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終活は必要か?

2024年02月17日
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先日、面白い記事を新聞記事(朝日新聞電子版)で見つけました。

 

東京都が終活を支援する自治体に補助金を出すというのです。

 

単身高齢者が「もしもの時」になった場合に困らないようにと、

 

「終活情報」と呼ばれる個人情報の登録事業をする市区町村に、東京都
が独自に補助を始める方針を固めたというのです。

 

筆者も「終活支援」をしている事業者や住民に対する「相談支援」を実
施している自治体があることは知っていたのですが、都道府県レベルで
のその活動を支援する動きはこれが初めてだと思います。

 

東京をはじめ都会では、高齢化の影響もあって、凄い勢いで単身高齢者
世帯が増え続けています。

 

東京都がここまでして補助金で支援する背景を考えると、単身高齢者世
帯で起き始めている様々な問題が、これから大きな社会問題になる可能
性があることを示唆しているようにも思えます。

 

ただ高齢者の皆さんに、「緊急連絡先」や「かかりつけ医」、「延命治
療の希望の有無」等を整理してもらう前にやってもらうべきことがあり
そうです。

 

それは余り聞きなれない言葉で表現されているものなのですが…

 

 

定年した時に、子供達から感謝の気持ちを込めてもらった花束です
自分の介護で子供たちに迷惑をかけないか心配です…

 

 

ACP(アドバンス・ケア・プログラム)

 

 

その言葉は、ACP

 

アドバンス・ケア・プラニングの略で、ACPといいます。

 

端的に言うと、「もしもの時の為の医療とケアの選択」ということにな
るでしょうか…

 

もしもの時の為に、

 

自分(自身)が望む医療とケアについて、

 

前もって考え、

 

(それを)家族や親族に伝え、

 

医療やケアを提供する側にも伝える

 

という取り組みです。

 

最終的には、医療やケアを提供する側に対するメッセージなのですが、
上記のように延命治療の有無を決めるというだけではないのです。

 

ただ、このACPを活用する為には、健康や医療に対する正しい知識や情
報を入手し、それを理解して活用する能力が必要になってきます。

 

 

筆者の家の近くにある博物館です
情報の宝庫でもある博物館、でも何か目的を持っていかないと何も
学べません
そう、情報を活かす能力が必要なのです

 

 

 

その能力のことを「ヘルス・リテラシー」と呼んでいるそうです。

 

自分の身体の健康状態(当然遺伝による疾病の可能性も含めて)につい
てよく考え、

 

山のようにある健康に関する情報の中から、適切な情報を見極めて、使
いこなす能力のことを指します。

 

ようするに、この能力を向上させることで、

 

病気の予防や健康寿命の延伸につながるのですが、

 

もしもの時を考える時にもとても役に立つということにもなるのです。

 

そんなことまで考える余裕なんてない…

 

そう諦めてしまう方には、是非お伝えしたいことがあります。

 

この能力、一旦身に付けるととても便利です。

 

応用が利くというか…

 

普段の生活の中でも、

 

何か心配な症状が出た時にでも、

 

そろそろ、もしもの時のことを考える時にでも、役に立つ…

 

このブログの原点でもある、「知って」「能力を習得して」「投資して
行動する

 

このルーチンを使えば、必ず能力は向上するのです。

 

 

画像素材:PIXTA
いくつになっても学ぶことは無駄にはなりません

 

 

医療・ケア現場の将来

 

 

なぜ最近になって、ACPやヘルス・リテラシーなんて言葉がクローズア
ップされてきたのでしょうか…

 

その要因は、社会の大きな変化です。

 

このブログでも度々ご紹介してきた2025年問題。

 

都会を中心に大きな高齢者の塊が、医療や介護が必要な段階に足を踏み
入れようとしています。

 

今でも大変なのに…

 

もっと大変なことになるのです。

 

その結果、医療への負担が増大し、入院患者が増え続ける可能性が高い
というから、事態は深刻です。

 

それに反比例するかのように、読者の皆さんもよく御存知のように、医
師・看護師・介護士の不足は深刻さを増しています。

 

医師の過重労働、看護師や介護士の高い離職率…

 

医療やケアへの需要は増えていくばかりなのに、担い手は減少していく
のです。

 

いままでのように、病院に任せていれば大丈夫という時代ではなくなっ
たのです。

 

これからは、

 

医療側に対して気軽に相談できなくなる可能性がでてくる…かも

 

丁寧な説明は望めなくなる…かも

 

病院はお決まりの処置しかできなくなる…かも

 

だからこそ、自分で知識と情報を得て、自分の合った選択を自ら行うこ
とが重要になるのです。

 

お決まりの「終活」よりも、もっと大事な、本質を突いた「本当の終活」
ができる知識と情報を得ることは決して無駄にはならないような気がし
ます。

 

その為にも医療と市民を結び、ACPやヘルス・リテラシーを駆使して、
本質を突いた終活を進めていけるような組織がこれからは必要になって
くるのかもしれませんね。

 

今回の記事は、新聞で見かけた「終活」について考えてみました。

 

是非、自治体の皆さんに知って頂きたい…

 

「緊急連絡先」や「かかりつけ医」、「延命治療の希望の有無」だけで
は、できることは限られていることを…

 

それよりももっと「前向きな終活」を真剣に考え、学んで頂くことの方
が、住民である高齢者の皆さんにとっても、自治体にとっても、良い方
向に近づくような気がします。

 

今回は、聞きなれない言葉「ACP]について一緒に学んでみました。

 

 

今回の記事も最期まで読んでくださり、感謝申し上げます。