識や戦略等頼りにせず、地域にマッチした
再建策を市民と一緒に考える市役所になって欲しいと切に願うばかりで
す。

 

 

市街地から少し車で行くと湖があります
湖畔にも多くの施設がありますが、有効活用できているとは思えません

 

 

地域の機能をどう守るのか

 

 

筆者の街でも、地域の機能をどう守るのかという活動が始まったようで
す。

 

病院やスーパーだけではありません。

 

学校も廃止や統合が進んでいますが、そんなことをすれば益々子育て世
代には敬遠されてしまいそうです。

 

現実、人口は減少カーブを描き始めました。

 

コンパクトシティという言葉はとてもカッコいいのですが、そこに住む
人にとって本当に良いことなのでしょうか…

 

高齢化ととも衰退していく地域の機能やインフラをどう守るのか…

 

とても難しい問題ですが、そのヒントは、失くすとか統合とかではなく、

 

どのように変えていくのか

 

という観点で考えることから始めるべきかもしれませんね。

 

 

市内だけでなく県内外の街から子供たちを集めている博物館です
最近別館が完成しました 変えることは大事な事かもしれないのです

 

 

例えば筆者の家の近くにある小学校…

 

筆者の子供達が通っていた頃は、1学年が5~6クラスもありましたが、
今では1クラスがやっとの状態です。

 

子供の数が減ったことで、学校もスペースが空いています。

 

「学校は学校だ」という考え方が理解できますが、空いたスペースに医
療や介護の機能も設ければ地域の機能は弱まることはありません。

 

まちづくり協議会等が色々な活動に利用はしていますが、もっと役立つ
方法もあると筆者は思うのです。

 

高齢者の福祉の為に学校を使うだけでなく、例えば保育園やチョットし
た農園のように高齢者が働く場所に変えていく、というように…

 

これにはこの国の縦割りの縛りという悪しき習慣も変える必要がありま
す。

 

高齢化していくこの国の地域を守る為には、文化や風習をも変えて行く
ことも、これからは必要になってくるのかもしれません。

 

今回の選挙も、筆者には市民たちの声なき声が聞こえたようにも感じま
した。

 

ただ、投票率の低さをみるとまだまだ多くの声が口から出ていないのか
もしれません。

 

変えることに抵抗感がある場合も大きいのですが、機能を失くす前に
「変えてみる」努力をしてみるべきではないかと筆者は考えています。

 

駄目ならまたやり直せばいいのですから…

 

うまくいくまで…

 

少子高齢化に成功事例等存在しません。

 

ロールモデルもないのですから…

 

 

今回の記事も最期までお付き合いを頂き、感謝申し上げます。